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「自分の人生はどう描こう?」マーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士が訴える中学生たちへのアドバイス

娘が、「今日ねー、学校ですごく良い言葉に会ったんだよ!」と下校中の会話の中で興奮気味に教えてくれました。

それは、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア博士(MLK)のスピーチ中の言葉とのこと。有名なのかもしれませんが、私は初めて聴くものでした。「I have a dream」しか知らなかったというのが正直なところです。

娘のおかげで、とても素敵な言葉に出逢うことができたので、その感動をシェアしたいと思います。

それは、MLKが、中学生向けに行なったスピーチで、若者に対して、熱いエールを送っているものでした。そのスピーチの冒頭で、彼は、中学生たちに向けて、「What is in your life’s blueprint?」「あなたの人生の設計図には何が描かれていますか?」と投げかけています。

このスピーチのことをインターネット上で調べると、「What Is Your Life's Blueprint?」「Blueprint for Life」等の名前で紹介されていました。

Blueprintとは、直訳すると「設計図」や「青写真」という意味です。一般的には、計画やプロジェクトの基本構造や方針を示す文書や概念を指すそうです。

娘が良かったと私に紹介してくれたのが、そのスピーチ中の言葉でした。

If you can’t fly, run.
If you can’t run, walk.
If you can’t walk, crawl,
but by all means, keep moving!

https://profesorbaker.wordpress.com/2018/01/13/dr-martin-luther-king-jr-what-is-your-lifes-blueprint/

もし飛べないなら、走りなさい。
もし走れないなら、歩きなさい。
もし歩けないなら、這いつくばってでも進みなさい。
とにかく、何が何でも、前進し続けなさい!

和訳by筆者(私)

英語のクラスの中で、先生が紹介してくれたのだそうですが、母親としては、彼女にこういう言葉が刺さったということが少しびっくりしたのと、娘から自分が新しい知識と刺激をもらったことをとても嬉しく思いました。

翌朝、娘と一緒に、そのスピーチのYouTube動画を見たのですが、スピーチ全文と、そのスピーチの勢い、パワーみなぎる姿を目の当たりにして、自分の中で何か湧き上がるものを感じ、とても感動しました。

↓7分ほどの抜粋版を見つけました。

↓スピーチ全体版です。
冒頭は司会者からの紹介やプロモーションがあり、3分18秒くらいからスピーチ本体が始まります。とはいえ、スピーチ本体までの導入、抑揚、間の取り方、クスッとした笑いを取り‥という流れも非常に勉強になります。上記の抜粋版にはない聴衆の反応や、MLKがパワーワードを発した後の会場の盛り上がりの様子にも鳥肌が立ちました。

これは、MLKが1967年10月26日にフィラデルフィアのジュニア・ハイスクールで学生たちに向けて行った演説だそうです。よって、このスピーチの背景にある、様々な文化社会的背景を鑑みると、MLKが本来このスピーチで伝えたかった主旨と、私の感想にはある種の乖離?齟齬?があるのだとは思いますが、このメッセージは、十分、現代社会の私たち(若者だけではなく、大人にこそ)にも刺さるものがあると思います。

スピーチ全体を聴いて、他にも刺さった言葉がありました。

If you can’t be a pine at the top of the hill, be a shrub in the valley.
Be the best little shrub on the side of the hill.

Be a bush if you can’t be a tree.
If you can’t be a highway, just be a trail.
If you can’t be a sun, be a star.
For it isn’t by size that you win or you fail.
Be the BEST of whatever you are.

https://profesorbaker.wordpress.com/2018/01/13/dr-martin-luther-king-jr-what-is-your-lifes-blueprint/

丘の頂上の松になれないなら、谷間の低木になってもいい。
丘の斜面に生える一番良い小さな低木になろう。

木になれないなら、茂みになりなさい。
高速道路になれないのなら、トレイルになればいい。
太陽になれないなら、星になればいい。
成功も失敗も、大きさではないのだから。(他の要因で決まるのだから。)
自分が何であれ、最高の存在でありなさい。

筆者翻訳

スピーチの冒頭でMLKは、”I want to ask you a question, and that is: What is in your life’s blueprint?”と質問を投げかけていますが、実際にはスピーチの半ばで”And I want to suggest some of the things that should be in your life’s blueprint.”と、人生のblueprint(設計図・青写真)に何が入っているべきかを提示しているんですね。

人生の先輩として、指導者として、次世代の若者に対して、ここまでの指針を示すことができるという姿にしびれますし、このスピーチがなされたのが1967年だとして、MLKの誕生日が1929年とすると、MLKが38歳の時になされたスピーチなんですよね。私が38歳の時を考えると驚きを隠せませんし、いかにMLKの人間力がすごいものなのか、その偉大さを改めて感じました。

現代の風潮は、”個の尊重”という概念のもと、「あなた次第」「あなたが良いと思うならそれでいい」という姿勢が蔓延している気がします。若者に対してアドバイスや人生の指針を送ることが、あまり歓迎されていないムードがある気がするのです。「私の時はこうだったけど、今はもう時代は違うし‥」と、私たちも人生の先輩としての助言に意味があるのかも自信がなく、こうあるべき、という提示など、畏れ多くてすることができないというのが現状ではないでしょうか。

今回のMLKのブループリントスピーチを聴いて、そんなことを考えるとともに、私たちは本当に次世代を担う若者に対して、自信を持って伝えられることやアドバイスはないのか、もう一度考えてみたいと思いました。

以下に、MLKのスピーチ文を引用し、本記事を書き終えたいと思います。ChatGPTもDeepLの翻訳も生憎あまり良い出来だと思えなかったので、和訳の掲載は控えようかと思ったのですが、ざっくり内容を理解するのには役立つと思いますので、内容の正確さについては、皆様各自でご対応いただければと思います。

以前の私は、とにかく走って走って、一気に”成功”を手に入れたいというマインドセットでいました。そして、一度でもつまづくと、すぐに拗ねて諦めるということをしていた気がします。しかし今は、歩いたり、休んだりすることを覚え、少しずつでも積み重ね続け、一歩一歩着実に進むことが、結果的には、確実な”成功”に繋がるということに気がつきました。

這いつくばってでも、とにかく、少しずつでも前に進む。
悩んだり、人生に行き止まりを感じるような場面でも、1ミリでもいいからどうにか前に進む。

そんなことを感じ、エールをもらったような気がした、MLKのスピーチとの出逢いでした。

大人の皆さん、ご自身の人生の青写真、どう振り返られますか?
若者の皆さん、ご自身の人生の青写真、どう描きますか?

Rarely seen footage of Martin Luther King, Jr., speaking to students at Barratt Junior High School in Philadelphia on October 26, 1967, where he delivered his speech “What Is Your Life’s Blueprint?”
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I want to ask you a question, and that is: What is in your life’s blueprint?

This is the most important and crucial period of your lives. For what you do now and what you decide now at this age may well determine which way your life shall go.

Whenever a building is constructed, you usually have an architect who draws a blueprint, and that blueprint serves as the pattern, as the guide, and a building is not well erected without a good, sound and solid blueprint.

Now each of you is in the process of building the structure of your lives, and the question is, whether you have a proper, a solid, and a sound blueprint.

And I want to suggest some of the things that should be in your life’s blueprint.

Now that means you should not be ashamed of your color. You know, it’s very unfortunate that in so many instances, our society has placed a stigma on the Negro’s color. You know there are some Negro’s who are ashamed of themselves? Don’t be ashamed of your color. Don’t be ashamed of your biological features. Somehow you must be able to say in your own lives, and really believe it, “I Am Black But Beautiful!” And therefore you need not be lulled into purchasing cosmetics advertised to make you lighter, neither do you need to process your hair to make it appear straight. I have good hair and it is as good as anybody else’s in the world…And we gotta believe that. Now in your life’s blueprint Be Sure that you have a principle of Somebodiness.

Secondly, in your life’s blueprint you must have as the basic principle the determination to achieve excellence in your various fields of endeavor. You’re going to be deciding as the days, as the years unfold, what you will do in life — what your life’s work will be. Once you discover what it will be, set out to do it, and to do it well.

And I say to you, my young friends, that doors are opening to you–doors of opportunity are opening to you that were not open to your mothers and your fathers — and the great challenge facing you is to be ready to enter these doors as they open.

Ralph Waldo Emerson, the great essayist, said in a lecture in 1871, “If a man can write a better book or preach a better sermon or make a better mousetrap than his neighbor, even if he builds his house in the woods, the world will make a beaten path to his door.”

This hasn’t always been true — but it will become increasingly true, and so I would urge you to study hard, to burn the midnight oil; I would say to you, don’t drop out of school. I understand all of the sociological reasons why we drop out of school, but I urge you that in spite of your economic plight, in spite of the situation that you’re forced to live so often, with intolerable conditions — stay in school.

And when you discover what you are gonna be in life, set out to do it as if God Almighty called you at this particular moment in history to do it. And just don’t set out to do a good Negro job, but do a good job that anybody could do. Don’t set out to be a good Negro doctor, or a good Negro lawyer or a good Negro school teacher or a good Negro preacher or a good Negro barber or a beautician or a good Negro skilled laborer. For if you set out to do that, you have already flunked your matriculation exam into the University of Integration. Set out to do a good job and Do That Job So Well that the LIVING, the DEAD, or the UNBORN couldn’t do it any better.

If it falls your lot to be a street sweeper, sweep streets like Michelangelo painted pictures, sweep streets like Beethoven composed music, sweep streets like Leontyne Price sings before the Metropolitan Opera. Sweep streets like Shakespeare wrote poetry. Sweep streets so well that all the hosts of Heaven and Earth will have to pause and say: Here lived a great street sweeper who swept his job well. If you can’t be a pine at the top of the hill, be a shrub in the valley. Be the best little shrub on the side of the hill.

Be a bush if you can’t be a tree.
If you can’t be a highway, just be a trail.
If you can’t be a sun, be a star.
For it isn’t by size that you win or you fail.
Be the BEST of whatever you are.”


***
“Finally, in your life’s blueprint, must be a commitment to the eternal principles of beauty, love, and justice. Well life, for none of us, has been a crystal stair, but we must keep moving, we must keep going!

If you can’t fly, run.
If you can’t run, walk.
If you can’t walk, crawl,
but by all means, keep moving!”

***
— From the estate of Dr. Martin Luther King, Jr.
***

https://profesorbaker.wordpress.com/2018/01/13/dr-martin-luther-king-jr-what-is-your-lifes-blueprint
※YouTubeの全スピーチ動画を見ると、このスクリプトは全文掲載ではなく、抜粋掲載のようなのでご注意を。

私はあなたに質問したい: あなたの人生の青写真は何ですか?

今が君たちの人生で最も重要で重要な時期だ。
この年齢で今何をするか、何を決断するかによって、人生の行く末が決まるかもしれないからだ。
建物を建てるときには通常、建築家が設計図を描き、その設計図がパターンとして、ガイドとして機能する。
今、あなた方一人ひとりが自分の人生の構造を構築している最中であり、問題は、あなた方が適切で、堅実で、健全な設計図を持っているかどうかということだ。
そこで、人生の設計図に入れるべきものをいくつか提案したい。
つまり、自分の肌の色を恥じるべきではないということだ。
多くの場合、私たちの社会が黒人の色に汚名を着せているのは非常に残念なことだ。
自分自身を恥じている黒人がいることを知っているかい?
自分の肌の色を恥じるな。
自分の生物学的特徴を恥じるな。
どうにかして、自分自身の人生で、"I Am Black But Beautiful!"と言えるようになり、それを本当に信じられるようにならなければならない。
だから、自分を明るくするための化粧品に惑わされる必要はないし、髪をストレートに見せるために加工する必要もない。
私は良い髪を持っているし、世界中の誰よりも良い髪を持っている......そう信じよう。
そして、そう信じなければならない。今、あなたの人生の青写真の中に、「サムボディネス」の原則があることを確かめよう。

第二に、あなたの人生の青写真の中で、様々な分野で卓越性を達成するという決意を基本原則として持たなければならない。
人生の中で何をするか、つまり自分のライフワークを何にするかは、日々、年月が経つにつれて決まっていくものだ。
それが何であるかを見つけたら、それを成し遂げるために、そしてそれをうまく成し遂げるために出発するのだ。
そして若い友人たちよ、君たちには扉が開いている。君たちの母親や父親には開かれなかったチャンスの扉が、君たちには開いているのだ。
偉大なエッセイスト、ラルフ・ワルド・エマーソンは1871年の講演で、「もし隣人よりも良い本を書いたり、良い説教をしたり、良いネズミ捕りを作ったりすることができれば、たとえ森の中に家を建てたとしても、世間は彼の家の前まで道を作ってくれるだろう」と語った。
だから私は、君たちには一生懸命勉強し、夜中まで勉強し、学校を中退するなと言いたい。
学校を中退する社会学的な理由はすべて理解している。しかし、経済的な苦境にあろうとも、耐えがたい状況での生活を余儀なくされようとも、学校に留まることを強く勧める。
そして、人生で自分が何になるかを発見したら、全能の神が歴史のこの瞬間にあなたを召したかのように、それを成し遂げようとすることだ。
そして、黒人のような立派な仕事をするのではなく、誰にでもできるような立派な仕事をするのだ。
優秀な黒人の医者、優秀な黒人の弁護士、優秀な黒人の学校の先生、優秀な黒人の伝道師、優秀な黒人の理髪師、美容師、優秀な黒人の熟練労働者になることを目指してはならない。
そんなことをしようと思ったら、すでに統合大学の入学試験に落ちているのだから。
生きている者も、死んでいる者も、生まれていない者も、それ以上のことはできないくらい、いい仕事をし、その仕事をうまくこなせるようになりなさい。
もし道路清掃員になるのがあなたの運命だとしたら、ミケランジェロが絵を描くように道路を清掃し、ベートーベンが音楽を作曲するように道路を清掃し、レオンタイン・プライスがメトロポリタン・オペラの前で歌うように道路を清掃するのだ。
シェークスピアが詩を書くように道を掃除する。
天と地の万軍が立ち止まり、こう言わなければならないほど、道路を掃除するのだ: ここに偉大な清掃員が住んでいた。

丘の頂上の松になれないなら、谷間の低木になれ。
丘の側で一番の小低木になれ。
木になれないなら、潅木になれ。
ハイウェイになれないなら、トレイルになれ。
太陽になれないなら、星になれ。
勝つのも失敗するのも大きさではないのだから。
自分が何であれ、ベストであれ。

最後に、あなたの人生の青写真には、美、愛、正義という永遠の原則へのコミットメントがなければならない。

人生とは、誰にとっても水晶の階段ではない、
しかし、私たちは動き続けなければならない、進み続けなければならない!飛べないなら走れ。
走れなければ歩けばいい。歩けなければ這えばいい。しかし、ぜひとも動き続けよう!

(ご参考まで)DeepL先生による和訳


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