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シンデレラ理論に注意。いつか王子様は…来ない。

「今ツラくても、頑張っていれば、いつか王子様が来て、私をこのツラい現状から救い出し、幸せにしてくれる。」という、「いつか王子様が」でお馴染みのシンデレラ理論のように、私たちの多くには、無意識のうちに、そんなマインドセットが植え付けられています。
 
・ツラい先に幸せがある。幸せになるためには苦しみが必要だ。
・頑張るから幸せになれる。頑張らないと幸せになれない。
・今は苦しいけど、これは将来の自分の成長のために必要だ。
・ツラいから、我慢しているから、今しんどいから、この先にはハッピーエンドしかないはず。
 
辛ささえも肯定してしまいがちな私たち。
かくいう私も、そのマインドセットを今でも心の奥底に飼っています。
 
私はかつて、仕事が大好きな企業戦士で、「仕事をすること=幸せ」だと思っていました。超激務で有名なIBという環境に勤めたのも、「厳しさの極限にある仕事」を敢えて選びにいった気もしますし、当時の私は、“忙しい自分”を誇りに思っていたところもあります。「これだけ頑張っていれば、いつか良いことがあるはず」「これだけツラいんだから、私は誰よりもイケてるはず」と、心のどこかで信じていました。

しかし、お金は稼げても、溜まったストレス分だけ派手にお金を使っていました。お酒も飲んでいました。いくら辛い環境で頑張っても、それによって満たされることはありませんでした。いや、今だからこそ、その当時の自分を満たされていない状態、と分析できるだけで、その当時の私は、満たされていると錯覚していたのです。
 
最近も、大学院の修士論文を書いていた時がそうでした。自分を敢えてツラい環境に追い込んで、「自分はツラくてかわいそうな人間だ」という気持ちと、「こんなにツラい環境で頑張っている自分はすごい。エライ」と、ツラい自分に酔っていました。そう、自分に酔っていたんです。

そんな私が、自分が“いつか王子様が状態”にあると気づき、そこから抜け出そうと意識することができるようになったのは、コーチを使うようになってからでした。

ある日のコーチングセッションで、自分は敢えて苦しみを求めにいっていることに気づきました。

前後の文脈がない中での箇条書きだと分かりづらいかと思いますが、コーチングの中で私が得た気づきを、結論のみ共有させていただきますね。
(私のコーチは日本人ではないので、英語でコーチングを受けているのですが、英語の方がしっくりくると思う表現はそのまま英語で記載しています。)

  • 「苦しむこと=達成すること」という構図に慣れ過ぎている

  • I can’t achieve unless I suffer.という想いを抱えすぎている

  • 頑張れば頑張っただけ良いことがある、という昔の成功体験をひきずっている

  • 生まれてから今まで40年間、Suffer! Suffer! Suffer! Achieve! Achieve! Achieve! だった

  • 今ストレスがないこと、8-9時間睡眠を確保できることを幸せに思うのではなく、心配になっている自分に気づく

  • 「苦しくないんですけど、私、大丈夫?」と、わざわざ問題を探しに行っている。

  • Guilt freeでいい問題を探さない。作らない。I’ve done enough!

  • Life is about celebrating! Not suffering!

そう、私は、自分で苦しみを求めにいっていることに気づいたんです。もっと楽しんで良いはずなのに。

と、エラそうに言っている私ですが、今でもこの「敢えて苦しみを求めにいっている」ところは垣間見えます。しかし、以前の自分と違うのは、自分で自分がそういうマインドセットに縛られているということに気づけるようになったことです。

それに気づけるようになると、「そうだったー、またやっちゃったー」と意識がリセットされます。それだけで違うんです。

皆さんも、本来しなくてもよい苦労や苦しみを、敢えて、求めにいっていないか、少し振り返ってみてはいかがでしょうか。

  • 辛い先に幸せがある。幸せになるためには辛さが必要だ。

  • 頑張るから幸せになれる。頑張らないと幸せになれない。

そう思って、今まで何年間過ごしてきましたか。
そして、その結果、今、幸せですか。

断捨離では、3ヶ月、半年、1年使わなかったものは処分しても困らない、といいます。
数十年の社会人生活のなかで、これまでツラい想いをして求めてきた幸せが、今実現していないのだとしたら、きっとそれはこれからも実現することはないのでしょう。

いつか王子様は…来ません。

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現役IBバンカーの皆様へ。
IBバンカーというステータスがなくなったら、自分はもう幸せにはなれないんじゃないかと心配に思いますよね。私もそうでした。
でも、15年IBにいて卒業した私が断言します。今、すごく幸せです 笑
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