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セカンドキャリアを考えることは大事だけど、考えるだけでは難しい

私が「定年女子トーク実行委員会」を立ち上げたは7年前のこと。
起ち上げた張本人なので、「セカンドキャリア」について私が考えていることを書こうと思います。

キャリアって何?

キャリアと聞いて何を思い浮かべますか?
官僚、警察や自衛隊では、キャリア組とノンキャリがある、
男女雇用機会均等法前後には、キャリアウーマンという言葉がもてはやされてた…
などなど、私が思い浮かべていたのはそんなところ。
広告会社勤務で天職を得たと思っていた仕事好きだった私は、キャリアを悩むことも考えることもありませんでした。

でも本来「キャリア」とは、仕事人生を含めた生き方そのもののこと。
そう知ったの会社を辞めてからのことでした。
何にやりがいや生きがいを感じ、どんなことに価値をおくかは、一人一人みんな違う。
だから自分のキャリアを考えることが大事なのだ、と。
今の大学生(や若い世代)は濃淡はあれど学生時代からキャリア教育を受けているようですが、私世代では若い頃にそういう教育を受けていません。

セカンドキャリアを考える⁈

定年が視野に入り始めると、セカンドキャリアを考え始める人が増えてきます。
それは男性だけでなく、働き続けてきた女性も同じ。
どんなに好きな仕事であっても、イヤでたまらない仕事であっても、会社勤めなら必ず定年という終わりがやってくるし、この先自分は何をしていくのかと考え始める人が多くなるのではないでしょうか。
定年が見えてくるからこそ考え始める、考えざるを得なくなるのかもしれません。

私の場合、定年を意識して会社を辞めたのは50歳になる前でした。
40才を超えたあたりから、
私はいつまでこの会社で働くのだろう?
仕事はこの会社で終わりなのかしら?
もっと別なこともやってみたい。
そんなことを考え始めました。
今思えば、それがセカンドキャリアを考え始めたことだったわけですが、当時は「セカンドキャリア」を意識したわけではありませんでした。そんな自覚はなかったんです。
でも考えてはみるものの、なかなか前には進まない。考えもまとまらない。
どうするの、私?
何がやりたいの、私?
このままでいいの?よくないよね?
おもしろそうなことがやりたいな。
でも考えるのはそこまでで、答えが出てくるわけではありません。
ただそんな思いがぐるぐるするだけ。
しかも日々の雑事や遊び、おつきあいなんかもあるなら、考えつつもちょっと棚上げ、そのうち忘れちゃって、気づくと何年も時間が経ってしまうことも。
今さら何ができるかわからないし、まぁいっか、と思考停止になってしまったこともあるし、考えてもよくわからない、自分には何もないと思って自己嫌悪の穴に落ちて気持ちまでが落ちていきました。

やりたいことが明確な人は幸せだ

会社を卒業したら〇〇をやりたい、
定年が楽しみ!
ときどき、そんなふうに言う人に出会います。
でもそんな人はほんのひと握りではないでしょうか。
趣味であれ、社会活動であれ、別の仕事であれ、これからやりたいことをはっきり言葉にできる人は、とても幸せだと思います。
今まで一生懸命働いてきて、仕事以外の趣味もいろいろやってはきたけれど、それは仕事をしながら余暇で楽しんできたことであって、それがメインになるかというと、ちょっと違う…。
私はそれなりに多趣味な人間だったのですが、趣味だけで生きていける気はしませんでした。
「何か」やりたいと渇望はするのですが、それが何かわからない時間は、会社を辞めてからも長く続きました。

やりたいことは自分の知っていることからしか選べない

やりたいことを考えるとき、その選択肢は、過去の経験や知識、情報などなど。全く知らないことや想像もつかないことは、選択肢に入るはずはありません。
これまで長く生きてきていろいろ経験したと思っていても、所詮は自分のいた環境や見聞きした世界の話だけなんですよね。職場の仲間や友達なんて、意外に狭い世界。
だから見つからないのかもしれない…。
セカンドキャリアを考えるのも同じ。
今までに会ったことのない人に出会ったり、現場に見学に行ったり、そういうことで、やりたいことに出会えることもあるのではないかしら。
私は今、「終活カウンセラー」として終活講座の講師なんかもしているけれど、20年前には終活なんて言葉もなかったし、そんな世界も知識もありませんでした。葬儀屋さんの存在すら知らなかった…。
でも人の顔つきに興味を持ち、遺影に関心を持ったことから、終活の世界に出会い、学びはじめ、面白くなっていったという実感があります。
いろいろ動いたほうがやりたいことに出会う機会が増える。
セカンドキャリアもきっと同じ。
休みの日にいろんな仕事を見に行ったら?バイトでもしてみたら?知らない仕事をしている人に話を聞いてみたら?
それって、子どもに仕事を見せる総合学習や、OB訪問する学生の就活にも似ている気がしませんか。

定年女子トーク実行委員会では、そんなもやもやを抱える人たちやいろいろ考えたい人たちが語り合う場を設けています。
話すことで自分の考えがまとまることもあるし、思いは同じでも知らなかった世界の人がいて、自分お考えが進んだり、なかには新たな一歩を進め始める人もいます。

正直なことを言えば、私自身は今も「自分のやりたいことがわかった」と自信をもって言えるかと聞かれれば、よくわかりません(苦笑)。
でも、わからなくて苦しい時間からは抜け出せたような気がしています。
イキイキと生きていることって、やりたいことを探し続ける時間なのかもしれないと思うようになりました。
少なくとも私は、これからもずっとやりたいこと、面白いことを探し続けて生きていきたいなあ、と思っているんです。

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