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法要のお布施は、新札?

昨年父が亡くなり、先日一周忌の法要を行いました。

その前の弔事と言えば、一緒に暮らしていた祖母が亡くなったときで、今からもう30年以上前のこと。

いつまでも結婚しない私に対して両親はとてもうるさかったし、親戚からもいろいろ言われるのが嫌で(いろいろ言うかどうかはわからないのに)、私は祖母が亡くなる直前に実家を出て念願のひとり暮らしを始めたのでした。
当時は20代後半でも、そういう時代だったんですよね・・・

これまで実家のお墓やお寺さんとのおつき合い、親戚の慶弔行事については祖父母や両親がやってきたことでした。
気づくと、父の法要をどうやって営めばいいのか、母がいないと意外と細かいことがよくわかっていない私がいるのです。終活カウンセラーとしても活動し、終活の講座を担ったり、個人からのご相談に対応している私なのに、です。

今回気になったのは、一周忌法要をお願いする際にお坊さんにお渡しするお布施は、新札か?ということ。

お葬式では新札を避けましょうーーこれはよく知られていることです。
まるで亡くなることを待っていたようだから新札は失礼、だから新札を避ける。そういうことですよね。

では、一周忌の場合はどうなんでしょう?
一周忌は前々からわかることであり、準備をする場です。
私たちは喪服で参列します。会場はほぼ黒一色。子供たちは制服か制服に準じた服装です。やっぱりお葬式に近いのかな。

お葬式と同じ? それとも?

結論から言うと、望ましきは新札。
でも、どちらでもよいのだそうです。
しかも、そもそもの理解が間違っていました。

お葬式の御香典は新札はダメ、
旧札を使うべきは、お通夜やお葬儀の御香典の場合。
でもお葬式のお布施は新札でもそうでなくても、どちらでもよい。
だから一周忌法要のお布施も、どちらでもよい、のだそうです。
「喪」のお席は、すべて旧札と思い込んでいましたが、むしろお布施は慶事と同じと心得ておくのがよいそうです。
しかも、お布施でお札を入れる向きは、表(肖像画が描かれている面)が上になるように包む決まりがあります。たしかに慶事のときと同じ向きですね。

知りませんでした。
こういうこと、かつては親に聞くものでした。
親がわからないときは、同居していた祖父母に聞いていました。
現在、偶々私は周囲に終活関係のお仕事をされている方が多くいるので、こういう時にすぐに聞くことができます。
でも、もしも聞きにくかったり、それでもわからなかったりしても、今はインターネットもあるので、すぐに調べられます。

私が両親とずっと一緒に暮らしていれば、そういう知恵の伝承があったことでしょう。
しかし、私が若かった頃には親から離れたくて、自由になりたくて、という思いが強かったので、そういう習慣を恥ずかしながら馬鹿にしていた節がありました。
我が家は石川県金沢市の出身だったので、地域性としては「家」を重んじる風潮があり、大した家ではなかったけれど同居の祖父母にはそれなりのこだわりもあったようでしたが、私は意識してそういうことを受け継がなかったのかもしれません。

でも、いざ父が亡くなり、法要を営む段になったら、頼りにすべき母は認知症を患い、まったく当てにならず・・・。
長男や男の子を重んじる金沢でしたが、私たちは三姉妹で長女の私はなんとも心もとない・・・。

世の中を見回してみると、祖父母との同居家族は激減し、高齢化で老親はいつまでも元気で、元気がなくなっても親の死を経験しないまま長い時間が経っていきます。
気づくと、親からの伝承を受け継いでいること自体がもはや奇跡!なのかもしれません。もはや、新札かどうかを気にすること自体も、今の時代にはあまり関係なくなっているのかもしれませんね。

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