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外国籍雇用企業インタビュー「コンタツ」社長のCareerFlyとは-中編

「外国籍人社員とともに飛躍する(Career Fly)」
”外国籍人材”を雇用する真意とは?
日本において、積極的に外国籍人材を採用している企業は何を目的としているか、インタビューを通して紐解いていく。キーパーソンとなる企業経営者へ質問を重ね外国籍社員とともに飛躍する(Career Fly)ロードマップを聞き出していく。

前編はこちら

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羽二生:全国展開をしていく問屋が増える中で、逆に地元の酒蔵と手を組み、地元のブランドを立ち上げていく。東京でのお酒の歴史を変えた取り組みですね。
「東京ローカル」といえば、私はビールのイメージがありました。ビール造りはどのように始められたのですか?

津久浦氏:マーケティング的にいうと、全体のアルコール消費量の約半分は、ビールです。でも日本酒はそのうち6%くらいしかないんですね。ビールを作ればより多くの人がコミュニケーションが取れる。フレンチやイタリアンでも出してもらえるお酒がビールです。なので、ビールを作れば、特に東京のローカルクラフトビールがあれば、もっとうまくいくと思いました。

東京のビールは、東京を語れる人・企業が作るしかない。それなら弊社がプロデュースして、東京の酒蔵さんに作ってもらうしか、シナリオがなかったのです。(笑)

羽二生:確かに。御社しかできない完璧なストーリーですね!

津久浦氏:そう思ったのです。ただ、実現までは3年ぐらいかかりました。すでに皆様独自のブランドを持っていたし、クラフトビールブームがまだ来る前だったので。
でもそんな中で一社一緒にやろうと言ってくれるところがみつかり、私も社長もブルースが好きだったことから「TOKYO BLUES」というビールを作ることになりました。

そこからはトントン拍子で進みました。

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羽二生:それまでもオリジナル商品は手がけていらっしゃったのですか?

津久浦氏:いえ、私が入社してからです。今やオリジナルのワインやビール、焼酎や日本酒もあります。そうすると営業の幅も広がります。

かつて平均年齢50歳以上でした弊社も、今や若い世代が営業の中心です。
「東京ローカル」という目的やビジョンのもと、オリジナル製品があるというのは楽しいようで、社員の離職も減りました。

羽二生:自社のストーリーが語れる商品があるのは、いいですね。

津久浦氏:すごく大事なことです。実は100年ぐらい続く日本橋の老舗の寿司屋さんとか、鰻屋さんが、弊社の商品を置いてくれているんですよ。簡単に新参者を入れない彼らが入れてくれた理由が、これは「江戸の粋だから」「江戸前ビールだから」だと。
これが、東京ローカルの力であり意味であると思います。

世界的マイノリティの日本酒を世界に広める

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羽二生:国内、特に東京という地盤を固められた後は、東京から海外へと展開されていくと思いますが、それはどのように行われたのですか?

津久浦氏:海外へ日本酒を展開するには、いくつかハードルがありましたが、一番は価格です。
酒蔵さんが輸出をする際、言葉の問題などがあり、海外のインポーターと組んで輸出をすることが多いです。そうなると、消費者の手に届くまでにいくつかの業者を挟むことになるので、気づいたら価格が日本の3〜4倍で売られることになります。

日本食ブームのおかげで、日本酒の輸出額はここ10年で5倍以上になりましたが、これは日本食とセットで売れているにすぎません。
日本酒をワインなど他のアルコールのように楽しんでもらえているかというと、そうではない。
その理由の一つが、価格だと思うのです。

その対策として、弊社では「海外に子会社を作り直接売る」というやり方と「ECで直接売る」という2つの方法を取っています。

羽二生:ECサイトを拝見すると、アジア向け、特に中華圏へのプロモーションが強いように感じます。

津久浦氏:そうです。最初は世界に向けて!ということで進めていたのですが、マーケティングがぶれてあまりうまくいきませんでした。また、すでにある市場から考える適正価格もわからなくなってしまった時期がありました。そこで、もうこれからはアジアの時代なのでアジアに売る。そしてそのビジネスの中心には華僑があるからそこを狙おうと踏み切りました。また、価格も日本の表示価格にしました。

後編

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