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ヘッドハンターの定義とは!?

日本を取り巻く人材不足問題

終身雇用制度が崩壊し転職が当たり前になった今、転職者数は年々増え続けています。
総務省の労働力調査によると、2010年の転職者数は283万人でしたが、2015年には298万人となっており、わずか5年間で約15万人も増えていることがわかります。

また、2015年の転職者比率(転職者数÷就業者数)は4.7%で、約20人に1人が転職をしている計算となります。男女別に見ると男性が3.9%、女性は5.7%となっていることから、特に女性の転職者が多いようです。

このように採用する側にとって人材の流動化が進んでいるにもかかわらず、人材不足に頭を悩ませている企業は少なくありません。
転職希望者の「量」の問題は改善しつつありますが、必要なスキルを持った人材が現れないという「質」の問題は依然として解決していないのです。

いくつかある問題のひとつに「エグゼクティブ層の人材不足」があります。世代交代に伴って、「カリスマ社長の跡を継ぐ人材が育っていなかった」「社長の子供が首を縦に振らない」など、企業の規模を問わず経営者不足が顕在化しています。

募集が思うように進まない理由として、以下の2点が挙げられます。

(1)大々的に募集できない

経営幹部などの要職を、従業員を募集するように誰もが見られる求人サイトに掲載することはできません。

指導者の不在を世に知らしめることで株価に影響が出たり、経営状態を不安に思った従業員が転職したり、要件を満たさない人からの募集が増えて採用担当者の負担が増えたりするためです。

(2)内部からの反発が多い

社外からトップを招聘する場合、従業員からの反発という懸念材料があります。
経営を任せられるだけの経験とスキルを有していることはもちろん、年齢の問題、経営方針への理解、人柄など、さまざまな点でマッチしなければ内部からの反発は避けられません。

これらの求人問題を解決してくれるのが「転職エージェント」と「ヘッドハンティング会社」です。ともにエグゼクティブ層の不足を知られることなく、スピーディーに候補者を発見できることから、注目が集まっています。

「ヘッドハンティング」に対する誤解

欧米ではヘッドハンティングを受けて他社に移籍することは珍しくありませんが、日本において世間に認知されるようになったのは21世紀になってからでしょう。

元ローソン代表取締役社長及び会長の新浪剛史氏がサントリーホールディングの社長に、また、元日本コカ・コーラ代表取締役会長の魚谷雅彦氏が資生堂の社長になったことで、いわゆるエグゼクティブ層のヘッドハンティングが注目されるようになりました。

しかし、近年エグゼクティブ層向けの「転職エージェント」が有名になるにつれて、「ヘッドハンティング」と混同されることが多くなってきました。

実際、転職エージェントのサイトを見てみると「ヘッドハンターがスカウトします」などと書かれていることもあるため、利用者が誤解してしまうのも無理はありません。

しかし、ほとんどの場合、転職エージェントのサイト内で使われているヘッドハンティングという言葉は、本来の意味とは大きくかけ離れています。
本来のヘッドハンティングとは、いったいどのようなサービスなのでしょうか?

正しい意味での「ヘッドハンティング」とは?

ヘッドハンティングとは、クライアントが求める人材を、「人脈」「評判」「インターネット」などを駆使して、あらゆる業界から探し出す手法のことをいいます。プロ野球におけるスカウトマンに該当する仕事といえばイメージしやすいかもしれません。

転職エージェントは、サイト登録者の中から人材を紹介するのですが、ヘッドハンティングは転職サービスを利用していない人を含む「すべてのビジネスマン」を対象にしています。

転職サービスを利用していないといっても、その人が転職を希望していないわけではありません。

以下のように、転職活動をしない理由はさまざまです。

<転職活動をしていない理由>
・忙しくて転職活動をする時間がない
・今の会社に満足している
・積極的に活動するほどではないが、条件次第では転職したい
・現在の会社に不満はあるが、安定を考えて現状維持
・今は転職する時期ではないと思っている

一般的に優秀な人ほど高い地位に就いていたり、相応の報酬をもらっていたりしますので、積極的に転職活動をしない傾向があります。転職エージェントでは、このような人材は紹介することはできませんが、ヘッドハンティングなら可能です。

日本でも、徐々にエグゼクティブ層だけではなく、中間管理職や技術者などのヘッドハンティング事例が増えています。

これは、「求職者を待つ」という従来の方法では、優れた人材を確保できなくなっていることの現れなのかもしれません。

求めている人材がなかなか見つからない場合は、探し方を変えてみるのもひとつの手段といえるでしょう。

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