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新卒に3人のうち1人が3年以内に辞めるってよ!?

丁稚奉公の名残かな?

人事の仕事をしていると、「石の上にも三年」説というのが未だに信じられているから不思議に思うようになりました。
なぜなら、人の成長力っていうのは一概に決まらないし、新卒から3年経って一人前という考え方も今の時代の流れにあっていないのが現状だろう。

新卒であることは真っ白なキャンパスを持っているから、自分たちの色に染め上げたいという企業も多い。
企業文化を知らないということは、無知であり、企業文化を浸透させることができるようになるというのが、昔ながらの考え方なんだろう。

忍耐力や辛抱力がないといわれてしまうと、人によって違う一概にいえない。
本当にやりたいことを見つけて天職としてやっている場合はこの限りではない。

いろいろな経験をしている人ほど、天職を見つけた時にのめり込むことは間違いないし、検知見聞の広さ、柔軟さを持ち合わせている人もいる。
何が適職で天職になるかは誰にもわからないし、やってみて気づいてみたら山ができていたということもよくある話である。

大手企業だから安泰という時代は終わった

最近のニュースには誰もが知っている大手企業がバブル期入社組や40歳オーバーの人を対象に早期退職制度を持ち出して、リストラを始めている。
去年から今年にかけて主だった早期退職を募った企業と人数がこちら。

6/24 損保ジャパン 4000人
6/12 JDI 1200人
6/5 MUFG  10000人
6/4 みずほ  19000人
5/26 富士通  2850人
5/22 三井住友FG 5000人
5/14 日産  4800人
4/19 パイオニア 3000人
2/3 ルネサス  1000人
11/7 東芝  7000人

計約6万人が早期退職者として、市場へ出てくることになります。
ミドル世代の転職は管理職不足から活性化されているとはいいますが、実に激戦区であり、1人に対して0.1〜0.2枠という狭き門である。

なぜ、人手不足と言われている中で企業が早期退職を利用しているのか?というと、40歳以上の高給取りの働かないおっさんたちが対象と言われている。

生産性重視、スピード重視にスイッチングしていく中で、弊害になる人達から若手の活性化を図りたいと言うのが経営者の心理です。
実直に任務を遂行する若手とゴネる老兵なら、若手を使いながら給与アップをしていくというのがセオリーだろう。

リーマンショック並みの不景気が来ると推測されると内部留保を貯めることも必要になりますし、企業を存続させるためには新陳代謝も必要になります。

会社から必要とされる人材になる必要があり、そうなるためには日々の業務に対して真摯に仕事をしていないと評価はされません。
また、社内の信用預金が貯まっていないとリストラの候補に上がってしまう可能性もあるため、どうすればいいか不安を抱えたまま進んでいる人が増えています。

石の上にも三年というけれど…

経営層の多くは未だに石の上にも三年説というのが定着している。
人材が戦力となるまで3年はかかるという考え方。
間違いではないけれど、時代錯誤ではないかと思うようになった。

人材育成をしていると気づくことですが、個人によって成長力が違い、早熟、普通、晩成の3タイプがいるということ。
2:6:2の法則で優秀な2割がどんどん成長をしていくということ。

2の不良社員が全員退職をしたとしても、自然の摂理としてまた2割の不良社員ができてしまうということ。
早期退職制度を利用してリストラクチャリングをしたとしても、どうしても働かないおっさんたちはできてしまう。
いわゆる無限ループに入り込んでしまうことになる。

そうならないためにはどうしたらいいのかと考える人もいますが、自然の摂理であり、全員を戦力化するのであれば、最少人数で会社を運営していくしか方法はないというのが現状でしょう。

少数精鋭集団をつくり、ギルト化していくことでフリーランスや時短社員を巻き込みながら、新しいキャリアを形成していくこともできるチャンスが、早期退職を防ぎ、弱く長く繋がれる方法かも知れません。

即戦力を採用したいという幻想

新卒採用のインターンシップについても1dayインターンシップよりも、長期のインターンシップが人気になっている。
理由としては、業務内容や仕事内容への理解とともに、会社の雰囲気や働く人の雰囲気など、採用のホームページや面接では見抜けないことが見えるというのも魅力的な一つである。

企業としてはインターンシップを通して、仕事ぶりから即戦力になりそうな学生を選定していく時代へ移行しています。
そのため学生も希望する企業へ入るためにインターンシップの限られた枠を狙っていくことになります。

採用格差が生じることはもちろんですし、入り口をたくさん設けていないと採用したいが学生に出会える確率も減ってしまうというのが現状です。
マス媒体の採用からソーシャルリクルーティングに変化をして、口コミのリファラルリクルーティングに変化をして、全社をあげて採用するスクラム採用の時代になっています。

最近ではファンベース採用ということで、社員全員がSNSで個人のブランディングをしながら、スカウトマンの役割を果たし、コアなファンを作ることで採用活動をしている会社も増えています。

忙しいからできない、情報漏えいをしたらどうする、企業ブランディングが低下したらどうすると懸念していては採用活動がうまくいくことはありません。

動いてみて、いろいろな経験を積んでいかないと成長はしていきませんし、これが正解ということもありません。
多様化していく時代の流れの中で採用の手法もいろいろ編み出されていますから、知識のメタボリックにならないように、新しいことにドンドンチャレンジしていきながら、自分の会社にあった採用手法を見つける時代です。

心技体が壊れるぐらいなら、転職をするほうがいい!

結論から言うと20代前半の失敗については取り返しがつきます。
もし大手企業に入って大手のやり方を盗めた、自分のものにできたという自信があるのであれば、独立してもいいでしょう。

大手のやり方でダークサイド・スキルを身につけられたらベンチャー企業や中小企業に転職をするのもいいでしょう。

「3年経たないと一人前にならないよ」とか「ここで逃げたら、トコトン逃げる人生になるぞ」とか、「お前なんかどこいっても通用しねーよ!」とかいろいろ言う人がいますが、それはその人の価値観ですから、どうでもいい話です。

管理職は価値観を押し付け、先入観で話をしたら、引き止め工作の体を保てるからそうしているだけだと思ってください。
心技体のバランスが壊れてしまうことはもったいないことですし、それでロスタイムが発生するのはもったいないことです。

全滅する前に少し余裕を持った状態で転職活動を考え、3年在籍していないからというネガティブが感情に流されないことがポイントです。
全滅してしまうと意味がないのですが、不安に苛まれそうになった時、大学時代の友人やパートナーに相談してみるのも一つの方法です。

心技体のバランスが崩れる前に、腹を割って話せる人に相談したり、エージェントに相談したり、SNSで弱いつながりがある人へ相談して、そこからの転職活動でも遅くありません。

石の上にも三年というのは過去のものであり、企業規模や上司、先輩、個人の差があるため一概にはいえません。
十分に次の会社で取り返すこともできますから、安心してください。

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