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Ⅱ)キャリコンとして「誰を支援したいのか?」と最初のお仕事

キャリアコンサルタントの松岡澄江です。
前回、キャリアコンサルタントをめざそうと思った経緯をお伝えしました。

思えば、何のあてもなく飛び込んでしまったこの仕事。
どんなふうに仕事を得てきたのか?
そのはじめの一歩を書いてみようと思います。


誰を支援したいのか?に悩む・・・

資格取得にまい進していた時は、養成講座を受けながら独立のための講座にも積極的に参加していました。
そこで多くディスカッションしたのはキャリアコンサルタントとして以下の問いです。

どんな人のキャリアを支援したいのか?

「働く人を支援したい」気持ちが強いのですが、「働く人」といっても広い・・・その先のイメージが具体化できなくて、自分がかなりあいまいなビジョンのままこの世界に入ろうとしていることを思い知ります。

なんとなく女性支援かな・・・?
ぐらいな感じで答えてみると、さらに深掘りの質問が襲ってきます。

「女性に何を伝えたいのか?どんなふうになってもらいたいのか?」

「?」マークが自分の頭の中に並んでいくのを、無力感とともに眺めていました。

ぜんぜん具体的じゃない・・・性格がアバウトなので、あまり深く考えてない。自分が女性だから、結婚とか子育てとかシングルになったとかいろいろ経験しているから、今後増加する働く女性の相談に乗れるんじゃないか?
といったイメージだけで、その先の姿がわからない。スタートから挫折している感じがしました。

◆誰にどんな支援をするかの例◆
「働きながら子育てする人を支援したい」
「大学生の就職活動を支援したい」
「中高生のキャリア教育を担いたい」
「アスリートのセカンドキャリアを支援したい」
「医療や介護職の人たちを支えたい」
「自社内でキャリア支援がしたい」 等々

高い志ってステキです!めざす姿が具体的だと、次に何をしたらいいのか?が明確になります。
でも私は「誰を支援したいのか?」が定まらないまま、資格を取得した勢いで会社を辞め、この世界に飛び込みました。

スタートは思いがけず「就活支援」だった

退職までの有給休暇期間中、キャリアカウンセラーとして複数の派遣登録をしてみましたが、実績がないのでまったく相手にされない日々が続いていました。
それでもあちこちに「キャリアを支援する仕事で独立するんです」と言って回っていたら、短期の大学でのアルバイトの声がかかりました。
折しもリーマンショック後の就職超氷河期に入ろうとしていた時です。大学のキャリアセンターでは、内定率が伸び悩んでいることに頭を抱えていました。就活状況がわからない4年生に電話をかけて状況を確認し、相談に来るように促すため2週間でしたが働き始めます。

そもそもキャリアカウンセリング業務でもなく電話がけ業務なんですけど、大学という未知の領域で学生と接するのが面白くて、結構がんばって電話しまくってました。
ひたすら電話をかけて呼び出す業務を2週間。明後日で終了、、、というタイミングで継続のお声がかかります。しかもフルタイムでキャリアカウンセラーとして、とのお話をいただき、就活支援の仕事が始まるのです。

はじめは「女性支援かな?」と言っていた私ですが、ご縁があったお仕事は「大学生の就活支援」でした。キャリアカウンセラーとしての実績はゼロの私にお声をかけてもらえたことが、ただただうれしかったです。
その時、「誰を支援したいのか?」の呪縛が解かれて・・・目の前のいただいた仕事を、まずは全力でやってみよう!という気持ちに変わっていました。


意外にもこれまで培ったスキルが役立った

電話掛けのアルバイトから卒業し、キャリアカウンセラーとしての業務が始まったものの、さて困りました。私は高卒で社会に出たので大学生の就職活動はよくわかりません。しかも、これまでは「就活支援がしたい」と思ったことは一度もないから情報も入れていない。
さて困ったなと思ったのですが、我が家にいい先生がいることに気づきました。ちょうど長女が大学3年生で就活をスタートさせたばかり(当時は3年生の10月がスタートでした)。それもタイミングだったんでしょうね。長女の就活を見ながら、いろいろ学ぶことができたのがラッキーでした。

しかも、学生のみなさんがつまづいているのはエントリーシートや履歴書の書き方が大半でした。本を読まない世代はボキャブラリーも限られていて、お手本をネットで探すからどこかで読んだような内容ばかり。
どうやったら個性を出せるのか?何を書くべきか?制限のある中でいかに語り切るか?
毎日が応募書類添削の嵐でした。それでもまったく飽きずに取り組めたのは、フリーライターとしてヤマほど文章に向き合ってきた経験があったからだと思います。

それにフリーで働いている時には、いろんな業界の様々な職種の方へ取材してきました。WEB制作の仕事でも、いろんな企業のWEBサイトを構築してきました。こういう経験から、業界や業種・職種の知識は幅広く持っていたので、学生がどんな仕事をめざしたらいいのか?という根本的な悩みにも、対応することができました。

芸は身を助ける

ホントに自分がやってきたことが役立つことがあるんだなぁ~と実感します。2010年11月末で正式退社となり、翌12月からキャリアカウンセラーとしての居場所を得ることができました。この後、これまでの経験を総動員して、大学生の就活支援に没頭していきました。


仕事を得るためにやってきたこと

会社を退職して、どうやって仕事を始めたのか?
いつも質問を受けるのですが、「たまたまご縁があって」とお答えすると、質問した方がとてもがっかりされるのですが、仕事をもらうってきっと「たまたまご縁があって」がほとんどじゃないかな?と思うんです。
とすれば、そのご縁をどうやって広げるのか?ということなのですが、これも人それぞれで正解はないことのように思います。私もネットワークを広げようと、異業種交流会や女性起業家の集まりに出たりした時期もあるのですが、たくさんの名刺とFacebookの友達が増えただけで、今もつながっている方は数名です。

では、どうしたら・・・
結論としては2つです。一つは「動いてみる」「やってみる」、もう一つは「発信する」です。

例えば私の最初の仕事はカウンセリングではなく、短期の電話がけアルバイトでしたが、それも面白がって真剣にやっていたら周囲から認められて委託につながったのですから、何でも全力でやってみるのは大事だと思います。
その後も声がかかった仕事、相談された仕事は、ちょっと今の自分では無理かな?とか、ちょっと違うかな?と思っても「やります!」と挑戦してきました。やってみるとわかることもありましたし、また新しいつながりに発展することもありました。

そして発信すること。最初のアルバイトは、独立することを周囲に報告したところから「こんな話があるけどやりますか?」と声がかかりました。やっぱりいろんな人に、自分がどんな状況で何をしたいのか?を伝えていくって大事だと思います。
発信しないと見つけてはもらえません。

行動する・発信する

この仕事で独立して10年が過ぎた今も、その意識は強く持っています。


・著書紹介


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