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【🇰🇼クウェート#26】帰り道にて

10月22日(日)

授業冒頭、今日も教授は「今日の言葉」を板書してくれた。

لا تؤجل عمل اليوم إلى الغد
「今日の仕事を明日に延ばすな」

ちなみに私は、「日記」をおよそ2週間遅れで書いている。
言葉を知っているだけでは人は変わらない。変われない。

今日も教科書を使って授業を進める。

教科書の『アルキターブ』では、しばしば実践的な題材が問題として扱われる。例えば新聞記事やレストランのメニューを読み、なんらかの課題をこなす、といった形だ。

他にも、アラブやイスラームについてのコラムがいくつか掲載されている。

預言者ムハンマドの家系図。イスラームについての知識があると、会話の時に助かる。

今日授業で扱った内容は、婚活サイトの自己紹介である。これは「実践的」の極みかもしれない。

非常に面白いと感じたのが、「私は美しい」だとか、「自分は教養溢れる人間だ」といった言葉をそのまま書くことだ。

私は婚活をしたことがないので分からないが、おそらく日本ではそんなことは書かないと思う。

その後、結婚相手に求める条件を書く。

2003年の婚活サイト(?)を題材にした問題

今日の課題の一つは、婚活時の自己紹介を書くことだった。

私は、「美しく、教養とロマンスに溢れる詩的大学生だ」と自己紹介することにした。
「ロマンチック」もまた、問題で何度か出てきた言葉である。

「美しく、教養とロマンスに溢れる詩的大学生」である私と結婚したい方がいれば、ご一報頂きたい。


授業後、トルコ人学生がバクラバを配ってくれた。イスタンブールからのお土産らしい。

ほんの少しだけトルコ語を勉強したことがある。表紙を読んだら非常に喜んでくれた。簡単な言葉を知っているだけでも距離はぐっと縮まる。
一つ一つ、カブトムシくらいのサイズはある。これが三箱。

死ぬほど甘い。噛むとシロップが溢れてくる。でも美味しい。お茶請けに最高だ。
タジキスタンにもバクラバはあるが、サイズはより大きく、味わいも違うとのことだ。

非常に美味しかったが、さすがに完食は出来ない。
トルコの学生は、帰り道で学生とすれ違うたび、バクラバを配ろうとした。

もっとも、2メートルはあろう謎の巨漢からお菓子を受け取るような数寄者は、なかなかいなかった。


10月23日(月)

市民IDを取りに行った。学校はお休みだ。
市民IDについては後日書く。


10月24日(火)

من جد وجد و من زرع حصد
(man jadda wajada wa man zaraʿa ḥaṣda)
「努力するものは見いだす。耕す者は収穫する。」

声に出すと心地よい。私も何かを見出せるよう、努めなくては。


授業後は学生たちでまとまってぞろぞろ帰る。
クウェートの生活か、各国の歴史や文化について語るのがもっぱらだ。

キャンパス内の道路。奥に見える建物は図書館。

モンゴルのバットも自国の話をよくする。今日は「世界を統一しようとした」というモンゴル帝国の「大義」を語った。

彼は元が日本の海と台風に負けたことを残念そうにしていた。私は「鎌倉武士は強かったのだぞ」と付言した。

緑のアーチ。剪定はしていると思うが、かなり造形が雑だ。
アーチを抜けると社会学部棟に。ショートカットコースだ。

帰り道、ピンクリボン運動の特設ブースを見かけた。
同運動は、乳癌についての啓発キャンペーンだ。

ピンクリボン運動
可愛らしい特設ベンチ。外は暑すぎて誰も座ってはいないが...。
寄せ書き

クウェート大学における女子学生とはどういうものなのだろうか?未だに掴み切れてはいない。

私たちの所属するランゲージセンターでは、過半数の学生は女性である。教室も同じで良い。

一方で生活に一定の制限もある。寮に門限(21時30分)があること、寮の部屋に鍵が無いことである。

学部生についても、同様に数多くの女性がいる。

イスラーム圏では、女性が通う「女性学部」を設置している大学もあると聞くが、クウェート大学にはおそらく無さそうだ。

ただし、教室を性別で分けようとする動きもあると聞く(これについては、後日調べたい)。

KFAS(「科学の進展のためのクウェート財団」)のポスター。多くの女性が映る。対外的に女性の多さを喧伝するためのポスターの可能性もあるが。

もう一つの気づき。

イスラエル国旗のステッカーが地面に貼ってある。国旗を踏む学生は少なくない。

2日ほどで撤去された。
別バージョン

パレスチナに関して、キャンパス内で大規模なデモや集会を見たことはない。

ただ、パレスチナに関する張り紙を見ることはしばしばある。冊子やステッカーを配布している学生もいるそうだ。

ケイファーン寮からは、デモに参加する学生のためのバスも出されるらしい。

パレスチナ解放
パレスチナのステッカー

下校の道中であっても、学ぶことや考えさせられることは数多い。


補遺

夜はハンバーグを作った。

マレーシアのサイイド。殆どルームメイトのようなものだ。

ハンバーグという言葉は通じない。英語にはないのだろうか?

肉があたたまらないように気をつける
パンコ(Panko)は日本由来らしい。
ハンバーグに使うため、朝ごはんの牛乳を飲まずに取っておいた。
夕飯のミックスベジタブルを添える。夕飯のポテトは炒め直した。


それにしても、ゴキブリが多い。冬が近づけば減ってくれるのだろうか?

泡まみれの遺体


気持ち悪い、というのはやめて、代わりにクリーピーと言うことにした。
なんだか可愛らしいから。

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