見出し画像

東京藝大卒展に行ってきた話

東京藝大の卒展、というものに毎年行っております。
平たく言うと、東京藝大に通っている学生さんたちの卒業発表ね。
絵画とか彫刻とか、先端芸術とか色々鑑賞できます。

コロナ禍真っ只中の時は予約制だったので行けなかった時もあるのですが、いやいや学生の発表だと侮るなかれ。
私一応はモノ作りでメシを食っておりますが、毎回幾つも「この視点はなかったなあ」って驚きと刺激を受け取って帰路についております。

過去、一番印象に残っているのは建築科に在籍されていた長谷光さんの発表。
実家リフォーム案の参考として、実家に監視カメラを複数設置し、家族全員のライフスタイルや動線をデータ化し、住んでいる人が一番快適に過ごせる設計案を提案する。
という商売度外視、手間度外視な発表で。

実現可能性はとりあえず置いといて、仕事としてやっていると中々発想&実行できない発表を色々見られるので。
仕事の参考になるとかそういう小さい話ではなく、単純に楽しいんですよね。
なので、毎年行くようにしています。

ということで、以下2024年に見てビビビと来たものを列挙。
そこまで時間が取れなかったので、動画系やパフォーマンス系はスルーしてしまいました。
その点はお含みおきください。

まずは油画から。


松岡まどかさん


本多周さん


Lee Yegiさん


奥村美海さん

上記の諸作がとても良かったです。皆さん何故こういう作品を描いたのか?をしっかり言語化出来ていて、今後の活動を追っていきたくなるものばかりでした。

続いて彫刻。


Chen Yuruさん


小島樹さん


村上涼香さん


先端芸術では石橋幸大さん。


そして、木と草で彫像を作成された柏木崇吾さんの作品はどれもインパクト強くて良かった。こうして見ると、華美なものより素材を活かしてる彫像の方が僕は好きなんだな、と。

以下はデザインです。


資延美葵さん


小林健太郎さん


園田健二さん。園田さんのアニメーション作品はX-BOXで2030年にゲームとしてリリース予定とのことで、今から機体暖めて楽しみにしたい超ハイクオリティでございました。

そんで、今年1番好きだったのは関野正祥さんによる発表。あらゆるものを溶かしまくった様子が写真に収められ、そのリーフレットは必見!


溶かしたものの一部が神輿に使われたそうですが、残念ながら神輿は奉納されているようで、ミニチュアが展示されておりました。俺も仕事に詰まったら色んなものを溶かしてみよ。

最後に、今年全体を通して感じた傾向。

作成者のSNSへ飛べるQRコード、昔はやったりやらなかったりだったのが99%の学生さんたちが用意しておりました。
むしろ準備してなかった数名の名前覚えたわ。
この辺は現代の作家さんらしいですなあ。
自分も名刺にQRコード載せようかな。


あと、これは特に絵画に感じたことですが、スマホというものの存在を強く意識した表現が多かった気がします。
かつて写真の誕生で絵画表現が変化を余儀なくされた様な感じと似てるかもしれませんが、まあスマホを持つって黎明期の写真とは分母が違いますからね。
iPhoneが誕生したのが2007年なんで、今の学生さんたちは完全にスマホネイティヴ。
その世代の人たちの表現は絶対にこれまでのものとは何かが違ってくるわけで、それが何なのかをまた来年以降も楽しみにしたいと思ってます。

食堂のルーローハン

入場無料なので、ご興味ある方は是非に!
また来年伺いま〜す。

彫刻棟の横を見るのが毎年の楽しみ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?