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ニューヨークのイタいデリバリー事情

ニューヨークのデリバリーのクオリティはなかなか劣悪だ。物をなくされるのだ。…たまたま私だけが集中的に不運に見舞われている、わけではないだろう。。以下、いくつかの例をご紹介したい。

1.IKEAのデリバリー

渡米当初、IKEAで家具を購入し、配送サービスを利用した。…配送日当日、1つ足りない。配送業者は「IKEAから引き渡された分だけ配送している。残りの1つは自分たちの倉庫へ届き次第、こちらに届ける。次の営業日かその次の日か。とりあえず、7個中6個受け取った、ということで受け取りのサインをくれ」と慌ただしく説明され、言われるがままにサインして終了。…結局、届かなかった。IKEAに電話しても、自動音声が流れて勝手に切れる。(その音声でも「配送遅延が起きています。まずは3日お待ち下さい」という説明があった)IKEAにメールの問い合わせ先はない。配送業者にメールしても返事はない。後日、店舗でスタッフに尋ねたが、(遅延が常態化しているからか)オーダー以降のことは関与しない、というスタンスだった。

IKEAの荷出しのスタッフも、配送業者も、受領伝票を回収・保管するスタッフも単純流れ作業なのだろう。とにかく右から来たものを左に流す。1つ足りなかった事実も一瞬で忘れ去られたのだろう。もしかしたら、私が受け取りのサインをするときに赤ペンで「まだ1つ受け取ってない」と目立つように大きく書いておけば、誰かに気づいてもらえたかもしれない。…こんなことになるとは想像もしていなかった自分が甘かったか???悲しくも悔しい。

2. オンラインオーダーのデリバリー

年末、家と外泊を繰り返しながらバタバタしていた時期に食品のオーダーをした。私の住むアパートの受付は荷物の受け取りを一括管理し、必要に応じて冷蔵保管もしてくれる。この時も、安心しきって配送予定日に不在にしていた。数日後、家に戻り、(発注先から「配送完了」通知がありながら)届いていないことが発覚。アパートの受付に確認したが、受け取っていないとのこと。(漏れのないように、全ての荷物をコンピュータ登録しているが、記録にもない。保管庫を何度も目視確認してもらったが、ない。)購入元のウェブサイトにあった連絡先に問い合わせるも、返事が来ない。クリスマス・年末年始だからかな、と待っていたが一向に返事が来ず、ウェブサイト上の別の連絡先に問い合わせた。すると「配達ミスは配達日から2週間以内でないと受け付けない」との返事が。。データが残っていないらしい。え!??…今回も、ガンガン攻めなかった私のせいか???

3. クリーニングのデリバリー

夫のネクタイをクリーニングに出した。後払いで取りに来るか、先払いで配達するか、という選択肢を提示された。支払いを後回しにしたくない性分から、デリバリーという言葉にやや戸惑いを感じながらも先払い・配達を選択した。…大失敗だった。例のごとくアパートの受付に聞くと、届いていない、とのこと。自分でも保管庫を確認したが、やっぱりない。。。クリーニング屋に行って聞いてみると「OK。探してみるよ。」との返事だったので、一通り探してもらうのを待つつもりでいたら「5分で見つかるか、5時間かかるか分からない。見つかったら連絡するから(お引き取りを)」と突き返された。あっけにとられつつも私は言った。「でも、見つけるのに5分か5時間か分からないということは、15日かかるか、50日かかるか分からない、ということだよね?」すると、クリーニング屋は「とりあえず1週間、時間をくれ」と言い、私は退却した。…しかし、クリーニング屋の言い方、態度があまりにもぞんざいで、煙に巻かれた気がした。…そして1週間後のことを想像した。「見つからなかった。ということは、届けたということだ。受け取った側が失くしたんだろう」と言われるか??…細くて小さい、紛れやすいアイテムを、第三者を介するシステムに組み込んでしまった自分のせいか、とまた悲しくなった。

釈然とせず、この一件を複数の友人に相談してみた。「確かに悔しいけど、10ドル程度でしょ?抗議するのって労力使うじゃない?その労力をかけるだけの価値ある?」という意見、「ニューヨークではよくあること。なくされたり、逆にシミをつけられたり。…でも、とりあえず、返金か次回の割引(Credit)をしてもらえないか、言うだけ言ってみたら?」という意見。…ダメもとでクリーニング屋に戻った。すると、想像とは真逆のことが起きた。「探したけどやっぱりなかった。床も探したけど落ちてなかった。あのネクタイ、何年前にいくらで買ったの?ごめんなさい。」…あちらから謝罪と補償のオファーをしてくれたのだ。自分の落ち度は差し置いて主張ばかりしてくるアメリカ社会に疲弊していた私にとっては、お金云々よりも親身になってくれたことが嬉しかった。そして、マイナスの思い込みループにハマった自分に反省。

4. 対策

在住年数の長い日本人マダムからアドバイスを頂いた。「そういう時は、クレジットカード会社に相談すればいいのよ。カード会社が払わない、って言ったら相手も動くから。もちろん、時間が経ちすぎたらやってもらえないけどね。クレジットカードはそのためにあるようなものよ」…なるほど。時すでに遅しのことばかりだったが、今後の武器にはなる。そして、泣き寝入りリスクがあることを常に意識して、相手に妥協せず、後悔のない対応を取ることが肝要だ。…改めて自分に言い聞かせる。

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