John Morris

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「広島の風」 #17

<通暁>  千鳥ヶ淵に清廉と立ち並ぶ三分咲きの枝垂れ桜が、まるですぐそこの春を待ち遠しくするかのように、濠からの風にその花実を揺らめかせている。河口豪が運転する...

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「広島の風」 #16

<烏合の衆>  かつてカレル四世は、飢える民のために城壁を建設し、その建設を担った民には見返りとして褒賞を与え、食事まで与えた。後世に「飢えの壁」と呼ばれるよう...

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「広島の風」 #15

<郷里へ>  汽笛の鳴り響く早朝の広島駅に猿猴川からの乾いた風が吹き、鉄条網で囲まれた線路のまわりにまばらに生えた萌黄色の鉄道草を揺らしている。  白石が東京を発...

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「広島の風」 #14

<流転>  かつて物産陳列館と呼ばれた建物が「原爆ドーム」と名を変え、平和都市広島のシンボルとして鎮かに広島の復興を見守り、世界平和を希求している。  原爆ドーム...

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「広島の風」 #13

● 第三章 <原爆乙女>  アメリカの荒野を突っ切る大陸鉄道は、始点のオマハから十九世紀、さらなるフロンティアを求めたアングロサクソンが、先住民のインディアンを...

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「広島の風」 #12

<便り> 「どうも報道記者たちは私の発言を曲解して伝える。困ったものだよ」  そう老獪に笑い飛ばす大蔵大臣、池田勇人主催のパーティーには広島からも財界人が多数出席...

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