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ハントマン・ヴァーサス・マンハント/第2章/第2節/「短生種は長命種の隣に立つ夢を見るか?」 #1

(承前)

……最後の決闘を前に、俺は今日までの道のりを回顧する。長い戦いだった。始まりは十六歳の誕生日のことだった。吸血鬼どもの❝共食い❞儀式に否応なしに巻き込まれた俺の『昼は学生、夜は狩人』の二重生活が幕を開けたのだった。而して今夜。遂に吸血鬼どもの首魁を、奴らに残された最後の領地である『大聖堂』まで追いつめたのであった……。

「……おーい、もしもーし。大丈夫ですかぁ?」

東方正教会から来た若きエクソシストのドナが俺の頬をぺちぺち叩いてる。何だよ、ちょっと感慨に耽るぐらいは許してくれ。俺だって現地の協力者として青春を棒に振って公私に亘って君を支え……支え……誰だ、あんたは。

「……」

待て。思い出した。思い出しました。しっかり目が覚めました。ですので僕の首に爪を立てるのはご遠慮ください。牙を近づけるのもやめてください。

「……さっさと顔を洗って意識を覚醒させて来て下さい。その間にコーヒーでも淹れてますから」

(続く)

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