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*DAY3 Sagrada Família / 1月16日(Thu) ---3

さて、夢中になって見ていたので、案の定お腹が空いた。
サグラダ・ファミリアの近くにあり、行きたかったチュロス屋さん「Xurreria Sagrada Familia」へ。スペインと言えば!な念願のチョコ浸けチュロス!

クリーム入りのものなどメニューは色々あったけど、私たちはシンプルなチュロスにディップ用のチョコレートがセットになっているものを注文。
お店のお兄さんは注文する前も後も、ずーっと店内のBGMに合わせて歌っている、陽気で優しい人だった。そんなお兄さんの姿にこちらまでリラックス。

チュロスは注文してから揚げてくれ、その様子を見ていると油も透明感がああり、綺麗なのが分かる。揚げたてが食べられるのが嬉しい!
去年(2019年)韓国に行ったとき、ハットグを頼んだらそこに置いてあったものをレンチンされて出されたことがあり、あれは本当にとても悲しかった。

揚げたてのチュロス、さっくりと軽くてまったくギトギトしていない。浸す用のチョコレートも甘すぎず、ハイカカオのココアみたいな、チョコレートの風味をしっかり感じながらもまろやかな味。おいしい〜。
そして驚いたのが、時間が経ってもチョコが固まらないこと。とろとろした状態がずっと続くのがすごい。このチョコ、どうやって作っているんだろう?
チュロスの本数も5本と、mamiさんと2人でシェアしてちょうどいいボリューム。たっぷりのアメリカーノと一緒にいただいて、最高のおやつタイムだった。

お腹が満たされて気持ちも落ち着いた。私は根っからの食いしん坊なので、お腹が減ったらそれしか考えられない。前に行った横浜中華街の九星学占いで、生まれ持って「食」の星があると言われ、納得した次第である。


次に向かうのは、サン・パウ病院。ここは今回の旅の中で一番楽しみにしていた場所!ついに今日行けるんだ、とどきどきしていた。お天気がいい日で本当に良かった!

サン・パウ病院は建築家リュイス・ドメネク・イ・ムンタネーが設計を手がけ、世界遺産にも登録されている、その名の通り病院である。ムンタネーはカタルーニャを代表する建築家で、ガウディとは師弟関係にあり、バルセロナ建築学校での教授時代の教え子にガウディがいたんだそう。
参考文献 >

私はスペインに行くと決める前にInstagramで見たサン・パウ病院の写真に気持ちを鷲掴みにされ、いつかここに行ってみたいと思っていた。「スペインに行くなら行きたい」というよりも、「ここに行きたいからスペインに行こう」というくらい見てみたい場所だった。モチーフや色使いが柔らかく、すごく自分好みだった。

電車に乗って最寄りの駅まで向かうと、数歩歩いただけですぐにサン・パウ病院の敷地と思われる場所に到着。
しかし、結論を言うとここからが大変だったのである。進む前にサン・パウ病院の入口がどこなのか見ておけば良かったものの、「サンパウ病院」とだけグーグルマップに入力した私たちは、そのままピンが示す場所へと歩き出した。

体感では10分くらいは歩いたような気がするが……
私たちは、今現在も運営している本物の病院にたどり着いた。サン・パウ病院の敷地内には、見学施設ではない本当の大学病院があったのだ。さすがに入口に入る前に違うと気づいて、しっかりと外から眺め「本当の病院だね」と2人で確認した。
私たちがネットで見ていた雰囲気の建物からどんどん遠ざかっているので、歩いているときから薄々気づいてはいたものの、とりあえず足を進めてみたらやはり違かった。入口は遠いのかも?なんて思って、「なんか違うな」と思いつつもマップを信じてみたのである。

もう一度マップを見直して、絶対こっちだったと思う建物へ歩き出すことにした。

しかし敷地内は病院ということもあって通れる場所が限られており、結局一旦敷地外に出なければならなかった。「本当の入口」に当たる正面入口まで、広い敷地をぐるっと一周しなければ戻れない。行きたかった「サン・パウ病院」に到着するまで相当な時間がかかった。
本当は、電車を降りて左に向かえばそのまま入口だったのだ。なんとなく進めばきっと案内板などがあるだろう、と思わずに、最初にきちんと確認しなくちゃな〜。


は〜〜、やっっと!見たかったサン・パウ病院!!正面に到着し、対面できてとっても嬉しい。これこれ!私が見たかったもの!
今日はこのあとグエル公園を予約しているので、見れる時間は今から1時間半弱と限られていた。たどり着くまでぐるぐる迷ったおかげで、予想していたよりも見学時間に余裕がなくなった。

しかし、気持ちは落ち着かなければ。せかせか見たら気持ちが入らない。

正面玄関にある「管理事務分館」の外観を数枚写真に撮る。外観は赤レンガで、外国のファンタジー映画に学校として出てきそうな雰囲気。
ああ、美しい!すばらしい!サグラダ・ファミリアは圧巻のパワーがあったが、ここでは自分の好みであるという別次元の嬉しさがあった。
サン・パウ病院の敷地内にはいくつもの棟が左右対称に並んでいて、見学は右側にある「サン・ジョルディ分館」から反時計回りに見ていく。外観も美しいのはもちろんのこと、中もまた優しい色合いに、あたたかなモチーフ。心が穏やかになる空間設計。

こんなに素敵な病院だったら、きっと入院中の苦しみが和らぐだろうと思った。誰でも得意な人はいないと思うけど、私は特に病院の空間が苦手なので、見た目や雰囲気がこんな風だったらすごくいいよなぁ……と思った。
この病院は実際に2009年まで診療が行われていたんだそう。2009年って、結構最近でびっくり。現在の病院機能は敷地内の新しい建物に移っているそうで、先ほど私たちが間違えて行った方の病院だと思われる。ちなみにそちらの外観は、近代的で割と普通の病院の印象だった。

中庭にはオレンジの木やラベンダーなどが植えられていて、風が吹くと微かな香りを感じる。心が豊かになるような様々な心配りが、病院として機能していた当時の患者さんを癒したのだろう。

受付でもらったマップのルート通りに周り、入口にあった「管理事務分館」まで戻ってきた。管理事務分館は最初は外からしか見ていないので、最後に中を見るルートになっている。
ここの建物の中の装飾が、とっっても素敵だった……!

1階ホールの天井は淡いピンクで彩られ、水色とクリーム色のパステルカラーでまとめられている。吹き抜け階段を上がる際に天井を見上げれば、お花のようなステンドグラス。つやつやとした明るいブラウンの支柱に、ハートが連なったようなテキスタイル。とにかくすべてのものが優しく、やわらかく統一されている。ちょうど日が傾いてきて、窓から光が入っていた。ステンドグラスの模様が壁に映し出される。

上の階へ上がると、タイルアートでお花が描かれていた。植物をモチーフにした装飾が多く、1つ1つがかわいらしい。
人を癒すカラーとしてピンクやイエローが率先して取り入れられたようで、確かにこんな空間ならば、心が穏やかになるだろう。少なくとも私はだいぶ癒されていた。

礼拝堂の中の装飾がまた圧巻。回廊の手すりには縦長にデフォルメされた文字列があり、これがすごく好きだった。天井はアーチを描いていて、彫刻とタイルアートをふんだんに使用している。
ここでも太陽の光が窓から降り注ぎ、空間の中にはいくつも虹ができていた。どこを見ても本当に美しく、患者さんへの気遣いが溢れている。
なんだか、魔法がかけられているみたいだった。


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