見出し画像

痙性斜頸になった話


痙性斜頸は、首の筋肉の不随意な収縮により、頭が左右、上下、または前後に傾いたり、ねじれたりする病気です。
頸部ジストニアとも呼ばれます。


以前私が経験した事を書きます。
もう15年くらい前の話です。



20代前半、接客業に全く向いていないにもかかわらず、私はレジのバイトをしていました。
3連勤が限界の私。
上司が代わってシフトも変わり、4〜5連勤が何回か続いたあと
体に不調が出ました。

仕事中、なんだか髪が後ろに引っ張られているような…

日に日に症状は強くなり、凄い強さで後ろ髪を引っ張られている、ずっと上を向いている状態になってしまいました。

整形外科へ

原因も分からず、取り敢えず整形外科へ行きレントゲンを撮ると
ストレートネック」と診断され、電気治療が始まりました。
ただ微弱な電気が流れているという椅子に10分ほど座ったり、頚椎牽引をしたり。
肩にパッドをペタペタ貼って電気治療をした時、目の前がブラックアウトして倒れてしまいました。
緊張していたのか、体に合わなかったのかは分かりません。
5回くらい通って、何の意味も感じなくて通うのをやめました。

大学病院で首のMRIも撮りました。
軽い「頚椎椎間板ヘルニア」との診断でした。

帰り道、「重い病気じゃなくて良かったねー」と母と笑っていた気がします。

MRIの結果を持って国立病院の整形外科に行ったら、レントゲンを撮られて痛み止めを処方されました。
全然痛くないのに、「痛そうだねー!」と。
そして売店でネックサポーターを買って着けるように言われ、言われるがまま従う。
4000円もしたのに、今ネット見たら1000円くらいで売っててショック。。

ネックサポーター



やっと原因が分かった

ずっと上を向いた状態でしたが、ネックサポーターを着けてバイトを続けていました。

以前お世話になっていた上司が職場に顔を出した時
「その症状、この前『たけしの家庭の医学』でやってたのに似てる」と言われました。
ネットを調べに調べて、「痙性斜頸」という言葉に辿り着きました。
痙性斜頸は神経内科に行くと良いとあったので、国立病院内の脳神経内科に転科。

私の出立ちに医師は怪訝な顔をして、「ここじゃなくて整形外科じゃないの?」と言いました。
私は「痙性斜頸だと思う」と伝えましたが、痙性斜頸を知らなかったのか信じなかったのか、ずっと(最後の診察の日まで)態度がおかしかったです。
「ストレスが原因だと思う」と言ったところ、デパスとパキシルと、引き続き痛み止めを処方されました。


バイトを辞める

バイト中、好奇の目に晒されるのが耐えられず(レジだし)途中で逃亡。
その後無断欠勤をしてそのまま辞めてしまいました。
いろんな人に迷惑をかけました。


半年ほど脳神経外科に通い、顎を手で押さえれば顔が元の位置に戻るようになりました。
みるみる良くなっていったので医師も驚いていました。
(本当に整形外科じゃなくて神経内科の病気だったのか、と。)
でも緊張すると上を向いてしまうので、外出中はずっと顎を押さえてなければいけませんでした。

神経内科から心療内科へ

症状が良くなってきたので心療内科に行くように勧められ、紹介状を貰って別の病院へ行くことに。
国立病院は2、3時間待たされるのはザラでしたが、広くて空いていたのでそんなに苦ではありませんでした。
ところがこれから通う心療内科は狭いしギュウギュウに人が詰まっている。
外にもいっぱい。
2時間くらい待っても診察は1分ほど。
情緒不安定な女性が誰彼構わず口撃してたりして本当にしんどかった。


国立病院で処方されていたのが相当強い痛み止めだったらしく、それをやめて漢方薬を飲むように言われました(何を処方されたか忘れた)
粉薬が苦手なので全部捨てていました。


通院をやめて勝手に断薬

一年ほど頑張って通いましたが、何の変化も無いので行くのをやめました。
そしてデパスとパキシルを飲むのをやめようとしましたが、飲まないと副作用が酷くてなかなかやめられず。
バイトをしていた時にも何回か服薬をやめようと試みましたが、吐き気が酷くて仕事に行けなくなってしまうので飲まざるを得ませんでした。
病院に行くのもやめたし、なんとか服薬をやめようと副作用と戦いました。
怠さと吐き気で一ヶ月くらい寝込んでいたと思います。
正確には副作用ではなく、断薬による離脱症状というようです。
徐々に減薬すれば良かったのに、自己判断でやってしまいました。

いつの間にかうつ病になっていたようで、20代はほぼ寝ていた記憶しかありません。
長い時で1日20時間寝ている時もありました。
そういえば、痙性斜頸の時寝る体勢はどうしてたんだろう…記憶が無い(笑

もう15年以上前の出来事なのでいつからいつまで痙性斜頸になっていたかはっきり覚えていません。
初めて症状が出てから顎を押さえなくて済むようになるまで3〜4年はかかったと思います。


最近知ったのですが、痙性斜頸は完治することは難しい病気と聞いて怖かったです。
当時は、「このまま一生治らなかったらどうしよう」と絶望していました。
私は原因が仕事のストレスと分かり、仕事を辞めた事で症状が無くなりました。
その後一度も髪が後ろに引っ張られるような感覚はありません。
治ったのは幸運だったと思います。
これになった事で、健常でいることがどれだけ幸せな事か思い知りました。
お金もかかったし、恥ずかしい、悲しい思いをたくさんしました。


医師たちにストレートネックやらヘルニアと言われたので、なるべく首に負担がかからないように気をつけて暮らしています。
あまり真上を見ないように、長時間下向きにならないようスマホや読書は目の高さで、とか。
関係あるか分かりませんが、その後ぎっくり首に2回なりました。
ぎっくり腰はまだ経験していないから、やっぱり首が弱いのかなと思います。




長々駄文にお付き合い下さりありがとうございました。
つらい症状が少しでも緩和されますように。


#痙性斜頸 #ジストニア #神経内科 #心療内科

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?