見出し画像

AI、NFT、XRが融合する世界で、ファッションブランド、クリエイターが手にする機会

はじめに

ここ数年で、AI、NFT、XR(クロス・リアリティ)といった新しいテクノロジーが急速に進化していて、情報量があまりにも多く、ついていくだけで精一杯とさえ感じています。

ファッションメディアは数多くありますが、こうした新しいテクノロジーとファッションに焦点を当てているような日本のメディアを見かけないため、一個人として発信していこうと決めました。

AI、NFT、XRというテクノロジーは、ファッションビジネスを根本的に変える可能性を秘めていると個人的には考えています。

ただ、最前線は確実に日本ではなく海外にあり、最新の情報にアクセスするのにも、語学力や時間が必要になってきます(場合によってはお金も)。

そこで、こうした情報を効率よく取得できるように、最新の動向をまとめた記事や各領域を深掘りした記事をアップしていきたいと思います。

個人のクリエーターはもちろん、ファッション関連の仕事をされている方やブランドを立ち上げようと思っているデザイナーの方などには、是非読んでいただければと思います。



AI、NFT、XR…異なるテクノロジーが融合する世界の到来

昨年2023年は、生成AIが爆発的に普及しました。Microsoft社のビルゲイツ氏も「OSの先駆であるGUI(グラフィカルなユーザーインターフェイス)以来の衝撃」と表現するほど、生成AIの登場は歴史的に見ても画期的な出来事として認識されています。

 一方、NFTや、XRの技術と密接な関係にある「メタバース」については、人々の関心が薄れ、これらは現在(一時的に?)冬の時代に突入しているという見方が主流です。

 今はまだ、それぞれのテクノロジーが独立しているような状態ですが、これらのテクノロジーが最終的に融合し、新たなプラットフォーム(=世界)が構築されると個人的には考えています。

 もう少し具体的に言うと、現在「メタバース」として認識されているものよりももっとリアリティのあるデジタル上の空間、そして、その空間上で利用できる3Dプロダクト(例えばファッションアイテム)などがAIで生成され、それらがNFTとして取引される、そんな世界が訪れます(「ゲームの世界」レベルでは、既にあります)。

そして、それらのデジタル3Dファッションアイテムは、現実世界のものとリンクしたデジタルツインとして機能するのが普通となります。

昨年の6月には、Apple社の「Vision Pro」の発表に続き、「LOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)」が初めてNFTを販売(NFTを以前に無償で配布したことはありました)。

そして、その「LOUIS VUITTON」を展開するLVMHグループは、Epic Games(エピック ゲームズ)との提携を発表し、こうした未来へ着実に近づいていることを感じました。

 特に、新しい次元のインタラクティビティをもたらすと考えられる、Appleのゴーグル型XRデバイス「Vision Pro(※来月から米国で販売開始予定)」が、どのように受け止められるかは今後を見据える上で一つのポイントと考えています。

 現在、AR・VRデバイスを日常的に利用しているのは、テック人間やゲーマーといった一部の人に限られている印象で、これがSNSのように広く普及するには、ゲーマーやテック人間以外の人も使用するようになる必要があり、Vision Proはそれを期待させるからです(かなりの高価格なので、販売開始後すぐに爆発的に広がるということは考えにくく、当面は改良を繰り返しながら徐々に浸透していくことを想定していますが)。

加えて、ファッション業界の頂点に君臨するLVMHグループがNFTと3Dテクノロジーを本格的に活用していく意志を示したことは、ファッション業界がこれらのテクノロジーをビジネスに取り入れる流れに拍車をかけるだろうと推測できます。

 現時点では、「メタバース=ゲームの世界」という感覚の人が多いと思いますが、どこかの時点で現実と限りなく近づき、そして何かをきっかけに一気に浸透するのではと考えています。

そして、その時にはもう「メタバース」という言葉は使用されていないかもしれません。実際、AppleはVision Proをプレゼンするのに「メタバース 」という言葉を使わず、「空間コンピューティング」という言葉を使用しています。

但し、これにはハードウェアや通信の進化など技術的な壁もあるようで、5年とか10年とかそのレベルの時間が必要という見方が多いようです。また、現時点で一番期待できそうなデバイスを開発するAppleと、メタバース分野で一番覇権を取りそうなEpic Gamesの対立の行方も気になるところです。


ブランド、クリエイターが手にする大きな機会

こうした障害がある一方、最近では、既にUE5(Unreal Engine 5)を利用して現実を再現したようなデジタル上の世界が作られているのを目にします。個人レベルでAIを使用して3D空間(メタバース )を作っている人もいれば、3Dモデルを生成するアプリも登場しています。

Epic Gamesが運営するオンラインゲーム「Fortnight(フォートナイト)」では、個人クリエイターがマネタイズできる仕組みが整備されています。

ファッション関連では、CLO3D(CLOは昨年、Epicと提携を発表)などのツールでデジタル3Dアイテムの制作が可能で、「The Fabricant(ザ ファブリカント)」や「DRESSX(ドレスエックス)」をはじめとするデジタルファッションに特化したマーケットプレイスも既に登場しています。

また、ブランドやプラットフォームが生成AIを利用して、個人クリエイターやアーティストとコラボレーションする例も出てきています。

 生成AIによって誰もがクリエーターになることができると言われ、NFTとメタバースによってデジタルアイテムの販売と二次流通でのロイヤルティという新しいマネタイズが可能となった今は、既存のブランドはもちろん、個人で活動するクリエイターにとっても大きなチャンスと言えます。

特にファッションデザイナーは、こうした新しいテクノロジーを利用し、実物のアイテムを売るという以外の新しいビジネスモデルの可能性を追求するべきです。

インターネットやSNSの普及は、ビジネスやコミュニケーションの面で大きな変化をもたらしたものの、ファッションにおけるクリエイションという観点からは、プロセスも含め、大きな変化をもたらしませんでした。

リサーチでネットの画像を拾うようになったとか、Photoshopやillustratorで作成したデータをメールや専用のツールを使ってやりとりするようになったとかその程度でしょう。

でも、AI、NFT、XRの普及は確実にファッションのクリエイション自体にも影響を与えます。

絵(デザイン)を描いて、パターンを引いて、トワルを組んで…というプロセスから、AIでデザイン生成→3Dモデル作成(もしくはAIで生成)→XR上で(実物のサンプルを作らず)確認→フィジタル(デジタルツイン)アイテムもしくはデジタルのみのアイテムとして販売という様に、タスクからプロセス、求められるスキルまで劇的に変わる可能性があるのです。

そして、これだけの変化が起きるのであれば、先ほど述べたように、そこには大きな機会があるはずです。


以上のことから、AI、NFT、XR・メタバース関連の動向を追うことは必須だと考えており、ファッション × ビジネス × テクノロジーといった観点から、これらに関する情報を発信していきます。


※ note、X(twitter)ともにアカウントを開設したばかりなので、フォローしていただけると助かります。よろしくお願いします。

X(twitter)アカウント → https://twitter.com/catalystylisme


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?