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俺をモブキャラと呼ぶな・第三話・刑務所へ続く道

数分間、空を飛んでいたBANはゆっくりと
地面に着陸、翼とジェットエンジンを収納すると
再びBANは走行を始める。

「おい、さっきのはなんだ 

「いつから空を飛べるように改造したんだ、答えろ」

ジムは運転しながら、チェイスとカイの質問に答える「改造は一ヶ月前だよ、かなり無理したけどなぁ」

「無理したっていくら金かけたんだよ。」

言いたくない顔をするジム、その顔を見て察する
かなりの金額を注ぎ込んだのだろうと

そんなくだらない話をしていたら、目的の場所に
到着する。無人工場の空き地にBANを停車する

「カイ、ここでいいのか?」「あぁ、ここでいい。」
車から3人が降りる、ジムはドアについている
青いボタンを押すと、BANは手に収まるサイズに小さくなると、それをポケットにいれる。

刑務所に入るには正面突破は不可能
だったら別のルートで行くしかない
それで、下水道から刑務所に続く道はここしかないらしい。

チェイスは1人で薄暗い無人工場に入り、マンホールの場所を探す。
探すこと数分、マンホールらしき場所を見つける
「おいあったぞ、こっちに来い」

その声にジムとカイが走ってくる。
「なぁ、ほんとに大丈夫なんだよなぁ」
ジムが不安そうに言うと
「真正面から行くより、安全なのは確かだが保証はできない」
「あいつらのことだ、なにかしらしてくるだろう、気をつけろよ」
「あぁ、そうだなぁ。よし行こうぜ」

ジムがバールでマンホールを開けると、チェイスが最初に降り、次はカイ、最後にジムがマンホールの蓋を閉めて、ゆっくりと降りる。

「なんだか静かだなぁ」
「あぁ、静かすぎる。カイ、刑務所はどっちだぁ。」
ジムはカイに聞くと、指を真っ直ぐに指差す。
「表示される方向はあっちだ、行くぞ」

カイは先頭を歩き出す、その後ろをジムとチェイスがついて来る。
薄暗い照明と迷路のような下水道に、息苦しさを覚えながら刑務所に向かう3人。

一方、赤髪と青髪が乗っている車は、刑務所に
到着、ゲートをくぐって駐車場に車を停車し刑務所の中へ入っていくと、赤髪と青髪の部下達が
刑務官や囚人をおもちゃにして遊んでいた。

青髪と赤髪が現れると、一斉に整列すると、部下の後ろから赤髪の部下、黄髪と緑髪があわてて「赤髪様、青髪様、お疲れ様です。」

黄髪が後ろに吹っ飛ぶ、隣にいた緑髪がワナワナと震えだす。「おい緑髪」 

赤髪が緑髪のネクタイを掴むと顔を近づけて

「これからここに客が来る、遊んでないで散らかした場所を片付けろ、いいな?それとビールを持ってこい」

緑髪と部下達はすぐに掃除を始める、部下の1人がビール瓶を持ってくると、それを奪い取りラッパ飲みする青髪と青髪。

「なぁ、本当にあいつら来るのか?」

「心配症だなぁお前は、」

ビール瓶を手に持つと、山積みになった刑務官の屍の一番上に座って、紙タバコを取り出すと火をつけて一服する。

「青髪、だとしてもあいつら遅くないか?車で来るならそんなに時間かからないよな?」

赤髪は右手に装着した腕時計を見る。

「赤髪、あいつらは下水道から来るから時間はかかるだろう。それとアイツを放ったからなぁ」


「まさか、アイツって」
青髪はビールをグビグビ飲む。 

アイツとは他の世界で偶然手に入れた生物兵器、最初は犬ぐらいのサイズだったが、数週間後には体長数メートルに成長、凶暴性と俊敏性を兼ね備えていて、手が付けられないほどの生物兵器。

「あいつらは死んだな」と青髪はそう感じた
「ゴワァァァァァァァァァァァァ」
地面の下から恐竜のような声が響き渡る。
その咆哮に青髪以外、背筋が凍り動けなくなっていた。

下水道を彷徨うこと15分
「おい、ホントにこの道でいいのか?」
「大丈夫、こっちであってる、このまま進もう」

小型の機器に表示される地図とにらめっこする
カイが「おかしいなぁ、もう出口付近なのに、」
「どうしたカイ?何かあったのか?」

後ろから覗き込むジムとチェイス、なにやら
赤い点滅がゆっくりと移動していることに、チェイスほ気付く。

「赤い点滅が移動している、どういうことだ?」
「嘘だろ?そんなことあんのかよ。」
画面を凝視するジムとチェイスの肩を叩くカイ
2人は顔を上げると、カイの顔は引きつっていた。

「どうしたカイ?そんな顔して」「前、前を見ろ」
カイが指差す方向に目を向けると、柱の影から巨大なワニが姿を現す。

「なんだあれは、おい逃げるぞ」
「逃げるってどこだよ」
「そんなの俺に聞くな」

ジム・チェイス・カイは来た道を走っていく
「おいどうする、」
「どうやってコイツを倒す?」
「俺にまかせろ、カイとチェイスはどこかに隠れてろ」

1番前を走るジムが言うと
「わかった、ジム死ぬなよ」
「気を付けて」
カイとチェイスは左の細い道に入ると、巨大なワニとジムの追いかけっこが始まる

「さぁ、来いよ」巨大なワニを煽り、十字路に差しかかると、右の通路へ逃げると巨大なワニも
追いかけてくる。

「さぁ、こっちに来い。化け物がぁ」
奥へ奥へと逃げるが、ついに行き止まりになり、
後ろを振り返ると、巨大なワニが口を開けて迫ってくるが、太く巨大なパイプに遮られて動けなくなる。

ジムはギリギリ身体が入れる穴を確保すると、
店から持ってきた、威力の低い手榴弾をズボンのポケットから取り出すと、ピンを引き抜き巨大なワニの口の中に投げすぐに穴へ入る。

数秒後。手榴弾が爆爆し、ガスパイプも同時に爆爆するき。巨大なワニはバラバラになり、肉片と血が天井や壁に飛び散る。

穴からゆっくりと顔を出し、周りを見渡すと
血がベッタリついた梯子が落ちていた

「やったのか?」穴から出ると身体を起こし、
椅子が落ちてる場所まで歩くと、カイとチェイスこちらへ走ってくる。

「おいジム、大丈夫か?」
「良かった、死んでなくて」

死んでなくて………?
チェイスの頭を軽く小突く、チェイスは頭を
両手で押さえる。
「イテテテテテ、何すんだよジム」
「俺を勝手に殺すな」
そんな会話をしている2人をほっておいて
カイは梯子を手に取る
「おいジム、この梯子はなんだ?」

カイが梯子を立てると、梯子が天井まで伸びるとマンホールの蓋が現れる。





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