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Weekly Pick UP! 2022/1/14

今週も気になるニュースを3つ取り上げます。

日立製作所、自発的行動変容を促す実証実験

日立製作所と西日本鉄道が、福岡市近郊で公共交通機関の利用者に対して行動変容を促す実証実験を実施する。

この実証実験は、公共交通機関利用者の減少を防ぎつつ、利用者が混雑を回避して快適に移動できることを目指しており、ピークシフトによる運行の最適化や環境負荷の低減にも資するとしている。

近年、政策への応用の期待から注目を集めている行動経済学のナッジという考え方を応用しており、混雑状況や混雑を回避できるルートだけでなく、個人の特性に合わせてルート中の寄り道の候補などを示すことで、自発的な行動変容を促すようになっている。



非侵襲血糖測定、CES2022

先日開催されたCES2022でScanboの非侵襲血糖測定機が紹介されました。

3電極の心電計(ECG)とフォトプレチスモグラム(PPG、光学的に血流量の変化を計測するシステム)を備えた装置に4本の指を置くだけで測定できるといいます。測定時間は60秒間で、機械学習アルゴリズムによる解析で血糖値を算出することができます。

現在、米国とカナダに申請中のようです。承認には時間がかかりそうですが、消耗品のいらない非侵襲血糖測定が実現すれば患者にとっては金銭的にも肉体的にも大きなメリットとなるでしょう。


既存薬を組み合わせた点鼻薬に認知症予防の可能性

大阪市立大学の認知症病態学の研究チームによって、既存薬の「レファンピジン」と「レスベラトロール」の併用の経鼻投与により安全性と認知機能の改善効果を高めることができる可能性が示されました。

研究チームはドラッグリポジショニング(既存薬再開発)によって、認知症の治療・予防に効果的な組み合わせや投与法を検討していたようです。

研究チームではすでに、モデルマウスを用いて、リファンピシンが認知症の原因であるアミロイドβやタウ蛋白などを脳から除去し、認知機能を改善することを確認していました。しかし、リファンピシンには肝機能に対する副作用があり、長期投与の課題となっていました。

今回の報告は、肝保護作用を持つレスベラトロールを併せて服用することでリファンピシンによる副作用を抑えることができることが発見されたというものです。

本点鼻薬は研究室発ベンチャーのメディラボRFPによって開発が進められており、臨床試験に向けた準備をすすめているということです。


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