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妖怪ガンモモを探せ

ガンモモって知っていますか?

知っていたら是非教えてください。そうです、私は知らないんです!!!

これは、知らないのに地元で根付いているガンモモの正体をインターネットの海で探してみた、という日記です。

私は子どもの頃、近所の友だちと日が暮れるまで鎮守様(神社)で遊んでました。
友だちといっても近所に一人だけで、その子とその弟、私と私の姉、つまり私は姉の友だちとおまけで遊びに入れてもらっていたのです。

遊びというのは不思議なもので、日が暮れてくる頃が最高に面白くなったり、日暮れの寂しさを払拭するようにハイテンションになったりします。

なかなか帰ってこないと鎮守様まで母が迎えに来てくれました。

迎えに来てもらえると帰りたくなくなるもので、境内を逃げ回ったりするんですが私は一番歳が小さかったのですぐ母に捕獲されてました。

『はやく帰らないとガンモモが来るぞ』

えーーっ!?

がんもも が くる だってー?!

『うわあああん!』

その謎のガンモモという響きだけで私は泣き、母に連れられおとなしく帰宅したのでした。

ところでそのガンモモ、ってなに? と今、改めて思ったわけです。

私が住んでる村のとなり町の更に山奥に母の実家があります。
母も昔、ガンモモを恐れていたし村の長老たちに『悪さ(わっさ)するとガンモモが来る』と戒められていたそうです。

ところが私の住んでる村出身の父はガンモモという恐怖の概念は無かったそうです。

父にガンモモについて忍耐強く思い出してもらったところ、『ありゃ、鐘の音のことなんさ』と言いました。
鐘の音。

母にも訊いたら『仏壇のお鈴を、むっつら(たくさん)叩いて遊ぶとき、ガンモモモ、ガンモモモっていうがぁて(いうのです)』

つまりガンモモは打楽器系仏具のオノマトペなのかい?
たしかに日本は擬音大国だし、アメリカに移住した日本人小説家がオノマトペ恋しさに砂糖の袋から容器に詰め替えるとき、『バッフルバッフル』という擬音をスペルまで付けて考案した話があります。
私もskypeでアメリカ人に『バッフルバッフル』の話をしたが、残念ながら浸透してないようでした。

話を戻します。
日本は擬音とか駄洒落をよく使います。駄目な洒落なのかは個人差にしておくとして、お正月のお節料理は『よろこぶ、で昆布』『子孫繁栄で数の子』など分かりやすいですね。

なので『ガンモモ』が擬音だとして仏教と関係あるなら、絶対おもしろい何かがあると考えました。

よし、調べよう。ウィキペディア先生!お願いします!

ガンモモ……

該当なし

マジか。
じゃあお鈴、仏具、ガンモモでは……
該当なし。

えー(´・ω・`)ー

ウィキペディアに無いならやっぱり聴き込みしかない。再び母に訊ねてみました。

『昔、ここいらはムササビをモモンガって言って、滅多に姿見ねぇからお化けになったんじゃね?』

ムササビ。たしかムササビとモモンガは別物だったような気がしましたが、有力情報ゲットだぜ!なのですぐウィキペディアで調べました。

.....………
 ムササビ(鼯鼠、鼺鼠)は、ネズミ目(齧歯目)リス科リス亜科ムササビ属に属する哺乳類の一種である。ムササビ類の総称でもある。
「鼯鼠」はこの項目へ転送されています。ムササビ以外に「鼯鼠」と漢字表記される動物については「モモンガ」をご覧ください。

……ウィキペディアより引用

これだー!(仮)

モモンガ→ガンモモ

うんうん、おもしろーい!

…………

 モモンガ(摸摸具和)は、ネズミ目(齧歯目)リス科リス亜科モモンガ族に属する小型哺乳類の総称。滑空によって飛翔する性質を持つリスの仲間。また、狭義には特に、ニホンモモンガ (Pteromys momonga) を指す。漢族語では鼯鼠とよぶ。

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「モモンガ」の名の由来
モモンガは、平安時代にはムササビと区別されておらず、「モミ」または「ムササビ」と呼ばれていた。このうちの「モミ」が転じて「モモ」となり、江戸時代に「モモングァ(漢字の当て字は『摸摸具和』)」という語形が生まれ、「モモングァー」「モモンガー」を経て、最終的に「モモンガ」になったと推測されている。ちなみに、「モミ」から変化した「モモ」や「モマ」は今も各地に方言語形として残っているが、モモンガの意味で使用する地域は少なく、多くはムササビや化け物の意味で使用されている。


…ウィキペディアより引用

モモンガ、風評被害!

どうも東日本では『ももっこ』『ももんが』などがあやかしの意味で、

西日本は『ガンゴー』『ガゴー』など『が』系があやかしの意だそうです。

両方が混ざって『ガモ』『ガモモ』と成り、音の響きから『咬もうぞ』と連想したのではないか、説が今のところ腑に落ちます。

本朝世事談綺では

モモンガ(ムササビ)〈略〉一名晩鳥、又野衾(のぶすま)といふ。〈略〉夜行の人の炬松を翦てこれを消、その烟火をふく。よって妖怪なりと、人これをおそる。

と記してあります。

また妖怪画で有名な鳥山石燕さんは『今昔画図続百鬼』野衾(のぶすま)をこのように描きました。



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わあ、中禅寺夏彦さんに出てくる感じの絵!!!

実際にインターネットで調べたり、父母から話を訊いていたらどんどんガンモモの実態がわからなくなりましたよ。

魑魅魍魎というのなら、まだ理解できるが魍魎は良くわからない。という感覚。

しかも私の両親はガンモモは鐘の鳴る音の様子だと言ってますし、最後にそこを考察して終わりにしましょう。

我が家は真言宗です。なのでお坊さんが読むお経がリズミカルです。

お坊さんは左手にお鈴、右手に何か棒状の物を持っています。お経の最中、お経に合わせお鈴を鳴らし、棒状の物でカン!カン!と祭壇なり畳なりを叩きます。

西の落語家さんみたいに。

お葬式などになると大きな鐘も鳴らします。

鐘って鳴らした瞬間から音が波紋になって、その波紋が人や物事に反射するので永遠と耳に残ります。『ゴーン』とひとつ鳴らした瞬間から夏の蝉のように『モーン』『モーン』『モーン』と聴こえます。

なので表記するなら『ゴー(モーン)ーーン(モーン)(モーン)モーン))))』というような具合です。

その音色とパーカッションお経ですから、なんとなく高揚感が溢れたり、うっとりしたり、非現実的だったりします。


ガンモモが鐘の音だというのは、子どものときに感じた法事、お葬式の不思議な感覚と、またそれを真似っこしてみたいときお経がわからないから適当に放った言葉、『ガンモモモ…』だったりして!?想像が膨らみますね。

分からなかった事の方が多かったですが不思議は不思議のままで……。

読んでくれてありがとうございました!

時鳥より

2022.1.7編集

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