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3月8日に生まれて

3月8日は国際女性の日(International Women's Day /IWD)です。
知名度がすでに高い国際デイなので言わずもがなですが
私がまだ学生の時は3月8日と言えば
"みつばちの日"
"サンバの日"(マツケンサンバが大流行)
素通りされる日でした。

実は、今日はマイ・バースデイ。
起床から5時間以上経過していますが「お誕生日おめでとう!」と誰からも言われてはいません。もはや中年女性は透明人間です。毎年軽いショックを受けるのですが……まぁ良いです。
去年もひとりつぶやきました。

暦の上では年を取りますが、誕生日の3月8日はちょっとワクワクします。この日だけは「魔法が使えるんじゃないか?」とか乙女チックな賦質(ネーチャー)がちょろんと顔を出します。

フィレンツェで恋の予感


学生の頃、フィレンツェに宿泊した時のお話です。
高校生になると日伊学院で放課後はイタリア語を学んでいたので、「ローマの語学学校へブラッシュアップしに行く」と言って、大学1年生の春休みに家出をしました。旅費はアルバイトなとで貯まったピギーバンクをハンマーでカチ割り(イメージ)
生まれて初めての一人旅は、相当めちゃくちゃでした。
「実家には戻りたくない! チネチッタで働いてイタリアで暮らすんだ」と思ってはいたものの、あっさり予定通りの日程で帰国しました。
(当時の写真は35mmのままなので今度日本に帰国したらデジタルにしてnoteでも使用したいなと思っています)

ローマの下宿先からフィレンツェへ電車で行き、小さな一つ星★ホテルに泊まりました。そして翌朝、レセプションのお兄さんから小さなミモザのブーケをプレゼントされました。

「え?何という事でしょう!」
「パスポートで私の誕生日を知っていたのね!」

もう心臓が飛び出て、羽を生やし、空に高く舞い上がって行きそうでした。そのレセプションのお兄さんはミケランジェロのダビデ像のようにカーリーヘアーで美しい青年でした。
”Grazie mille”
(19歳の私はこのまま学校をやめて、家に帰らず、この人と結婚して、きっとイタリアに住むのかも……)部屋に戻り、コップにミモザを活けて、高揚した気持ちは抑えられないまま美術館めぐりに繰り出しました。

ミモザ、ミモザ、ミモザ! 

外に出てびっくり!
フィレンツェの古都が黄色のミモザの花で溢れかえっています。
花を売っている人にその場ですぐ聞き、イタリアでは3月8日の Festa della Donna(女性の日)は、男性が女性に日頃の感謝の気持ちをこめてミモザの花を贈る日であることを知りました。

夫婦やカップルのパートナーだけでなく、家族や同僚などいつもお世話になっている身近な女性にも贈るとの事で、私含め宿泊客の女性にもホテル側がプレゼントしていたのでしょうね。

ダビデさんと次にお話したのは2日後のチェックアウト、清算の時。
"Ci vediamo!"
ふぅ~危なかったわ。
ド天然の称号を持つ私の事ですから「いつデートします?」なんて拙いイタリア語で聞いてしまいそうですよね……セーフでした。
今思い出しても、この年の3月8日が最も思い出深い誕生日です。

今日は「国際女性の日」お母様や奥様、娘さんや同僚にミモザのお花をプレゼントしたらきっと喜ばれますね。

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