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白か黒ではなく、グレーを考える。

ぼくはつい最近までグレーの考え方ができなかった。
正か否か、勝ちか負けか、好きか嫌いか。いわゆる白か黒をハッキリさせないと気が済まなかった。

冒頭で「つい最近まで」と記述したが、正確には「つい最近のある期間」だ。
半年前にぼくは鬱病を患った。結婚生活、子育て、仕事に追われ、自分を見失い、今までの人生で一番のどん底に。「つい最近のある期間」とはその鬱だった期間のことだ。

なぜ、白か黒のようにハッキリさせたかったのか。
それは、視野が極端に狭くなり、他人の評価ばかりを気にして、結果を求めていたからだと思う。
結婚では「明か暗」、仕事では「成功か失敗」、子育てでは「正か否」
今思えば本当に笑える。でも、あのときの自分はそれが精一杯で、ほかのことを考える余裕がなかったのだ。

グレーの考えができるようになったのは、心療内科のカウンセラーからもらった言葉がきっかけ。

「白か黒か、正か否かで考えすぎ。グレーだっていいじゃない」

ぼくは知らないうちに、涙を流していた。そして心の中のモヤモヤが徐々に晴れていくような気分だった。

この世の中には、割り切れないことなんて山ほどある。
例えば「原発」や「憲法改正」の問題。視点や立場を変えると必要ともいえるし不要ともいえる。「要否」の2択では片付けることができない。

そういった割りきれない問題は無理に2択にせず、自分なりに考えた答えが「こういうときは必要。でもこういうときは不要」のようなグレーでいい。

カレー味のウ◯コと、ウ◯コ味のカレーの問題。
あれも、カレー味のうんこ(インド風)だってあるし、うんこ味のカレー(ベジタリアンの2日目)といった選択肢もあっていい。

白と黒の間には無限に近いグラデーションがある。ましてや、色相や彩度、明度を変えるといろんな色にもなる。
自分なりの色、自分なりの答えを出していいんだよ。半年前の自分にそう伝えたい。

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