『明日に向かって笑え!』(アルゼンチン/2019)
◆前評判は?
・アルゼンチン映画動員No.1大ヒット(2019)
・94% fresh (Rotten Tomatoes)
・小さな町の人々によるアルゼンチン版 "オーシャンズ11"誕生(VARIETY)
◆どんな話?
2001年、アルゼンチンの小さな田舎町。
元サッカー選手のフェルミンは、妻リディアとともに、寂れた農業施設を復活させ農協にしようと、住民たちから出資金を募る。
ところが、銀行に現金を預けた途端に、金融危機で預金が凍結されてしまう。
さらに、弁護士マンシーが銀行支店長と共謀して、預けた現金を奪われたことを知る。
フェルミンと仲間たちは、夢の実現のため、奪われた現金を取り戻そうと、マンシーと頭脳戦を繰り広げる。
◆アルゼンチンの金融危機って?
そうそう触れる機会のないアルゼンチンという国。
映画をみるのも、『人生スイッチ』(2014)ぶりでした。
映画の舞台は2001年。
映画では、米ドルを預けた翌日に金融危機が発生し、預金が凍結されてしまいます。
(外務省HP)
1990年代には、兌換制(1ドル=1ペソの固定相場)の下で、自由開放経済政策を促進。この結果、ハイパーインフレの収束、投資の増加により、高い成長率を達成。しかし、1999年1月のブラジル金融危機の影響もあり、次第に景気が低迷し、2001年後半には金融不安が金融危機や全般的な経済危機に転化。政府は対外債務の支払い停止(デフォルト)、兌換制の放棄(自由変動相場制への移行)を行った。
預けた翌日に預金凍結とはあまりにもタイミングが悪すぎますが、
アルゼンチン共和国では、金融危機・経済危機が何度も起きており、「アルゼンチン危機」と呼ばれています。
コロナウイルス感染症の影響で、2020年4月から国債の利払いを停止した政府は、9回目のデフォルト(債務不履行)に陥っています。
「アルゼンチンは、金融的に不安定な国」というイメージをもつと、映画がより現実的に感じられ楽しめます。
◆感想
「怒った庶民が一番怖いことを思い知らせてやる」という執念をもとに、
不運から立ち上がり、夢を実現しようと、知恵を出し合い協力する住民たちの姿を応援したくなります。
住民たちが悪徳弁護士・マンシーを精神的に追い詰めていく様に、ハラハラとスリルを感じられ、見ていて痛快です。
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