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「CBD」って何?どんな病気に効果があるのか解説

■メタディスクリプション

CBDは大麻に含まれている成分の一種であり、大麻取締法に抵触しない成分です。近年、さまざまな疾患に対して効果を発揮することがわかっています。まだ研究途上の成分であり、今後さまざまな分野に応用されることが期待されている成分です。

どんな病気にも効く「万能薬」は存在しないとは言え、さまざまな疾患に対して良い効果を発揮することが期待されている成分というものは、世の中にいくつか存在しています。新しく研究されている成分であれば、今まで治すことが難しかった病気でも治せるようになるかもしれません。
この記事では、そんな可能性を秘めた成分「CBD」について解説します。

・CBDとは?
・CBDの効果
・CBDが効果を発揮する病気
・CBDの安全性に関する評価

CBDに興味がある人、生活に取り入れたい人にとって有益な情報を集めてみました。

■CBDとは何か?

「CBD」とは、正式名称を「カンナビジオール」という、麻に含まれている化学物質の一種です。
麻の抽出物の4割を占めるともいわれており、昨今さまざまな医療分野において研究が進められています。

「麻の抽出物」と聞くと「大麻」のことを想像する人が多いのではないかと思います。
確かにCBDは麻の抽出物ではあるのですが、日本で大麻取締法の対象になっている成分ではありません。

CBDは、麻の茎や種子から抽出することができます。
大麻取締法では、大麻の茎や種子およびそれらから製造された物を規制の対象外としているので、要するにCBDは日本で利用しても何ら問題ない成分であるということです(大麻の精神作用の原因である成分「テトラヒドロカンナビノール(THC)」は、麻の茎や種子にはほとんど含まれていない)。

日本では、主に健康食品の形でCBD製品が流通しています。
アメリカではCBDを利用した医薬品が承認されているなど、積極的に医療分野での応用が進められています。

■CBDはどんな効果があるのか?

CBDの効果について理解するためには、
私たちの体の中に存在する「エンド・カンナビノイド・システム(ECS)」について理解する必要があります。

●エンド・カンナビノイド・システムとCBD
エンド・カンナビノイド・システムとは、
簡単に言えば「身体調節機能」のことです。
脳や中枢神経、免疫系に見られる一連の受容体のことであり、
カンナビノイドに反応します。
エンド・カンナビノイド・システムは食欲や免疫調整、運動機能や神経保護などさまざまな機能を持っており、細胞同士のコミュニケーション活動を支える重要な役割を担っています。

近年の研究により、外部から強いストレスを受ける、または加齢に伴う老化現象によってこの仕組みが弱ってしまい、さまざまな疾患を引き起こすことが判明しています。これを「カンナビノイド欠乏症」といいます。

CBDを摂取することにより、カンナビノイド欠乏症を改善することができると考えられています。
つまりCBDを摂取することによってカンナビノイド欠乏症を回避することができれば、さまざまな疾患を予防することに繋がるのです。

●CBDの副作用
一方で「副作用」について心配される人も多いと思います。
同じ麻から抽出される「テトラヒドロカンナビノール」には精神作用がありますが、CBDには精神作用は見られず、むしろリラックスを促す作用が期待されています。
依存や乱用、耐性などの副作用は見られておらず、精神運動学習や心理的な機能に対して悪影響を及ぼさない安全性が確認されています。

■CBDはどんな病気に効果があるの?

CBDは、さまざまな疾患に対する医療行為における応用の可能性が期待されています。具体的には、以下のような病気の治療への応用が研究されています。

てんかん
CBDの医療分野での応用で最も有名なものは「てんかん」です。ある試験によると、214人を対象とした試験においてCBDを使用したところ、発作の発生率が半分程度まで低下したという結果が出ています。

中でも有名な話としては、難治性のてんかんである「ドラベ症候群」の治療にCBDが利用できるかもしれないというトピックです。この研究結果はかなりポジティブなものであり、CBDを投与された患者の4割が発作の発生率が半減し、5%の患者が発作が無くなったという結果が出ています。

●疼痛
次に「疼痛」の改善です。疼痛を抑える薬は数多く存在しますが、疼痛の中には一般的な痛み止めなどに対して抵抗を示すものが存在します。CBDは、そうした薬剤抵抗性疼痛に対する対処法として利用されることが期待されています。

もともと大麻は昔から鎮痛作用が知られ、利用されてきた歴史があります。しかし大麻に含まれているTHCには精神作用があり、そのまま使用することには大きな問題があります。しかし、疼痛を抑える作用を示すCBDは非精神活性であり依存や乱用などのリスクは基本的に存在しないとされています。

また、CBDには抗炎症作用があることがわかっており、炎症による痛みを一時的に軽減し、緩和する効果が期待されています。

●アルツハイマー病
次は「アルツハイマー病」です。今まで、アルツハイマー病の原因物質とされていた「アミロイドβ」の生成に関わっている「GPR3」という受容体タンパク質は、リガンド(受容体に対して特異的に結合する物質)が無いとされていました。しかし、2017年に発表された研究により、CBDがその働きを抑制することがわかり、つまりCBDは潜在的にアルツハイマー病の治療に役立つ物質である可能性があるとわかったのです。

また、同様にこの研究においてCBDの分子標的とされた「GPR6」は「パーキンソン病」の発症に関わっている受容体タンパク質です。CBDは強力な抗酸化作用を示す成分でもあるため、パーキンソン病に対する保護因子となり得て、潜在的な治療薬になる可能性があると示唆されています。

●社交不安障害
次は「社交不安障害」です。この病気は特定の状況において緊張感が高まるなどの精神的症状が発生し、不安や恐怖を感じるために次第にそうした状況を避けるようになってします病気です。命にかかわる病気ではありませんが、症状がエスカレートすると日常生活に大きな支障をきたすことになります。

ある研究によると、CBDを投与された社交不安障害の患者と偽薬を投与した患者ですスピーチを行うという試験をした結果、CBDを投与したグループは不安と認知行動が改善され、社交不安障害ではないグループと比較してその評価に違いがみられなかったという結果が出ています。

●がん
次は「がん」です。CBDには抗腫瘍効果があることが判明しており、抗腫瘍剤としての利用法の可能性が示唆されています。CBDはがん細胞がエネルギーを作る能力を低下させ、LAK細胞によるがん細胞を殺す働きを助けます。

●不眠症
次は「不眠症」です。近年の研究において、CBDが不眠症の改善に効果を発揮する可能性があることが示唆されています。ただし、CBDには日中の眠気やレム睡眠行動障害などの副作用が発生する可能性も示唆されています。に効果を発揮する可能性があることが示唆されています。ただし、CBDには日中の眠気やレム睡眠行動障害などの副作用が発生する可能性も示唆されています。

糖尿病
次は「糖尿病」です。マウスを用いた実験において、自己免疫性糖尿病のマウスにCBDを投与した結果、未処理が100%、乳化剤処理が86%の診断率であるのに対して、CBD投与グループのマウスでは32%のみが糖尿病であると診断されました。その結果、CBDを早期に十分量を投与することができれば、1型糖尿病の治療薬として有用性がある可能性が示唆されています。

●禁煙
次は「禁煙」です。ある研究によると、CBDを吸引し続けたことによって喫煙者のタバコの本数を4割ほど減少させたという結果が出ています。ニコチンへの欲求も低下した様子が示唆されており、新しい禁煙治療に用いられる可能性があることがわかります。

●麻薬中毒
最後は「麻薬中毒」です。世の中にはさまざまな中毒性薬物が存在し、人々の生活をおびやかしています。CBDにはコカインや覚せい剤、オピオイドの中毒症状を治療する可能性が示唆されており、また、タバコや大麻などの中毒の改善にも効果がある可能性が示唆されています。

●さまざまな疾患にCBD応用の可能性が
このほかにも、以下の疾患・症状においてCBDがその治療や予防に応用できる可能性が示唆されています。
・炎症性腸疾患
・リウマチ性関節炎
・統合失調症
・抑うつ
・多発性硬化症
・神経変性疾患
・狂牛病
・運動障害
・感染症
・乾癬
・にきび
・吐き気
・心臓の健康を促進
・骨の成長を促進
・運動後の回復を促進

CBDの研究はまだまだ新しい分野であるため、今後も新たな病気の治療や予防に関する発見がなされる可能性は十分に考えられるでしょう。


■WHOによるCBDの評価
WHO(世界保健機関)は、
2017年にCBDの安全性について
安全性について全く問題が無い」という評価を公式に発表しています。
つまり、CBDの安全性は国際的に認められているということなのです。

CBDは世界的に見ても、医療分野への応用の可能性からその規制が緩和されているという歴史があります。ただし、具体的な規制内容は国や州によって異なります。しかしながら、世界的な機関であるWHOがCBDに対してポジティブな評価を下したことは、今後の研究を後押しする良い材料となるでしょう。

■まとめ


最後に、この記事の内容について簡単におさらいしておきましょう。

①CBDは麻から抽出される成分だが危険ではない
②CBDには不調の原因となるカンナビノイド欠乏症を改善する効果がある
③てんかんや疼痛、アルツハイマーなど、さまざまな病気の治療効果が期待されている
④CBDはWHOにもその安全性が認められている

CBDはまだまだ研究され尽くされていない、比較的新しい成分であるといえます。しかし、すでにCBDを利用した製品が数多く出回っていますし、医療分野での研究も着々と進んでいます。今後、新しい治療法として確立したり、治療法の確立していなかった病気の治療などに応用される可能性も期待される、注目の成分がCBDなのです。






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