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心理カウンセリングルーム開業マニュアル:認知行動療法カウンセリングセンター広島店

認知行動療法カウンセリングセンター広島店代表の岡村です。今回は心理カウンセラーが開業し心理カウンセリングルームを運営するための開業マニュアルをご紹介します。とはいえ、そもそも私が何者なのか分からないままに本マニュアルを読んでも信憑性に欠けますのでまずは簡単に自己紹介をしてみたいと思います。

筆者自己紹介

 私は大学と大学院で臨床心理学を専攻し学んできました。大学院卒業後は10年ほど心理カウンセリングルームに勤務し認知行動療法の専門家としてカウンセリングを行ってきました。3年ほど前からカウンセリングルームのフランチャイズオーナーとして自営業を開始します。自営とはいってもすでに運営が開始しているカウンセリングルームの店長業務を引き継いだようなものですので正確に開業と言えるか分かりません。その後、2022年に完全独立し株式会社を設立しました。おかげさまでなんとか1年間継続して事業を続けることができています。2023年1月より認知行動療法を専門とするカウンセリングルームの全国展開を目指して、第一号店を故郷でもある広島でオープンしました。現在3店舗目まで開業の目途が立っており5年後までには全国で運営したいと考えています。
 経営者歴は3年とまだまだ新人ではありますが、自分と同じようにカウンセリングルームを運営したい同志にお役立てしたいとの想いから今回記事を書かせていただくことになりました。もしよければ最後まで読んでみてください。

ストーリー設定

 あなたは1年後に心理カウンセリングルームをオープン予定の心理カウンセラーです。現在は医療機関で心理検査やカウンセリングを行っています。現在の医療機関では自身の判断でできることが限られており、もっと自分のやりたいことをしたいとの想いから開業を決意しました。臨床心理士や公認心理師資格はもっているものの、どうやって開業すれば良いか分かりません。そこで数年前から開業をしている先輩に開業する方法について相談することになりました。

STEP1 リサーチ

 カウンセリングルーム開業は大きく分けて3つに分類できます。対面のみ、オンラインのみ、対面もオンラインも実施するカウンセリングルームの3つです。オンライン開業はコストはかかりませんが、その分競合が多くSEO対策や広報をしっかりと行わなければ集客は難しいでしょう。正直あまりオススメはしません。それでもオンライン開業を目指すなら何らかの困りごとに特化させるという方法があります。詳しくは次のSTEPで述べたいと思います。
 オンライン、対面に関わらず開業する際にはさまざまなリサーチが必要になります。競合がどれだけいるか、人口、交通の便、医療機関、立地などを念入りにリサーチします。できることなら人口は多く医療機関もあるが競合がほとんどおらず交通の便が良く家賃も安いとこを選択しましょう。都会だとそのような物件に巡り合うのは至難の業ですが、地方だと念入りに探せばそこそこあります。リサーチがどれだけしっかりできるかが開業するうえで重要なカギを握ります。例えば月20万円の賃貸物件を借りた場合で考えてみましょう。カウンセリング料金を50分7,000円と想定した場合、月30件でようやく家賃を支払うことができます。ただし、その他にも費用はかかりますし生活費も必要になります。仮に月50万円必要だとした場合、月70件以上のカウンセリングを行う必要があります。おそらく数カ月~1年ほどは赤字になるでしょう。仮に黒字化しても一日の大半がカウンセリングの時間となるので他の仕事をすることは困難になるでしょう。これが家賃3万円の場合は話が大きく異なってきます。損益分岐点について検討した上でリサーチを行う。その際、なるべく現地に住んでいる人の意見も聞くことをオススメします。

STEP2 屋号と方針の決定

 リサーチが終わり開業する場所が決まったら不動産屋に行きましょう。商用の物件と住まいとしての物件は異なりますので注意が必要です。商用物件を見つけても大家さんの判断によっては断られてしまう場合もあります。想定以上に物件が決まるまでに時間を費やす場合がありますので早めに動きましょう。物件が決まらなければグーグルマップなどの設定ができず不便です。
 次は屋号を決めましょう。個性的な名前も良いですが私がオススメするのは検索に引っ掛かりそうな名前です。例えば広島でカウンセリングルームを開業予定の場合、「カウンセリング」と「広島」は屋号に入れたいところです。認知行動療法カウンセリングルーム広島店も検索を意識して作成しました。カウンセリングルームのコンセプト(方針)を参考にしつつも検索にひっかかる名前が良いかもしれません(SEO対策次第でしょうけど)。
 続いて決めるのは方針(コンセプト)です。認知行動療法専門、抑うつ専門、子ども専門などご利用いただきたい方を想像しながらコンセプトを明確にしていきましょう。コンセプトが曖昧な場合、複数のカウンセリングルームのホームページを比較した際に選ばれる確率は減ってしまいます。多くの人に利用していただきからなんでも対応できますと書きたいところですが、〇〇専門店とそうでない店舗を比較した際どうしても専門店が選ばれてしまいます。ここは弊社にとっても課題の一つではあります。オンラインでの開業を目指している際にはなおさら何かの専門性に特化することをお勧めします。方針を考えたらNOTEなどにまとめてみましょう。その際、申し込みフォームも貼っておくと良いかもしれません。

STEP3 ホームページ作成、SNS運用

 コンセプトが決まったらホームページを作成しましょう。その際、料金設定も考えてみましょう。ホームページを作成する際は事前にさまざまなカウンセリングルームや関連事業をしているページを読み込み構成を考えておきましょう。ホームページは無料もしくは少額で作成することも可能ですが、SEO対策なども考え業者に頼むことをお勧めします。この業者選びが難しいんですけどね。。。相場も曖昧ですし。ホームページが無事完成したら、Google mapやカウンセリングルーム情報を掲載してくれるサイトに登録しましょう。対面での開業の場合、SEOだけでなくMEO対策もできるのでオンラインのみに比べて地域の方に知っていただきやすいです。資金に余裕があれば公告に課金してみても良いかもしれません。とにかく、多くの人の目に止まるように頑張りましょう。
 TwitterやInstagramなどのアカウントを作成しましょう。YouTubeなど動画配信もオススメです。またNOTEなどで記事作成もしてみましょう。私のオススメはYouTubeで動画を撮り、その内容をテキスト化して各種SNSで配信する方法です。公式LINEの作成も忘れずにしておきましょう。公式LINEではメンタルヘルス豆知識など役立つ情報を配信しましょう。最近だとスタンドFMやボイシーなどの音声メディアも人気です。これらの活動を通して多くの方に知っていただく機会を作ります。できれば毎日、、、少なくとも毎週1回は更新しましょう。自分一人でやるのが難しいようであればアウトソーシングするのもありです。

STEP4 開業届、広報開始

いよいよ事業を開始することになったら事務所のあるエリアの税務署に開業届をだしましょう。想像よりも負担はなく1日もあれば終わります。

さて、いよいよ広報活動スタートです。SNSで定期的に情報発信していることでしょう。NOTEやYouTube動画のタイトルですがGoogle検索にひっかかってくれるためしっかりと考えて作成しましょう。例えば、「強迫症」「改善」「広島」の3つをキーワードに入れたタイトルにするとこれらキーワードでGoogle検索した人に表示されやすくなります。意識せずタイトルを作成し「元気になる方法」などにしてしまうとグーグル検索には表示されにくいでしょう。チラシを作成しさまざまな場所に置かせてもらいましょう。プレスリリースをしてみるのも良いかもしれません。とにかく座っているだけでは誰にも知られません。残念ながら口コミも広がりにくい業界です。こちらから何らかの形で情報発信していくことが大切になります。合わせて他の専門家からの紹介を増やすために学会や地方のさまざまなイベントに参加するようにしましょう。商工会議所に登録することもオススメします。広報に終わりもなければ正解もありません。日々、工夫しながらアクションを起こしましょう。

STEP5 クオリティ

どれだけホームページで立派なことを書き、広報を頑張ったところで相談者のお役に立てなければ意味はありません。自身の臨床を見つめなおし日々クオリティチェックを行いましょう。このSTEP5が結果的に信用を生み出し事業の安定につながります。見栄えだけ良くても人は継続して利用してくれません。

お知らせ

専門家の自己研鑽やクオリティチェックの場所として認知行動療法の学校をお勧めします。月額1,800円でガッツリと認知行動療法を学ぶことができます。

認知行動療法カウンセリングセンター広島店ではカウンセリングの他に専門家へのSVや経営相談を実施しています。


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