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シンデレラに学ぶ「ライターの案件獲得術」

ライター業界を観測して早数ヶ月。Twitterを徘徊するチルちゃんは、あることに気がつきます。

  1. 営業が苦手な初心者ライターがとても多い

  2. ライターの案件獲得では最初ソーシングサービスが使われるが、次第に“人からの紹介”へと変わっていく

未経験ライターは実績をつむ必要があります。しかし、営業が苦手なゆえにソーシングサービスでも選考落ちしてしまう、初手から手詰まりのライターさんが多くいらっしゃいます。

も、もったいない!!!!!

医療系資格持ち、海外在住、技術職経験など……かつて職歴なし/高卒/専業主婦の「三大ワープア」だったチルにとって、大学を卒業して就職して働いて、専門性がある状態でライターをはじめられる方々なんて、ポーカーでいう所のツーペア以上。めちゃくちゃ羨ましいです。まじで。

なのに、Twitterでは「仕事がない」「やっと文字単価1円以上!」という報告が飛び交います。

専門性?なにそれ?な私がフリーライターとして初めて頂いた仕事は文字単価2円でした。初心者だからとて、1円以下の案件を大量にさばく必要はありません。私よりスキルを持っている方々が単価1円以下で疲弊してるのはなんで?絶対におかしい。自信を持ってほしい!!あと業界水準が下がるから1円以下の案件を受けないで欲しい

というわけで、今回は「シンデレラに学ぶ案件獲得法」です。

以前Twitterでも軽く呟いたのですが、営業において「王子様来ないかな〜」はNG。シンデレラは白馬の王子様なんか待っていない。自分から取りに行っているのだってこと。

初心者ライターの具体的な立ち回り方については、先輩のばぶさんがものすごい有益な記事を書いていたので、そっちを貼っておきます。

もうね、先輩のいうことは違うわ。新参者の端くれとしてとても勉強になりました。めちゃくちゃ地に足がついた戦略なので、ぜひ読んでください。

シンデレラは、王子様なんか待っていない

魔女の魔法で カボチャは馬車に ネズミは馬に
シンデレラは何物にも屈しない強靭な肉体になりました

―春原ロビンソン

プリンセスと言えばシンデレラ。底から這いあがって成功した例は「シンデレラストーリー」と呼ばれ、彼女は今もトップオブプリンセスとして親しまれています。

彼女のストーリーが語られるとき「運よく王子様に拾って貰えた」みたいな話になりがちなのですが、ちょっと待って欲しい。改めて物語を分解してみると、彼女は意外にちゃんとしている…というかちゃっかりしていることが分かります。

今回は「シンデレラに学ぶ案件獲得術」なので、私たちの目標は「案件を獲得すること」、シンデレラの目標は「王子様と結婚すること」とします。

レッツ分解!

シンデレラの基本スペック

まずは基本スペックから。スペックが高い人ほど案件を獲得しやすいですよね。
さて、シンデレラのスペックがこちら↓

美人

はあ~~~元も子もねえ!

元も子もないけど、婚活中なら他者と大きく差をつける部分。これが現実です。シンデレラのお姉さんたちだって舞踏会に出かけているのに、王子様の目に留まったのはシンデレラでした。

ライターでいうなら「資格・経験・職歴・文章力」みたいな、分かりやすい部分がここに該当します。容姿について言及するのはあまりよくないので、あとは察してください。

シンデレラが行った場所

お城

シンデレラはお城で王子様に見初められました。

じゃあ、これがお城じゃなかったら…?
「王子様と結婚する」というゴールを掲げていたのに、彼女がパチスロに出かけてたら???

いや…もしかしたら王子様がパチスロに出かけている可能性もゼロじゃないかもしれない。でも限りなく確率が低いんですよね。

先輩ライターさんの中には「商工会議所で知り合いを作って…」とか「地元のお店に声をかけてチラシを…」とか、そうやって案件を獲得する話もチラホラ聞きます。仕事があるのはネット上だけじゃないし、ライターへのニーズもネットだけじゃないんですよね。

シンデレラの差別化要因

靴のサイズ

シンデレラはお城でガラスの靴を落とします。王子様は靴の持ち主を探しますが、どの人の足にも合いませんでした。これはシンデレラの足サイズが特殊だったからです。一説によると22cm。かなり小さいでよね。

じゃあ、もし靴のサイズが23.5cmだとしたら?おそらく「我こそはシンデレラ」と言い張る女性で溢れかえっていたことでしょう。顔見ればいいじゃんみたいな話はやめれ

足のサイズは明らかにほかの女性とは違うところであり、大衆に混じっても目立てるポイントでした。「あなたじゃないとダメなんです」ってやつ。

ちなみにチルは本音を晒して立ち回ってるので、逆にそこが差別化になっているようにも思います。多方面にいい顔をすると没個性化してしまいますが、ありのままなら凹凸が産まれる。個性はアピールするものじゃなく、人がみつけてくれるものなのかもしれない。

シンデレラの行動

ガラスの靴を落とす

これ、意識的にやってたら恐ろしいのですが、彼女はガラスの靴を落としています。
順を追うと

  1. 美人が

  2. 「22cmのガラスの靴」を

  3. 王子様がいる場所で落とし

  4. 王子に靴を拾ってもらう

え、こっっっわ

どれかの条件が抜けていたら、彼女は王子様と結婚できなかったと思います。これらがもし意識的にされているとしたら、運命は作られたものだったのですね。

これらの条件をライターに落とし込んでみる

よし、これらをライターの仕事に落とし込んでみましょう。ライターがシンデレラ的戦略をとるならまずはスペックを磨くこと。そしてある程度場所を選び、「人と違う」を恐れないことです。

スペックとは文章力や専門性、コミュニケーション力、ライター以前の仕事も含めた実績など。シンデレラのように美人になること。

場所とは、高単価案件が多そうなソーシングサービスを巡ったり、ライターの仕事が求められていそうな場所に赴くこと。王子様(クライアント)がいる、お城のこと。

そして、お城で「人と違う」と感じさせること。

有名クラウドソーシングにも高単価案件はありますし、UIも使いやすいので初心者は入りやすい。一方で「編集もライターも未経験の個人ブロガーが、文字単価1円以下で記事発注する」のに最適な場所でもあります。

そんな案件を受けるなら「法人じゃないと登録できない」ソーシングを探した方が、まだ角度が高いです。

編集未経験者と一緒に行う仕事は趣味の延長になりがちだし、FBが適切かどうかも疑問が残ります。実績を詰みたいからとそういう案件に手を出す人が後を絶たないけれど、実績としては弱いんですよね。

別の話でいうと、世の中には「全部自分でやれるけど、チラシやHP作るの面倒だな」みたいに考えているお店もあります。こういうお店は誰かに依頼するのが面倒だったり手が回っていなかったりするだけなので、「やりますよ!」と言いに来てくれるライターさんはありがたい。また報酬相場を知らないことも多いので、言い値でやらせて貰えることもあるんですよね。

文字を書く仕事ってめちゃくちゃ多い。webだけじゃないです。1円以下で疲弊している方に必要なのは「絶対に○○円以下は受けないぞ」という意思だと思います。

期待しないことも大事

この間営業セミナーにお邪魔したのですが、トップ営業の方は「注文クレクレ」にはならないんだなあと痛感しました。

営業でダメなのは「私はこういう人間です!仕事ください!」と言ってしまうこと。これだと営業された側は押し付けられた気分になります。圧が強くてひるんでしまう。

一方で、セミナー講師をされていたトップ営業の方は営業の前に「どうしたらクライアントの役に立てるか」を調べ尽くすとのこと。調べた上で「もしかしてこういう問題があるんじゃない?」と仮説を立て「もしそうなら、自分はこういう形で役に立てそう」という仮説も持っていく。必要であれば提案資料も作ります。

ここまですると「自社のことを考えてくれているんだな。確かに問題を感じているし、お願いしてみようかな」と思ってくれやすくなるんですよね。

まあでも、ここまでしてもお仕事頂けないことって普通にあります。仮説が間違ってることもあるし、調べてみて「いやーこれはハイスペックが求められすぎてて無理だわ」ってこともあります。あくまでも「受注確率アップ」にしか作用しません。

でも単純に、クライアント企業のことを知らずして営業かけるのは怖い話でもあります。企業がライターに発注しているのは企業利益に還元するためですが、企業の考え方を知らずして記事を書くと方向性がズレてしまう。

相手のことを知るのは面倒かもしれないけれど、人のためにするのが仕事なので、やっぱりそこは外せません。自分が文章で気持ちよくなりたいならnoteに書けばいいので(このnoteみたいにな!)

そして、次第にライターの案件獲得方法は「人からの紹介」に変わっていきます。他の方もそうだし、私も現段階ではほとんどソーシングを使っていません。本当にありがたいです。

案件獲得は継続だけではありません。一緒に仕事をしていたフリーランスの方から「別企業で人が足りてなくて!」と声をかけて頂くこともあります。

本当にありがたい。一方で声をかけて頂くとご迷惑をおかけしたらどうしよう、傷つけたらどうしよう…と思うこともあります。このフェーズに移っても「人からの紹介で仕事が来るから楽〜!」なんてことはありません。手に入らないことより、手に入ったものを無くす方がずっと怖い。媚びたくはないが、役には立ちたいのです。

仕事はプレゼントみたいなもの。雑貨屋で見かけた可愛いお皿を見て「チルさん、好きそう」と思って頂き、プレゼントして貰えたようなもの。

これを「あー、○○さんがいつもプレゼントくれるから自分で買わなくていいのよwwww」なんて言ってたら殴られてもおかしくない。電話は着信拒否、LINEはブロックです。

仕事も一緒で、仕事を人に期待するのはとても失礼なことだと思います。なのでフリーランスは…いや、企業勤めも…「営業」という行為から離れることはできないし、営業はあくまでも「提案」でしかない。

シンデレラも王子様を掴んで「結婚しなきゃぶち転がすぞ」と脅したわけでも「結婚しなければ虐められ続けるんです!」と同情を誘った訳でもありません。シンデレラがしたのは自分を魅せに行くことだけ。結婚するかどうかの最終判断は王子様。そこは変えられません。

営業失敗は「相手とマッチしなかった」だけですし、あまり期待しないでいい。営業は“相手の問題点”という凹に“自分の強み”という凸をはめ込みにいく作業なのではないか…と思います。

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