花を植えましょうヘッダー

その1 まずはバラを植えましょう

食べ物の話がたくさん続いたので、なんだかお腹いっぱい。
部屋(の食事)に戻る前に少し体を動かそうかなあ、と感じたので、
しばし、新しいシリーズを挟むことにしました。

ノイバラが目覚めた日から、私が取り組んできたローズガーデン作り。
枯れ木のような4本から始まったその風景・物語・記録などを
マガジン A Way to My Rose Bower にまとめていこうと思います。

今日のトップ画像は2018年の初夏。この様子をよく覚えていてください。
では、始めましょう。まずは2014年の春へ。

古びた木のフェンスを背景に並んだ棒切れみたいなノイバラたち。
移植してから2年目の春、ずっと沈黙を続けていた彼らがついに目覚め、
再び動き出し始めました。湧き出す緑、溢れる生命力。
4月18日、そんな新芽に覆われた姿を見た私は、決めました。
ここに私の秘密の花園、シークレットローズガーデンを作ろう。

そうと決まったらとにかく急がなくてはいけません。
4月も中盤を過ぎ、バラの季節はもうすぐそこに迫っています。
ただの空き地のような場所に何を植えていくのか、どう配置するのか。

オールドローズの形と香りが大好きな私は、いろいろと検討した結果、
強さと育てやすさを考えて、まずはイングリッシュローズを選びました。
幾つかの木立のバラから始めてみようというわけです。

デビッド・オースチンのカタログを取り寄せて、日々にらめっこ。
苗の申し込みは5月末で、その締め切りはもう目と鼻の先でした。
白のクレア・オースチン、オレンジのレディ・オブ・シャーロット、
マゼンタのウィリアム・シェークスピア 2000 を滑り込みでオーダー。

新芽たちがぐんぐん育ち、ノイバラがついに緑の森になった5月30日、
オースチンから苗の到着予定日のメールをもらって、穴を掘り始めました。
まずは3箇所、これが私のローズガーデンの出発時点での大きさです。

6月2日、オースチンからの初めての箱、到着。まずは記念撮影(笑)。
綺麗な箱に、気分はいやがおうにも盛り上がります。

そして、開けて度肝を抜かれるの巻。
裸苗と聞いて想像はしていたけれど、実物を見たのは初めてでした。
いやあ、驚いた、これほどとは。これ、本当に大丈夫なのか?と。

24時間浸水させたあとに移植。そこにもたっぷり水をやっての数日後。
6月6日、ご覧ください、1週間前には緑だったのに、ノイバラ一気に開花。
この庭で、もう一度ノイバラの花を見ることができた喜びに震えつつ、
この前にバラが増えていく様子を思い描いて、私はかなり興奮状態(笑)。

静かに3本を見守ること2週間強。6月18日です。
シャーロット(上)とクレア(下)。赤い新芽がぐんぐん伸び始めました。
ようやく、詰めていた息を深く長く、吐き出せたような気持ち。
うちに馴染んできたバラたちの姿に、心からホッとしました。
暑い夏に備えて、少しでも大きくなってくれますよう願うばかりです。

そんな十日後、大きくなっただけではなく、いくつも蕾をつけたウィル。
夢かと思いました。信じられませんでした。あの枯れ枝に蕾ですよ!

それからさらに2週間経った頃にはこの通り。もう一番花は満開です。
それを追うように、続々と蕾が膨らみ、色づいていきます。
大好きなオールドローズに似た香りがローズガーデンに広がります。
ウィルのこの強さと美しさを見に、1日何度庭に出たかわかりません。

そして、3本のイングリッシュローズを移植してから約1ヶ月後の様子です。
7月14日、ノイバラはもうすっかり終わってしまいましたが、
その前で揺れているウィルの姿がよくわかります。
シャーロットもクレアも大きくはなってきましたが、まだ蕾はありません。

私はこの後、日本へ一時帰国(一ヶ月半)。NYの暑い夏が始まります。
小さなバラたちを置いて帰るのは、本当、後ろ髪を引かれる思いでした。
けれど仕方がありません、あれこれメモを残して出発です。

その後、初めて迎える炎天下の下でも順調に育ち、開花した彼女たち。
メールで添付されてきた数枚の写真を、その夏私は何度も見返しました。

さあ、秋の終わりからはいよいよ大プロジェクトの始まりです。
雑草が生えないようにとブロックや植木鉢をあえて並べた空間に、
まずはフェンスを立てて、ローズガーデンの形を作っていきます。


*私とノイバラについては「2017年忘備録1」で紹介しています。
 


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