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冬ソニック決まっとんのよ:サマソニ②


あたりめです。


①の投稿をしてから1ヶ月半経ってしまった。
(※内容を少し修正しました。良かったら覗いてやってください。)


怠惰を極めすぎている。

怠惰というものは危険だ。ちょ〜っと気を抜くと、誰でも簡単にプロになれてしまう。私はかなり腰の重いタイプなので、自分の記録用に書き始めた記事となるとそれはもう信じられないレベルの怠惰を発揮する。誰かの為の記事ならオレ、ガンバレル。(遠い目)



これは①を投稿する前のツイートだが、おそらく今の感じでいくと10位に割り込んでいる気がする。たいへん不名誉である。

というかもう秋なんよ。なんならもう、初冬なんよ。SUMMER SONIC!とかアゲなこと言うてる場合じゃないんよ。冬ソニック開催も決まっとるんよ。



そう、先日 '冬ソニック' 開催のお知らせがあった。今冬から始まる、新しいフェスだそうだ。イベント名は『GMO SONIC』である。

ヒューヒュー!!!!!



私は暑さにめっぽう弱いので、海外アーティストが出演してくれる大型フェスが夏しかないことに、毎年コッソリ愚痴っていた。

だがしかし神はいた。
オレの愚痴を拾い上げて具現化してくれる神がいたのである。マジでありがとう。



イベント概要としてはダンスミュージックを中心に、K-POPからもラインナップが組まれるとのこと。すでにThe ChainsmokersLE SSERAFIMKep1erなどの出演が決定しており、ゴツすぎる事態になっている。

無事にチケットは確保できたので、是非ともレポートを記事にできればと考えている。




あぶねえ。

この記事の目的を忘れるところだった。あくまでも忘れかけていただけであって、忘れていたわけではない。見苦しい言い訳をするなと言わんばかりの細〜い目線が向けられている気がする。


なんか『全然関係ない話するで〜〜〜』みたいな終わり方してなかったっけ?
正直に言ってしまうと、もうその話をする熱が1ミクロンも残っていない。(正直すぎるだろ)

回収を約束できない前フリは絶対にするべきではない。ひとつ成長した。今後は気をつけよう。


気になる〜〜〜というモノ好き(居ないよ)のためにまとめると、ソニックステージで座っていたとき、2人組が私の近くに来た。私の両隣の席が1つずつ空いており、そのさらに左側は席が無く通路、右側は5・6人組のツレだった。ここで私が右に1つズレれば、この2人組は座れることになる。左にズレても問題はないが、わざわざ自分の前を狭い思いをさせてまで通ってもらう意味がない。右ズレが妥当と判断し、決行した。
これが最大のミスだった。2人組に『ドウシヨウ』という顔をされた意味が分からず困惑していると、私の右側にいたツレ集団の一角が『おう来たんか』と2人組に向かって手を上げた。己の過ちを理解した瞬間であった。
渾身の "ここどうぞ" 顔をしながら右ズレした5秒前の自分に脳内で平手打ちをかました。心が痛かった。


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'Måneskin'


ついに本命の1つが登場した。

Måneskin(モーネスキン、マネスキン)はイタリア発の4人組ロックバンドである。

アア、好き


ベースのヴィクトリアは①で書かせてもらったRina Sawayamaと同様に、LGBTQの'B'であることを公言している。
さらに彼女は、'女性が常に性的な対象とされること' について『絶対にあってはならない』と発言し、'フリー・ザ・ニップル' の活動に基づきトップレスでステージに立つことを基本スタイルとしている。


この動画の4:48〜、ヴィクトリアが自身の思いを語ってくれているので絶対に見てほしい。

私は本当に彼女の、そしてこのチームのマインドが大好きだ。尊敬している。彼らを見ていると、人は年齢なんざ関係ないのだなと、改めて思う。意志を持って戦う人はどこまでも強く美しい。

他にもファッションへのこだわりであったり、音楽の継承に懸ける思い、英語とイタリア語を併用する意味など、様々な事柄についてチームの意思を発信している。



あとこれは完全に余談なんですが、ボーカルのダミアーノは『声がポップすぎる』という理由で一度バンドへの加入を断られている。可愛いかよ。入れてよかったね。


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ナニコレ?パリコレ?

メチャクチャしょうもないダジャレみたいなことを言ってしまった。わざとではないので許してほしい。

とにかく、そんな感想しか頭に浮かばないほどのファッショニスタオーラを放ちながらバンドは登場した。


先述した "ポップすぎる" ボーカル・ダミアーノの声は、もはや楽器ともいえる強烈な個性とパワーをもって真夏の空を舞った。

ボーカル・ギター・ベース・ドラムという王道のバンド構成からなる彼らの轟音はまるで飾り気がなく、『俺ら初期装備のままラスボスまで来ちゃったんだよね』みたいな空気を纏っていた。一番格好良いやつじゃん。チクショーすぎる。



ちなみにMåneskinは今回が初来日だったため、メンバーはかなり楽しみにしてくれていたようで、いくつか日本語も覚えてくれていた。

ダミアーノは間奏のさなか、声高らかに叫んだ。



『ガンバレ~!ガンバレ!♪』




なんだって?


まさかの『ガンバレ』だった。

なんてこった。定番中の定番である『アリガトウゴジャイマス』『コンニチハ〜』を筆頭に、『ウレシイ』『タノシイ』とか『アツイ』、ユーモア的な面でいくと『オオキニ〜!』とかがくるのだろうと妄想していた。

しかもこの『ガンバレ~!ガンバレ!♪』が投下されたのは曲的にかなり盛り上がっている部分で、オーディエンスがジャンプする場面だったのだ。

ジャンプを促す言葉として、そこはシンプルに『Jump!』で良かったんじゃないのか?なんなら日本人でもそう言う人が大半な気がするぞ。



音楽を聴きながらアーティストに応援されるという、摩訶不思議イベントを初体験した。




応援されたフロアはどうなったかというと、当然の如くメチャクチャ頑張っていた。もちろん私も例外ではなかった。人で形成された絨毯が、縦横無尽にうねりまくっていた。

初来日のステージだとはとても思えない、'熱狂' と呼ぶに相応しいステージだった。



あまりのことに、孫が帰っていったあと、静かになった家でしばし呆然とするおじいちゃんおばあちゃんみたいな状態になってしまった。虚無である。

最後にケンタウロスばりの美しい姿勢で長髪をなびかせながらステージを走り回り、ドラムスティックを放り投げて帰っていったイーサンの記憶のみがかろうじて残っていた。私は何かとんでもないものを見たようだ。



当初この後にKingGnuを予定していたものの、思わぬケンタウロスの襲来により一旦持ち場へ戻ることにした。(※Måneskinの素晴らしいステージによる余韻&体力の消耗により予定を変更しました)


体を休め、食事も取った。大阪会場ではいちばん小さなステージ、マッシブへ移動する。空を見上げると、マジックアワーが近付いていた。私のトキメキポイントである。何度経験してもこの時間は胸がぎゅっとなるなぁ。




'Tahiti80'

Tahiti80(タヒチ80)は、フランス発の5人組ポップバンドである。

活動開始から約30年、日本デビューからは20年を超える職人の集いだ。この時点で次元が違う。頭が上がりません。

来日にした際に訪れたバーで偶然聞いた、山下達郎率いるシュガーベイブの『DOWN TOWN』にベタ惚れし、敬愛しすぎた結果日本語のままカバーしちまっている。そんなことある?

先日、待望の日本語カバー曲第二弾が発表されたのだが、これがまさかの松本隆率いるはっぴいえんどの『風をあつめて』だった。笑ってしまった。マジのやつじゃん。シティーポップへのエゲツねぇ愛を感じました。

しかもLPて。マジのやつじゃん。(2回目)


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待てよ。マジックアワーとの相性が良すぎる。タヒチのためにマジックアワー用意したんかぐらい良い。確定演出?え?????

雰囲気に飲まれすぎて、いよいよここが舞洲なのか怪しくなってきた。


音も声も、すべての要素にひとつも尖りがなく、まるくやわらかい空間だった。みんな大好きお布団である。タヒチの楽曲はとにかく肌なじみがいい。なんも抵抗もなくするりと融け込んでくるので、イイ感じになりてェ〜〜〜という気分のときにオススメです(合法です)。



最後まで聴いてから大トリのThe 1975へ向かう予定だったが、(SNSを見て今日来ていることが分かった)友人から『舐めとんか』と怒られてしまったので、前半を聴いて泣く泣く移動することにした。エ〜ンどうかまた日本来てね。



'The 1975'

私は今、ドキドキしている。
ついにこのバンドの項目まで来てしまったのだ。

The 1975は、イギリス発の4人組ロックバンドである。


え〜っと、今更私がここで何か紹介文を書く必要があるんでしょうか………………………………………?



正直に言うと私の1975の履修レベルはまだまだヒヨッコなので、ヒヨッコとして今持っている印象を言うならば、The 1975は最もロックスターらしくないロックスターのひとつである。


今この時代を生きている、マシュー・ヒーリーという一人の人間が ただ一人の人間として、目に映った世界を、感じた色を、温度を、これ以上無い美しい棘として、表現している。それが私のThe 1975の印象なのだ。


2020年、海外フェス出演者の男女比率が大幅に男性に寄っていたことを受け、マシューは

『今後フェスに出演する際の契約書すべてに、出演者の多様性を保証する "インクルージョン・ライダー" の項目を加えると約束した。バンドは今後一定数の女性とノン・バイナリー・ジェンダーのアーティストが出演するイベントにしか参加しない。』

という意思を表明した。今年のサマーソニックのラインナップは、彼のこの発言に基づいていることがはっきり見て取れたものであったと思う。今を真っ直ぐに見つめて生きる彼の棘が、美しく 'NO' を突き刺した瞬間だった。


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ステージモニターに表示されていたカウントダウンが00:00になった。

終日様々なカラーでアーティストをカラフルに照らし続けていた照明からは、ホワイトの光のみが放たれていた。夜の闇に包まれたステージ、焚かれるスモークと、ホワイトの光。The 1975のモノクロの世界が現れた。私がそこに没入するまで、本当に一瞬だったと思う。



一人の人間として世界を真っ直ぐに見つめて、真っ直ぐに受けとって、そうして生きる彼らの音楽は、すこし強烈なまでに、私に生と死を見せる。なんというか、死を意識させる感じに近いのかなぁ。

この人は儚いなぁ、みたいなことを感じる場面ってちょくちょくあると思うけれど、マシュー・ヒーリーはもはや儚いとかの次元ではない気がしている。縁起でもねぇなと思われるかもしれないが、私のなかの彼は、メチャクチャ死に近いところに居る。限りなく死に近いところで、脆さ・危うさを抱えて、それに抗うように身体のすべてで生命を歌っている人なのだ。彼の歌唱は、鼓動そのものだった。



'Love It If We Made It' 、泣いてしまった。


私生きてるなぁ、漠然と思った。



※MVはかなり刺激の強い描写が含まれており、負担になるかもしれないと思ったので、こちらを載せました。


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えぇ?????

1975のレポすくねぇ〜〜〜マネスキンのほうが余裕でなげぇ〜〜〜〜〜って?



※本当にすみません



なんせ当時の記憶がほぼない。情緒がだいぶおかしかったんだ。これが限界なんだ。勘弁してくれ。もう冬も来てんだ。とりあえず投稿させてくれよ。(それは己のせいだろ)



日本では、アーティストが社会活動に関わることをなんとな〜く良しとしない雰囲気が未だにある気がする。'逃避' としての要素はとても大切だし素晴らしいことだけど、それだけに留まるのは少し勿体ないんじゃないかなぁ。

今年のサマーソニックは、音楽を武器としてオーディエンスをチームとして、同じ方向を向いて共に戦うアーティストが本当に多かった。音楽を介して放たれるメッセージから感じることがたくさんあった。これからの音楽シーンや社会、どうなっていくのかな、私も真っ直ぐ見つめて生きる人間になりたい。

マシュー、4月にまた会おうね。




お開きです

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