仕事を推し進める5ステップ(仕事の「質」と「スピード」を上げる)
仕事には、定められた手順があります。
その手順に従って着実に実行していけば、失敗のリスクが下がるため、ひとつひとつの作業の中身について考える余裕を持つことができるわけです。
とはいえ、仕事の内容は業種や業態によって変わります。それどころか、プロジェクトや企画など、取り組む仕事それぞれが別もの。
ありとあらゆる仕事を、同じ手順に合わせてやろうとすると「いいからさっさと動けよ」「考えているうちにやったほうが早いだろ」「面倒くさいやつだな」などと言われてしまうかもしれません。
しかしながら、初めて取り組む仕事や、非常に複雑で定型的には進められないような仕事に取り組むときには、理想となる手順を意識し、型を守って進めることが、成功への近道となります。
だとすればその手順、つまり「仕事の順番」を知りたいところですが、それは次の5つのステップに分けられるそうです。
G:Goal/目的・目標を決める
R:Route/道筋・打ち手を考える
A:Agreement/すり合わせる
P:Progress/実行する・進捗を管理する
H:Harmonize/調和させる
この順番を、それぞれの頭文字をとってGRAPHと呼んでいるわけです。
G: Goal(ゴール)
まずはゴール。つまり、自分たちが「どこに向かうのか?」を最初に決めることが大切だという考え方です。なにを依頼され、どんな成果(もの)が求められているのかを見極め、仕事のゴール(目的・目標)を定めるべきだということ。
また、組織からゴールが与えられている仕事であれば、それを確認しつつ、そのうえで「なにを成果とするか」を定義することも重要。
R: Route(ルート)
目的地に向かって、どういうふうに進んでいくのかを考えること。そうすれば、さまざまな選択肢があることに気づくでしょう。
つまりはそのなかにおいて、「どの道順で進んでいくのか」を決めるわけです。これは、定めたゴールに到達するための打ち手を考えることでもあるそうです。
A: Agreement(アグリーメント)
取引先や上司、同部署のメンバー、他部署のメンバー、部下など、仕事にはさまざまな相手がいます。
それらの相手と、目指すべき目的地や仕事の進め方、納期などについて確認し、擦り合わせて合意を得るプロセスがアグリーメント。
この時点で認識のズレを検知して解消しておかないと、あとから痛い目に遭う可能性もあるわけです。
P: Progress(プログレス)
お互いの認識が合ったら、次にすべきは「実行する・進捗を管理する」ことです。
実際に仕事に取りかかり、ちゃんと計画どおりに進んでいるか確認しながら作業を進めるプロセスです。
このとき、「R:Route(ルート)」で定めたことが「道しるべ」の役割を果たします。
H: Harmonize(ハーモナイズ)
ハーモナイズは「調和する」という意味ですが、つまりここで目指すのは、「仕事の完了にあたり、すべての物事を調和させるということ。
単なる作業終了・作業完了だけでなく、仕事内容を振り返り、適切なフィードバックを受け、改善点を洗い出すなど、次の仕事への準備も含まれるそうです。
大切なのは、求められていたものをしっかり相手に受け渡し、品質も含めて問題ないことを確認・合意すること。
数値的なゴール設定に対しては、成果がどうだったのか、振り返り、改善点を明確にして次の仕事に生かせるようにしていくべきだといいます。
最初に定めた目的地、そこに至るための道筋、たどってきた進捗、最終的な作成物。
それらすべてが相手の要望に対して充分なものだったかを確認し、
仕事としての「全体調和」を図るべきだということ。以後の章では、これらについて詳細な解説が展開されていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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