アドラー心理学はSNS社会の処方箋
「アドラー心理学」が注目を集めています。
フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称されながら、日本であまり知られることがなかったアドラーに、なぜいま、多くの人々が惹きつけられているのでしょうか。
アドラーは、決して意外なことを言っているわけではないのです。
どちらかというと、多くの人がすでに知っていること、疑問に感じていることを、言葉にしています。
だから、驚きはあるけど、未体験の思想ではありません。
アドラーを知ることは「腑に落ちる」体験であり、だからこそ重く残るのだと思います。
たとえばフェイスブックの「いいね」ボタンは、承認欲求の権化のようなものです。
「いいね」をもらうために、人に迎合するような投稿にはしたくないものです。
あるいは、本当はいいねと思っていないのに、周囲に流されたり、書いた人に嫌われたくないと思って「いいね」ボタンを押すのもおかしいと思います。
人に認めてもらいたいという気持ちは当たり前の感情だ、と言う人もいますが、当たり前(=usual)だから正しい(=normal)とは限りません。
みんなが言っているから正しい、というわけでは必ずしもないと思います。
他人の評価ばかりを気にしていると、他人の人生を生きることになってしまう。
また、承認欲求は無責任にもつながります。
アドラーは「自分の信じる最善の道を選べ」と言ってます。
それに対して他者がどんな評価を下そうと、それは自分にどうしようもないことで自分の問題ではないと。
そういう意味ではアドラー心理学は責任逃れを許さない、キツイ思想でもあると思います。
アドラーは、横の(対等な)人間関係を重視し、『貢献』の大切さを説いています。
人は、感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知ります。
「私は誰かの役に立っているという実感」が、自らの価値につながるからです。
自分に価値があると思えている人は、人生のさまざまな課題に立ち向かうことができます。
他者からの承認ではなく、貢献感こそが、人を強くし、人に勇気を与えることを強く訴えていると感じます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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