【MLB】ユニフォームが台無しに?

 大谷翔平の移籍フィーバーによって、日本でもMLBへの関心が高まっているが、そんな明るい話題の中ひっそりと危機的状況に怯えているのが我々ユニフォームのファンである。今季からMLBは、伝統や風格よりも機能性に主眼を置いたユニフォームを着用することなったのだ。今回は、そんなMLBのユニフォームについて書いていくこととしよう。

大きな変更点は3つ

 今回の変更で、目に見えて変わったのは「①ロゴマークや胸番号、背番号などのマーキングが小さくなった②背番号にメッシュ加工が施された③袖と襟元がリブになった」ことである。最も目立つ変化は①なのではないか。大谷翔平はロサンゼルス・ドジャース(以下LAD)のユニフォームを着ることとなったが、やはりマーキングが小さいのでMLBらしくない。まるで中日のユニフォームをしているようだった。また、昨年まで区切りよく、筆記体の「Dodgers」のoとdの間が前開きとなっていたのだが、来期からは3文字目のdを前開きが横断しているので若干の違和感を持つ。

 余談ではあるが、中日の胸マーク「Dragons」も3文字目のaを前開きが横断していることから、我が軍のユニフォームに本家が近づけてきたという解釈をしても面白いだろう。ただ本家のLADは直近の10年間のほとんどのシーズンで地区優勝を果たしている。対して中日の直近10年間の成績はほとんどがBクラス。意匠だけでなく野球の成績でも真似して欲しい限りだ。話を本題に戻そう。このユニフォーム、「安っぽい」という批判的な声もある一方で「動きやすそう」という声もある。文字通りの賛否両論となっているのだが、僕はこのように考える。

選手着用モデルは○、レプリカは‪‪✕‬

 選手たちが使用するバットやグラブは日々進化している。フィールド・オブ・ドリームスのように、100年前の大リーガーたちが亡霊となってトウモロコシ畑の球場に降り立ったら、現代の野球用品の進化に目を丸くして驚くことだろう。ユニフォームもその「野球用具のひとつ」と考えたら、今回の変更は「改良」以外の何物でもないだろう。

 しかしながら、ファンが着用するレプリカユニフォームまで同じにしてしまったらダメだ。グラウンド上の選手たちと同じものを使いたければ、プロモデルの高価なものを購入するはず。せっかく、レプリカユニフォームというカテゴリを設けているのだから、そこは機能性を度外視して重厚感のあるものに仕上げた方がいいに決まっている。

 NPBのヤクルトやソフトバンクはプロモデルの物は機能性を重視した昇華プリントの薄い生地を使用したものを販売しており、レプリカユニフォームは重厚感のある刺繍のユニフォームを販売している。MLBもその逆輸入をすべきなのではないかと、ここ数日心の中で思っているところだ。

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