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MLBも広告解禁

 ニューヨーク・ヤンキースに並ぶMLBの古豪のボストン・レッドソックスがMLB初の腕章広告を解禁した。Muss Mutual社という保険会社のようだが、23.8億円もの広告費が入るようだ。今回は、そんなMLBユニフォームの大改革について、NPBの歴史やグッズ販売について思ったことを書いていくこととする。

NPBでは約70年前に…

 我々日本人は普段NPBのユニフォームを見ているので、広告があっても何ら不思議ではない。明確な規定ができたのは20年ほど前ではあるものの、それ以前から広告があったことは写真を見たら明らかである。

 まず、記念すべきスポンサーマークの第1号が昭和27年の広島だ。原爆からの復興期にできた市民球団は資金不足に喘いでおり、有名な樽募金などをしてやりくりをしていた時代である。この頃の広島は腕章にフマキラーの広告を入れていたのだ。それだけには収まらず、Cマークに現在の中日のDの様にフマキラーの「フ」を重ねたマークを帽子の前立てマークに使っていたというので驚きである。

↑フマキラーのロゴ入りユニフォーム。ノリでつけられた為、剥がれ掛けの背番号でプレーする選手の映像を広島で見たので、とても記憶に残っている。

 これだけ聞くとなんとも黎明期の広島らしいエピソードだなと思うが、巨人の読売新聞社と「新聞闘争」を繰り広げていた時代の中日、そして左門豊作を擁する(と言っても巨人の星を知らない方にはわかって頂けないだろうが)当時の大洋もそれぞれ腕章に中日新聞社の社章、マルハのマークを採用していたことが両球団共に昭和29年、35年の初優勝時の写真から分かる。やはり長嶋茂雄氏が入団する前のNPBというのは、実業団チームの延長線のようなものだったのだろう。現在は巨人のサプライヤーロゴを含めると全12球団が広告をつけており、日本の野球ファンにとっては何ら違和感のないこととなっている。

↑中日新聞社の社章が入ったユニフォーム。現在は「中日新聞」の四文字が腕章となっている。

広告費を取るか、伝統を取るか

 話をMLBへと戻そう。今回、レ軍が採用した広告は目立たないものではあるが、MLBの伝統でもあった「混じり気のない純粋なユニフォーム」が崩れてしまったのが残念だ。

↑レ軍が来季から着用するユニフォーム。

 今後、MLB各球団は着々とユニフォーム広告を採用するのではないか。そうなると、1度つけたらワンポイントで刺繍するだけで、大枚が入ってくるのでカッパえびせんの如く「やめられない、とまらない」となってしまうのが広告というものだ。ただ、現在はファッションアイテムとして使われている帽子やスタジアムジャンパーにも広告がつくとなれば、それを街中で着用する人はかなり減ることとなるだろう。

 なので、レプリカの帽子やユニフォームには広告を別売りで出して欲しい。上新電機の広告をつけた阪神がそれをやっているので、その方式を「逆輸入」するのが最前ではないか。

最後に

 とうとうこの日が来たかという印象であるが、これも時代の流れのひとつなのかもしれない。

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