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ユニフォームを観察しよう!【セントルイス・カージナルス篇】

 WBC日本代表ナインに「ヌートバー」という横文字の選手が入り、大いにフィーバーとなっている。今回は、彼の所属するセントルイス・カージナルス(以下STL)のユニフォームを観察することとする。

NPBユニフォームの華美化に貢献

 この球団が昭和43年、日米野球で遠征に来たことでNPBのユニフォームは大いに華美化したことで有名だ。当時のNPBのユニフォームは大体の球団が黒や濃紺をメーンのカラーに使っていたのだが、STLの赤く、スズメがマーキングされた超ド級の奇抜ユニフォームを着用したナインがやってきたことによりその後多くの球団のユニフォームに個性が着いた。

 当時、STLのユニフォームが強烈だったということはかの有名な「巨人の星」を見ると分かる。星飛雄馬のライバルとして、アームストロング・オズマがSTLの大砲としてやってくるのだ。その当時、全て手書きだったアニメで野球ユニフォームを書く時は巨人なら「G」、中日なら「D」と胸に書き省略されていたのだが、STLに限ってはCarまで書かれており、尚且つ赤スズメまで描かれていることからもこのユニフォームがいかに衝撃的だったかがわかるだろう。随分とそれでは本題に入ろう。

素晴らしい伝統

 前述の通り、STLのユニフォームはバットの両端に赤スズメが2羽止まっている様子を胸にマーキングされている所が特徴的だ。この球団のこだわりはここにある。これを昇華プリントではなく、刺繍によるマーキングでつけているということが素晴らしいのだ。

 機能性を重視するならば、この刺繍は当然淘汰されているはずだ。胸筋の上に着いているので、野球選手に必要不可欠な投動作にも影響するはずだ。しかしながら、STLは半世紀以上もの伝統を守り続けているというわけだ。僕は「刺繍に在らずんばユニフォームに在らず」というような原理主義者ではないが、これには「素晴らしい」以外の言葉が見当たらないものである。

最後に

 このユニフォームを来ているヌートバーは機能性に主眼を置いた全日本のユニフォームをどう思っているのだろうか。僕がもしも彼にインタビューできる立場にいたら、それを真っ先に聞くだろう。

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