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【Samuil Feinberg, 1894-1962🇺🇦ウクライナの芸術家シリーズ10】

名ピアニストで作曲家であるサムイル・フェインベルク(1890-1962)はロシア帝国オデッサ(現ウクライナ)生まれ。バッハ研究で名高く,ソビエト連邦で平均律クラヴィーア曲集の全曲演奏を初めてしたピアニスト。見出し写真の右がフェインベルク,左が弟子のメルジャーノフ(Victor Merzhanov, 1919-2012)だ。メルジャーノフは弟子の原田英代氏の招きで晩年に何度か来日しており,原田氏に時々レッスンを受けていた嫁がマスタークラスを受講したと言ってた。羨ましい。

モスクワ音楽院で作曲をニコライ・ジリャーエフに学んでおり,同門にハチャトリアンもいる。ピアノ曲や歌曲を多く残しており,タチアナ・ニコライエワは彼のピアノ・ソナタはどれも「人生の詞」だと評している。

バッハのコラール等のピアノ編曲も多く残していて,難曲に仕上がっているものが多いが,自身の残している録音を聴くとオルガンの響きを感じさせつつ,軽やかに歌い上げた品のある素晴らしい演奏だ。

余談だが,かれこれ20年近く前に,フェインベルクによるバッハの編曲作品の楽譜が手に入らないかと探し回ったとき,ロシアからの高価な楽譜がたまに入荷されている位でがっかりしていたら,当時設立間もなかったIMSLPにあって驚いた。

動画は平均律の1巻全曲。まずは定番の冒頭1番の前奏曲だけでも聞いてほしい。端正でありながら叙情的に,美しく軽やかな音色で静かに歌い上げるような演奏。たちまち惹き込まれてしまう。

wikipedia: https://en.wikipedia.org/wiki/Samuil_Feinberg

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