ゴッシーが行くvol.30《トランペット》

Vol.30
ゴッシーが行く
《トランペット》

昨日からに滞在している京都で
N響の先輩 祖堅 大兄が逝ったと知り
1人で酒を飲んでいる

祖堅はトランペッター
桐朋学園からN響
学校 、オーケストラと私と同じ道のりを行く先人であり
世阿弥の言う芸能者の 3つの禁
好色 博奕 大酒
を やりつくしながら
国家や思想を凌駕する芸術家の想いを実現した


祖堅は沖縄出身でNHKがN響で国歌の収録する時になんでオレ達が国歌を
収録するのか理由を説明しろ

とか

ホルスト、シュタインとブルックナー
のミサ曲で そのタイミングでは
良い音が出せないとシュタインと
怒鳴り合になったりしたが

キッチリ意見を言って自分の立場を
表明出来る音楽家だった



私がオーケストラの中で
もしチェロでなければやりたい楽器は
と問われれば それはトランペットかティンパニーだ

ティンパニーは
音楽のハーモニー進行
つまり音楽の始まりから終わりまでの道のりをベースラインと共に
リードしている役割で
特に  ちゃん、ちゃん、という
ドミナント、トニカ

でし た という終始形に
さまざまな情緒を表現していて

オーケストラを人間に例えれば
メロディーを担当するバイオリンや フルュート、オーボエ、
が顔だとすると

ティンパニーと
ベースラインは心と心臓なのだ

そしてティンパニーはオーケストラの中で一番デカい音が出せる

私が憧れるラッパ、トランペットは
オーケストラを凌駕して歌う事が
出来る楽器で

オーケストラ全体のサウンドの更に
外側から、時には突き抜けて
音楽にアプローチ出来る
特別な楽器なのだ

チェロは音が弱過ぎて1人ではそこまでオーケストラ全体に影響を与える事が出来ないので
チェロセクションとしてまとまって、ベースラインを担当したりメロディーを弾いたりする

オーケストラは不思議だ

弦楽器は弱音楽器

ティンパニー
トロンボーンやオーバエ、フリュート
ホルンなどは強音楽器

しかし演奏会でティンパニーと
トロンボーンしか聞こえなかった
という事は無く

つまり基本的には
弦楽器のサウンドがあって
管楽器、打楽器が
弦楽器を聴きながら全体のサウンドをサポートする

時には管楽器、打楽器、が弦楽器を
上回って表に出るが


ベースラインが聞こえないほど
上回ると
オーケストラ全体のサウンドが壊れてしまう


私はオーケストラてチェロを
弾いている時
ラッパとタイコにジェスチャーで
合図を出し続ける

チェロとコントラバスはもちろんだが
ラッパとタイコがまとめられれば
あとはコンサートマスターが
現場監督として更に良い方向に導いてくれる



指揮者がヒドイ時は仕方なく反対討論
として合図するが
基本的には指揮者に賛成討論として
合図するのがオーケストラで
チェロの首席の役割りだと
サバリッシュ先生との長い付き合いで
学んだ






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