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第3章 【16】音大でできた友達①追記

注)写真は記事とは関係ないのですが、私が音大に入学する前にアフリカで働いていた時の写真です。たくさんあるので、毎回公開しています。小学校の授業です。きつい日差しを遮る屋根だけの青空教室です(撮影:いちあ)


40代で音大に入学して、心配だったのは、助けあえる友達ができるのかしら、という事だった。

もともと私は人とあまり触れ合うことも積極的でなく、余程好きにならないと親しく付き合うことなく、社会人になってからは、なぜか一匹狼、と呼ばれ、そうか、そんなふうに見えているのだな、と思っていた。

しかしそんな私も、10代の大学生の頃は、普通に友達もおり、以来、30年、付き合い続けていたりする。

しかし、さすがに今回、下手すると親子ほど年がちがう私と友達になってくれる人は、あまりいないだろうけど、でも、いないととっても困る!と思っていた。

なぜなら、大学は、もちろん仕事もそうだが、何かと情報交換が大事で、友達は不可欠だった。履修などは、授業の情報交換をして、どの授業がいいらしい、などというのはとても貴重な情報だった。

なんとなく恥ずかしく、4年間、私は自分から年齢を言ったことは一度もなく、訊かれたこともなかった。なので、みんなが私をいくつと思っているかは、実は知らないのだ。しかし、誰だって、年上にみえる人と、遠慮して、そうそう友達にはなってくれないよな~、と思っていた。

前置きが長くなったが、結論からいうと、何かれとなく相談できる友達は2人。そして、友達と呼んだら悪いかな、、、と、<知り合いくらい>、と思うお友達は、3人くらいで、本当に5本の指で足りてしまうのだった。

今回は、砂漠に咲いた薔薇のような2人の友達のうちのひとり、めぐみちゃんのことを。

めぐみちゃんは、ロック&ポップスコースで、ヴァイオリンを弾いていた女の子だった。なぜかめぐみちゃんとの出会いは不思議な感覚だった。

私は、1年生の時から、高い授業料のもとをとらなくちゃ!と、かなり授業を聴講していて、金曜の3限に、ロック&ポップスコースの学生が履修できる、作詞講座という授業をどうしてもうけたくて、聴講させてもらうことになった。もともと、作詞作曲して、オリジナルの楽曲を作りたい、と思っていたので、この授業は願ってもない学ぶチャンスだった。

初回の授業で、教室にはいると、ロック&ポップスコースの学生がいっぱい(あたりまえ)で、毛色が、私のいる、弦楽器コース(結構お嬢さんぽい人多し)とちがって、種々雑多な感じがして、私はなんか、あー気が楽~と思ってしまった。そこで、なぜか、教室にはいった途端、私に微笑みかけているのが、めぐみちゃんだった。

すぐ近くの席に座ると、なにかれとなくすごく親切に教えてくれて、ヴァイオリンのケースを持っていたので、あーポップスでヴァイオリンを弾く人なのだな、とわかった。私もチェロケースを背負っていたので、きっとめぐみちゃんは親近感を持ってくれたのだと思う。めぐみちゃんは関西の出身で、私も関西のため、関西なまりの言葉での会話がとても落ち着いた。

なぜか、会ったその瞬間から、お友達、という感じで、すぐラインの交換などをした。

それからは、4年間ずっと、なんだかんだ、授業のことを話したり、ラインで情報交換したり、授業が終わったあとろうかで合えば、駅まで一緒に帰っておしゃべりしたり、普通の友達という感じで、私はとてもうれしかった。

めぐみちゃんはずっと同じロック&ポップスコースの学生の男の子とユニットを組んで、ライブ活動やCD録音などをして、100歩先を歩いている人で、なにかと私に教えてくれた。

4年生になって、コロナで大学の授業がオンラインになった時、3週間ほど、チェロの実技レッスンなどもオンラインになり、マイクやその他の機材が必要になった際、弦楽器につけるマイクはこれがいい、オーディオインターフェースはこうでなきゃ、などいろいろ教えてくれたのも、めぐみちゃんだった。

ずっとライブに一緒にでようと誘ってくれていて、私もそうしたかったのだが、大学の授業では、ずっとオケや室内楽があって、どうもそちらが追い付かず、めぐみちゃんたちのユニットと一緒に演奏させてもらう機会を逃してきた。しかし、先日も卒業後ひさしぶりにラインが来て、演奏動画撮ろう、お茶しよう、と声をかけてきてくれて、卒業後もかわらずお友達でいてくれるのね~と、私はとてもうれしかった。

これからは、大学の時のようにオケなどもないので、(仕事をしなければならないが)、演奏動画も、めぐみちゃんたちのユニットに一時的に入れてもらって、撮れたらうれしいな、と思っていたりする。

実は、1年生の時に、アルバイトで、『はいからさんが通る』の劇場版のPVを早見沙織さんが撮影するというので、バックで弾くオーケストラの募集があり、私とめぐみちゃんは、意気揚々と撮影に向かった。

音楽の初のアルバイトで、撮影は目新しくて、とても楽しかった。同じチェロコースのEくんも来ていた。Eくんは私たちが撮影に参加した、下のPVにちらりと出てくるのだが、私は3:37あたりで、Eくんの裏で、チェロの二列目で必死こいてうつむいて弾いているのだ。始めての曲で、がんばって練習して、歌を覚えてしまったのだった。早見沙織さん、かわいかったなー。

そんなこんなで、いろんな楽しい思い出がいっぱいあって、音大で友達ができるとはあまり期待していなかった私にとっては、めぐみちゃんは、神様がワタシに授けてくれた、とってもスイートな大切な人であった。

次回は、K先生とのチェロのレッスン、そして前期の実技試験についてです!お楽しみに!



チェロで大学院への進学を目指しています。 面白かったら、どうぞ宜しくお願い致します!!有難うございます!!