見出し画像

「スポーツに政治を持ち込むな」と言う日本人が犯している大きな間違い

スポーツ嫌いな私は当然の如くスポーツ観戦などはしないわけですが、試合そのものに関心は無くとも大会を巡る政治的な動きについては関心があります。
カタールW杯では日本は初戦のドイツでウィナーを飾ったわけですが、ある共産党議員が日本代表の勝利に毒づいていたので、それに関して言うと「共産党さんはもっと御客様(大衆)はパンをサーカス欲していることを理解した方が良い」とは言っておきます。
政治家と言うのはどれだけ崇高な理念を持とうともプライドを捨てて大衆迎合をしなければならない時があります
トランプやゼレンスキーが大統領になり、あるいは日本の新興政党の勢いが増しているのも「大衆心理を理解しているか」が大事な要素になっており、大衆心理を理解できない政党はいくら良い政策を掲げていても衰退するしかないと言えるでしょう。

それはそれとして私は政治家ではありませんから、スポーツ大会に対して好き勝手に感想を吐くことができます。

⚽サッカー政治を持ち込んだ欧州

さて私はスポーツ嫌いなのでスポーツに政治を持ち込むことに躊躇は無いのですが、いわゆる日本人の常識とされる「スポーツに政治を持ち込むな」という話は、恐らく今の世界のスポーツ大会には通用しないでしょう。
現に今回のW杯を巡り、ヨーロッパは政治をバリバリ持ち込んでいます。

今回のカタール開催に関して言うと、割かしEU圏の一部の国では苦境に立たされ、逆に日本や韓国あたりは臆することなくプレーできる状況にあると見ています。
よく「ドイツが日本を舐めてたから負けた」という声が見られ、試合を観てない私にその辺はわかりかねますが、ヨーロッパでは各国で放送・観戦ボイコットが起きているわけです。

スポーツと言うのは何も選手だけで戦っているわけではありません。
マネージャーや裏方のアシストはもとより、サポーター(ファン)の声援があってスポーツ大会は成り立ちます。
日本は右へ倣えで各局が相次いでW杯を放送していますが、放送や観戦のボイコットが起きているヨーロッパでは、ファンの声援を受け難い状況にあると言えるわけです。これについてはドイツも例外ではなく、負ければ地獄、勝てども苦痛が待っているというのがドイツの置かれた状況でした。
勝てば英雄になる日本代表とは置かれている状況(環境)が違うわけです。

🎥カタール開催の持つ意味

さて、日本人にとってカタール開催は「開催出来たから良いじゃん」という考えが多いと思いますが、ヨーロッパにとってはカタール開催というそのものに2つの意味があります。
まぁ集約すれば「人権を尊重している国なのか」っていうところになるのですが、内訳は次の2つです。

❶カタールは労働者を大事にする国ではない
❷カタールは同性愛を違法にしている国である

この2つがヨーロッパに大きな意味合いを与えています。

「カタールでW杯が招致されてから6500人の外国人労働者がカタールで死亡した」
これがヨーロッパで物議を醸している理由の1つです。
一方、日本人(少なくともニワカ日本代表ファン)はこれを知らない人がかなり多いと思います。
それと日本で話題にならない理由には、日本が元々労働者を大事にする風潮がないということも挙げられます。
何せ東京五輪の新国立競技場建設にあたり、若い現場監督1人が過労自殺しているのです。しかし、それを覚えている日本人は多くは無いでしょう。
報道は一瞬で終わりましたからね。

次に西側の性に関する動きとしては「LGBTQに寛容な社会を作ろう」ということが1つの動きになっているわけです。
それと真っ向から対立する法律がカタールで運用されてるわけですから、日本代表と選手の置かれている環境は全く異なります。
つまり、こうした国でプレーすることに対して「政治的な意見を求められている」わけです。

📣そもそもビッグイベントの開催に政治が動いている

「スポーツに政治を持ち込むな」という発言は、私から見ると「臭い物に蓋をしよう」と=(イコール)であると見ています。
少なくともスポーツのビッグイベントというのもは、古代から現代に至るまで、何かしら政治的な関与・意味合いがあることが多くあります。
近代では特にナチス・ドイツが招致したベルリンオリンピック以降、国威発揚手段として用いられるようになりました。

特にW杯やオリンピックは4年に1度しか開かれませんから、招致に向けて政治家が全力で動きます。
東京五輪ですら小池百合子や安倍晋三、森喜朗と言った政治家が関わっていますから、招致の時点で政治が持ち込まれています。
草野球やら高校生の部活レベルのスポーツ大会に政治を持ち込むのは流石にNGすぎますが、4年に1度のビッグイベントは招致から政治が動いてますので、政治を持ち込むなという論理は通用しません。

恐らく冬季北京オリンピックでもウイグル問題を巡り、ヨーロッパでは選手に対するボイコットを求める動きなどが起こるかもしれません。
日本がどうするのかはわかりませんが。

🗾スポーツに政治を持ち込むながガラパゴスかも知れない

繰り返すと「スポーツに政治を持ち込むな」は招致の段階から政治が絡んでいるビッグイベントには通用しません。
それどころか、ヨーロッパやオーストラリアでは政治を持ち込むのが当たり前のようになってきています。
つまりスポーツのビッグイベントを開くにあたり「人権を尊重している国かどうか」が強く求められる時代になって来ているのです。

そのため「スポーツに政治を持ち込むな」というのは、寧ろ日本人のガラパゴスな価値観になるかもしれません。
尤も、日本がビジネスでよく付き合うことになる国は米中韓いずれもブラック企業の多い国です。ヨーロッパ人とビジネスする機会というのは、そう多くないでしょう。
なので、ある意味では「スポーツに政治を持ち込むな」でも通用すると思います。
ただし、今の時代はスポーツ大会を開催するにあたり、人権というものが尊重される国か重視されているということは、感じ取った方が良いのではないでしょうかね。

この記事が参加している募集

サッカーを語ろう

ご一読ありがとうございます。お読みいただいた記事がもし無料、あるいは価格以上の価値があると思ったら、フォローならびに、サポートいただけますと幸いです。