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日本人のハイコンテクスト文化は法治主義と相性が悪いのではないか📚

昨今話題になったダイハツをはじめ、ここ数年で品質不正が露になった大企業が多くありますが、大企業の重工業分野で品質不正が行われるものですから、零細企業の軽工業分野なんて法的にアカンことやスレスレラインを通ってることがたくさんあります。

ダイハツには品質管理検定の有資格者がいたはずです。
少なくとも品質管理検定3級の内容が実践できていれば、あんな問題は起きなかったはずです。
ここのところ騒ぎになっている自民党の裏金問題や、かつて話題になった甘利明の1200万円収賄事件、五輪の汚職など、リーガル問題を持ち出せば枚挙に暇はありません。
しかし、何故こんなことが起こるかと言えば、そもそも日本は法治国家ではないということが大きな要因として挙げられます。

どうにも日本人には「法律を守らなくてはならない」という意識が希薄なんですね。
そのため、品質やら選挙やらで不正は起きやすく、アパレルの世界では製造地隠ぺい(品質表示タグが剥がされた衣類は十中八九中国製)が起きやすいんですね。


🌀日本人にあるのは「遵空思想」

じゃあ日本人は何に従って生きているのかと言えば、場の空気です。
法律よりも「場の空気」が最高法規になるのです。
道路交通が良い例で、制限速度(法律)を守ることより「周りが出しているスピード(空気)に合わせる」ことが要求されます。
道交法一つでこんな調子なんですが、至る所で「法律を守らない国民性」が発揮されます。

例えば私は高卒で就職し、初年度の忘年会で酒を呑まされていますが、ご存じの通り20歳未満の飲酒は違法です。
ですが法律を盾に酒を拒むと引っ叩かれるので、止む無く呑みましたが、違法であることに変わりはありません。

飲酒運転に同乗したこともありまして、最初の会社の退職に伴う送別会で先輩社員の飲酒運転に同乗する羽目になりました。
飲酒運転の同乗者も今はお裁きがありますので、あの時間はとてもヒヤヒヤしたものです。
飲酒運転事故の件数は平成25年に比べて半分に減りましたが、令和4年になっても2100件の事故が発生しておりますので、如何に法律を守らない人が多いかを暗喩しております。

リゲインのCMは「24時間戦えますか?」がフレーズでした。
佐川急便のドライバーとして働いていた叔父の1ヶ月の労働時間を計算したら月412.5時間となりました。
残業時間だけで212.5時間ある計算になります。
労働基準法を守る気はサラサラ無いわけですね。
どうにも日本社会では、その場その場で法律より偉い存在に「場の空気」があり、法律よりも「場の空気」が偉くなる下地があるからこそ、コロナ初期には他県ナンバー狩りも起こりました。
正に「法治国家」ならぬ「空治国家」でありまして、日本人にあるのは「遵法精神」ならぬ「遵空思想」なのです。

💠ハイコンテクストは法治主義と相性が悪い

なぜ日本人は法律を守らないのか。
それには固有のハイコンテクスト文化が法治主義と相性が悪いということが考えられます。
西洋的な法治主義って言うのは謂わば「言わなきゃわからない」や「他人同士は分かり合えない」という思考がベースになっているため「だから見える化しましょう/取り決めましょう」という方向に進歩したわけです。

一方、島国的なハイコンテクスト文化では「言わんでもわかるやろ」という発想で「法律法律言うても綺麗事じゃ世の中回らへん」という、矛盾が起こりやすいのではないかなと思うわけです。

大日本帝国憲法なんかは表向き天皇は最高権力者でしたが、太平洋戦争で敗戦して蓋を開けて見ると「責任者不在」という有様でした。
日本国憲法になって「個人の尊重」というものがあるにも関わらず、結婚の価値観は未だ「家」がベースになっています。
労基法が守られない要因の1つとして、日本では「個人」と言うものが発達しなかったため、集団の維持の為には時として法律を破った方が(荒波が立たなくて)都合が良かったのかも知れません。

🌐解決の糸口はグローバル化するしかない

正直、この先も日本人同士で固まっていて法律を守る国民性になるかと言えば、それは無いでしょう。
例え世代が異なっていても日本人同士であれば「空治主義」の原理が働いてしまいます。
この辺を解決するにはグローバル化(移民増加)しか無いんじゃないかなと思いますね。

前の会社で仲良かった同期は私も含めて全員退職したのですが、どうしてそうなったかと言えば、やはり上司から(間接的な)サービス残業強要があったからです。

この辺は職場のグローバル化が進んで「ルールを明文化する」ようになって初めて解決に向かうことが出来る問題かなと思っています。
そのため、まだまだ時間が掛かるでしょうね。
ただ一つ、確かに実感したことは、ハイコンテクストとコンプライアンスはどうも相性が良くないらしいと言うことです。

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