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ダメな自分に泣きたいとき。

今朝、ほんの些細なことで泣いた。

ただ今日の授業に使う教科書が見つからず数十分も家の中を探し回ってしまったということだけなのだが、
授業に間に合わないという焦りといらだちで、周りが見えなくなっていた。

あちこち探す音で目を覚ました同棲中の彼が、「俺、こないだあそこに片付けたよ」と教えてくれた。
それは、何度も確認した紙袋のなか。

あれだけ探した教科書が、彼の一言でいともあっけなく発見されたことがもう情けなくて悔しくて、
気付けばポロポロと涙がこぼれていた。彼はぎょっとしながらも、優しく抱きしめて背中をたたいてくれた。

そう、教科書や彼が悪いんじゃない。

自分の中にずっと溜め込んでいた、
「ダメな自分」を責めるこころが、
それをきっかけにこぼれただけなのだ。

たぶんみんな、多かれ少なかれ、
自分に過度の期待をしている。
「できた人間」になることを求めてしまう。

それが達成できなくて自分を責めるなんて、なんて滑稽だろう。
ダメかどうかを決めるのは、自分じゃなくて周りの人なのに。

こぼれる涙を拭うこともせずに
「ダメだ、もうやだ、自分が情けない」
と繰り返す私の背中をさすりながら、

「ダメじゃない、情けなくない。よく頑張ってるよ」

と優しく声をかけてくれる人がいるから、
私は今日も歩いていける。

#コラム #記事 #ダメな自分

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