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陸自ヘリが行方不明になった件について(4/8追記)

各メディアでの報道で、皆さんもすでにご存じかと思います。
昨日午後4時前、第8師団長ら10人を乗せたヘリが宮古島分屯基地を離陸後、伊良部島と宮古島の間の海域でレーダーから消えました

◆防衛力強化の矢先に・・・

同ヘリに搭乗していた内の一人、第8師団の坂本雄一師団長(55)は九州南部の防衛を担う第8師団およそ5000人のトップで、中国が海洋進出を強める中、南西諸島防衛のキーマンの一人とされる人物です。
師団長には先月、着任したばかりだったそうです。

この件について、気になることはたくさんあります。

もちろん、一部で騒がれている、他国の関与というのは、
さすがに可能性として低いとは思っています。
例えば、他国の関与によって撃墜されるには、墜落したであろう海域が、
あまりにも我が国の領土から近すぎます。

とはいえ、これ以上憶測が広がる前に、まずは乗員の安否確認、
そして原因究明を急いでいただきたいです。

◆墜落する原因が見当たらない

最も疑問なのは消息を絶った原因です。

少なくとも防衛省からは、早い段階で「事故」と発表されてはいますが、

  • 有視界飛行、つまり天候、気象条件は比較的良好だった。

  • 直前の点検で機体に異常が見られなかった。

  • 無線連絡や救難信号の発信もなかった。

  • 救命いかだも膨張していないかった。

  • 船体の一部だけが浮遊していた。

これらのことから考えると、機体が一瞬で機能を失うような事象、
例えば爆発などが起こって墜落したと考えるのが妥当なようにも思えます。

にもかかわらず、今の段階で空間識失調などの人為的なミスの可能性ばかりが指摘されているのは、少なくとも疑問ではあります。

◆バードストライクでは墜落しない?

一般的な航空機事故の原因として考えられるのは、

  1. 人為的なミス

  2. 機体の不具合

  3. 鳥などとの衝突(バードストライク)

ですが、1と2は前述の通り可能性が低く、
3のバードストライクによる墜落というのも、ヘリコプターのような回転翼機ではあまり考えにくいと思います。
(構造上、エンジンに吸い込まれるといったことが考えられないため)

いわゆるジェット機のような固定翼機でも、バードストライクによる軽微な事故は毎日のように起きますが、墜落までしてしまうのは非常に珍しく、
10年に一度程度と言われています。

◆エンジンがトラブルを起こしても安全な機体

また、今回行方不明になったのは、陸上自衛隊の多用途ヘリコプター「UH60JA」という機体ですが、この機体はエンジンが2つあるということで、もし何らかの理由で1つが止まっても飛行は可能だそうです。

万が一2つとも止まったとしても『オートローテーション(=自由降下)』という、柔らかに自由降下しながら不時着水する対応がとられる事になっており、その際に機体が傾いてしまったとしても、水につかってない側のドアから救命胴衣を膨らませて脱出、救助を待つ事になっているのだとか。
(今回は海の上を飛行していたので、規定により救命胴衣を着用していた可能性が高いそうです)

◆場所の特定は?乗員の安否は?

また、ヘリに位置情報を知らせるGPSのようなものであったり、
乗員の所持していた無線機器など、何かしらがあったはずですから、
今回は単なる墜落事故だったとして、捜索開始から丸1日が経過しているにもかかわらず、墜落した場所が未だ全く特定できておらず、さらには10人の乗員のうち1人の安否も確認できていない、というのも不思議です。

とはいえ、確たる情報は今のところ入ってきていません。
続報を待ちたいと思います。

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