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人はなぜ働くのか?~働く事に迷っているあなたに

あなたは子供の頃にこんな事を言われたことはありませんか?
「将来、何になりたいですか?」

僕はこれはあまり良くない慣習だと思っています。
これは言い換えれば、
目的も定まらないまま、ただ行き先を決めろと言われるようなものです。

そもそも、僕らは何かになる為に生まれてきたわけではありません。
僕らは僕らであって、それ以上それ以下でもありません。

将来自分がどうなりたいか、どうありたいか、何が自分にとって幸せなのか、それもよくわからない状態で、ただ選択する事、何かになる事だけを要求されるのは、順序として良くないと思います。

とはいえ、いずれは誰もが行き先を決めなければなりません。
そもそも、人はなぜ働くのでしょうか?
今回はそれについてのお話です。

※かなり強い口調で書いている部分もありますが、本音で伝えたいという思いがありまして、何卒ご理解の程宜しくお願いいたします。

◆人が働く理由

「なぜ人は働かなければならないのか?」
そう質問されたら、あなたはどう答えますか?

「とりあえず、働かないと生活していけないから・・・」くらいしか、答えられない人がほとんどだと思います。

当然ながら、この世の中はお金で動いています。
ほとんどの人が働いて金銭を得る事で生活をしています。
仮にこの世界に国や社会やお金というものが存在しなかったとしても、食べていくためには自分で食糧を得る必要があるわけですから、いずれにせよ働く事になります。

いい加減な大人はよく「夢を持て」と、簡単に言いますが、世の中には夢を持ちたくてもできない状況にある人もいます。
だから、そのような事を安易に言う人は信用できません。
それよりも「生き残る術を持て」と言う方が正しいと思います。
働くという事は、その術の1つです。
生きてさえいれば、いつか夢を持つ事も可能になるかもしれません。

もちろん、人が働く理由はそれだけではありません。
自己実現や社会貢献を目的にしている人だっています。
他の人々が求めるもの「財やサービス」を提供するところに生じるのが仕事なので、最終的に他者のためになっていることが多いと僕は思います。
お互いに働く事で支え合っているとすれば、働くことは必要であり、有意義なことです。

つまり、人は働く事で自分の足で立って歩くことができ、同時に他人や社会そのものを支えている、これがこの社会の仕組みです。

◆働くことに意味を見出すには

とはいえ、僕らはどのように働く事に向き合えばよいのでしょうか?
これは人それぞれですし、残念ながら正解は存在しません。

参考になるかはわかりませんが、僕自身の例を話していきたいと思います。

僕は絵を描く事を生業としていますが、絵が好きだから仕事にしているというよりは、あくまで様々な手段の一つでしかありませんでした。

これまでアニメやゲームの業界で働き、就職する前にもアルバイトで、飲食店や、レンタルビデオ店、清掃業など、様々な仕事を経験しましたが、どれも楽しかったですし、自分なりにやり方を工夫し、こだわりを持って仕事に取り組んできました。

それでも、最終的に今の仕事を選んだのには理由があります。

◆仕事を選ぶきっかけ

子供の頃から、僕は興味の対象をもっと理解したい、そのための手段として絵を使っていました。
それが結果的に、一部の大人たちから本格的に絵を習う事を勧められたり、実際に画家の先生と出会うきっかけになり、仕事にするという選択肢もあるのか、と気付いたわけです。

ところが、それ以外の多くの大人たちは、子供たちを"生産性の高い"人材にすることが正義だと考えていましたし、さらに言うと、僕の育った当時の環境(地域)では「元気に外で遊ぶのが健康的で優良な子供」という常識がはびこっていた為、図書館で本を読み漁り、絵を描いてるような子供は不健康だと思われていました。(具体的にはキ〇ガイと呼ばれていました)

そういった大人社会への反発もあり、絵を生業とする事を選択するに至ったわけです。

◆仕事を選ぶ基準

とはいえ、実は早い段階(小学校高学年あたりだと思います)で、自分には絵描きに必要な才能が欠けていると自覚していました。
それは、何よりも絵を描く事が好きか?という事です。

絵を描く作業自体は割と地味でしんどい作業です。
モチベーションが高くなければ続けられません。
元々手段としか考えていなかったので、好きではありましたが、そこまで思い入れもありません。
実際、途中でやめたいと思ったことも何度もあります。

そこで考えたのは、その仕事を自分がやる必要があるか、という事です。

後に社会人になって転職先を決める時もそうでしたが、僕は自分にできるかどうか(可能性)と、やるべきかどうか(必要性)の2軸で仕事を選んでいます。

できるか、と考えた時、超絶不器用という致命的欠陥はあったものの、少なくとも歴は長かったので、今から新しい事を覚えるよりは現実的だと思いました。

やるべきかどうか、と考えた時には、世の中は一部の優れた人間だけで動いているわけではない事、つまり、極端な才能が無くても、努力次第で一定の成果は出せるのではないか、という予測がありました。

役者で言えば、憑依型と積み上げ型といったタイプがあったり、主役もあれば脇役もいて、演技力が重要な仕事もあれば、そうでもないものもある、つまり、何かしらどこかで役割は見出せる。

加えて、そういう人間だからこそ、見える景色がある、という思いもありました。
実際に絵を評価するのは、その多くが絵を生業にしない人たちだからです。

◆仕事とプライベートのバランス

そういった経緯もあり、最初はアニメ業界に、今はゲーム業界で働いています。
今でもこの仕事を続けられているのは、商業美術の中でも「背景イラスト」という競争相手が比較的少ない仕事に出会えたという、運が味方した部分もあると思います。

とはいえ、働くだけが人生ではありません。

人によっては、趣味と仕事がイコールだとか、プライベートでも仕事のことを考えている、休日でも仕事につながる事をしている、と言う人もいるでしょう。

僕の場合は、そこまで意識を高く持つつもりはなく、プライベートと仕事は完全に分けたい派です。
しかしながら、仕事の性質上、普段の生活の中での気づきが生かされることもあります。
そして、同じ世界だけで生きていては、わからない事もたくさんあります。
そして、逆もまた然り。

なので、プライベートを大事にしながらも、日々学びだと思っています。

◆自分が選んだ道を進む

僕は仕事を自ら選んだと自信を持って言えます。
とは言いながらも、明日には辞めてしまうかもしれません。
その時々で、生きる目的は変わるかもしれないからです。
実際子供が生まれたことで、それは少しずつ変わってきています。

仕事の選び方は人それぞれですが、大事なのはどんな理由であれ、自分で選ぶ事です。

今の仕事を選ぶ事が出来たのは、僕の親が、
「進路は自分で決めなさい。但し、報告は厳守」
と、日頃から言ってくれていたからだと思います。

自分が選んだ道であれば、下手な言い訳はできません。
自分の人生に必然と責任を持たざるを得なくなります。

◆働く事に迷っている人たちへ

今はネットで何でも調べられます。
転職も昔よりはしやすくなったので、すべてとは言えませんが、途中からやり直す事も難しくはありません。
まだ理解が十分とは言えないですが、一部の職種でリモートワークも可能になってきてはいます。

働き方の選択肢は増えました。
もちろん、AIの進歩によって無くなる仕事もあるでしょう。
でも、今ならまだ対策は可能です。

全ては自分の選択によってどうとでもできるのです。



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