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圧倒的強者|あんさんぶるスターズ! extra stage~ Memory of Marionnette~ 感想

あんさんぶるステーズ! extra stage~ Memory of Marionnette~
※公演中の作品ですのでネタバレ等にご注意ください。

1月13日18時 日本青年館ホール

脚本:赤澤ムック
演出:宇田川まさなり

新年あけましておめでとうございます。今年もたくさんみようと思います。
今年の初観劇はあんステからでした。

そして13日は本家のイベントことスタステ2ndで格式の崩れたValkyrieを観てからの青年館でした。1日あんスタ三昧できたのでMoMの破壊力が強すぎてしばらく引きづりそうです。

あんステのエクストラステージってなんであんなにいいんでしょうね。
メインストがユニットが多すぎて構成が難しいのはわかるんですけど、エクストラステージになると心臓鷲掴みになる感覚凄まじいです。

一言で感想を言うと強いValkyrieありがとう。素敵な作品でした。
正直に言うと、構成に関しては相変わらずのブツ切りではあるし、新キャストとなったfine・紅月、新メンバーの増えたRa*bitsに関しては若干の不安が拭えないものの、それを余裕で飛び越えてお釣りが出るくらいValkyrieがいいです。
あのValkyrieを観れただけでチケット買った甲斐あったなって気分です。

あんステは初演とTYMと、もう少しうまくできなかったの…?って思いが拭えないものなんですけど(TSFはお祭りなのでハッピーに終わればいいって思ってます)、エクストラステージのJOKが良くて、今回のMoMがどういうものになるのかをすごく不安と期待で入り混じりながら待っていました。

観劇後の帰り道、今このタイミングでMoMが上演されたことが本当に嬉しいなと思いました。

JOKもMoMも本当に作品として好き!と胸を張って言えるものだと思っているんですが、そこに至る過程が違うのが面白いなと思います。

このツイートを帰りの電車で呟いたんですが、本当に例えが物騒ですね。
JoKとMoMの明確な違いというかアプローチの違いなんですけど、全体のクオリティを上げてチームで勝ったのJoKと、暴力的と感じるほど圧巻のクオリティで個人戦で勝利をものにしたMoMっていう感じです(わかりにくいですね)

JoKは各ユニットごとのクオリティを上げてきていたし、knights vs ナイトキラーズというわかりやすい構図の脚本と、それを主軸にしたレオと司の対立をしっかり描いてくれて観ていて気持ちが良かったです。ナイトキラーズに関わるメンバーもKnightsもいわゆるベテラン勢が多かったので作品自体のクオリティが高いなって思いました。
MoMもJoK同様Valkyrie vs 英智のわかりやすい対立構図なんですが、MoMに関しては全体のバランスというよりもValkyrieのクオリティが凄まじく高いんです。別に他ユニットが悪いというわけではなく、圧倒的に圧巻のクオリティをぶつけてきたValkyrieがいて、それに魅了されたって感じです。

おそらく今回のMoMみたいなユニットのクオリティでぶつけてくるのができるのって多くないと思うんですよ。でも今回それを選んで魅せてくれたし、それを行ったのが圧倒的な芸術世界で魅了するValkyrieということがたまらなく嬉しかったです。
Valkyrieというユニットの特性もマッチしてたのは当たり前なんですけど、特に変わった演出をせず真っ向勝負したライブパートであのクオリティを出したのは本当いすごかったなと思います。

要するにValkyrieすごい。

全体的なテイストは始終ギャグっぽいんですよ。話をしてる横で動く子が多いこと多いこと笑
だけどその分、宗の一言に、みかの一言に一気に持ってかれるんです。
楽しいシーンなんて上げれば上げるほど出てくるんですが、その分Valkyrieとしてライブパフォーマンスをする二人に鳥肌が立ちました。

すごく好きだなって思ったのが、音響トラブルの時の3人。
なずなが歌おうとする前にみかが歌い出す。誰でもないお師さんの作品(ステージ)を守るために、みかが歌い出すんですよ。なずなじゃなくみかが歌うってところがだいぶ肝なんですけど、そこをきっかけに宗の世界が崩れていく瞬間、そして終わりを作るのが悲しいほどに美しいなって思いました。
宗が「舞台から降ろされる愚か者は僕だ」という絶望のあとに、みかの歌が始まる。宗にとってはそれが救いで、致命傷への最後の一撃だっただなと思います。
それでも宗の本質は優しい人なんですよ。だから三人で必死に音を紡ぐ。歪ながらもやっと歯車が合わさる瞬間でした。
友也と創が悲しい歌声って言っていたんですが、人の心をプラスにもマイナスにも動かせる「芸術」としての歌声だったなと思いました。
ただのアイドルではなく、それを超えていっそアーティストともなりうるような、世界観を、歌声を、あの時の3人は完成させて崩れ去ったんだと感じました。

そしてもう一つ、宗が七夕祭で英智に「悪夢を見ろ」と怒りをぶつけるところが好きです。
これは私の勝手な解釈なんですが、英智によって担ぎ上げられて壊された五奇人の中で宗と夏目だけが、明確に英智に「怒り」をぶつけるんです。夏目くんは守られていたこともあって、怒りをぶつけるよりも避けていますが。
自分の友を奪ったこと、自分の青春を壊したこと。彼がどうして三奇人に含まれないかって、いっそ神々しいまでに感情がつかめない三奇人と違って、地を這うような生々しい感情があるからだと思うんです。彼が、彼だけが英智に対して生々しい感情をぶつけてくる。だから英智は、ずっと孤高の天才として宗が好きだし、そこまでの感情をぶつけられるってことは、そこに自分がいたことが証明される、生きた証となると思っているんじゃないかなって感じました。

だからこのシーンはすごく好きなんです。
宗の呪いのような一言に、感情に飲まれていく。一度壊したと思ったValkyrieに想像を超える圧倒的なクオリティをぶつけられる。渉の言っていた「Valkyrieは試合には負けたが勝負に勝った」っていうのが明確にわかるのが、このシーンです。
この時、宗の声が、叫びが、すごく良かったです。「ただでは倒されない。刺し違えてでも倒してやる。」そんな気迫を感じました。圧巻のライブパフォーマンスと相まって鳥肌が止まりませんでした。

鳥肌が止まらないといえば、最後のみかとお師さんのシーンもですね。
始終にこにこかわいいみかちゃんが、ことお師さんのことになると人が変わる。みかの人が変わるポイントって2つあるんですけど、1つがライブ中と、1つがお師さんを害されそうな時です。

英智の胸ぐらを掴んだ時、英智がお師さんの作る「世界」を壊そうとしてると危惧したからだなと思います。お師さんの作る「世界」には美しいものだけがあって、その玉座にはお師さんは君臨しててその横に影のように自分が寄り添っている。みかにとってはお師さんの作る「世界」がみか自身の「世界」なんだと思います。

なので最後のシーン宗が「君も仁兎のように離れて行ってしまうんだろう」の返しに鳥肌がたまりませんでした。もちろんストーリーもちゃんと読んでいるので「ずっと一緒や。地獄の果てまで、ずっと一緒」って返すのは知ってるんです。
このセリフって例えお師さんであろうと、お師さんの「世界」を壊すものは許さないって意味にも聞こえるんですよ。みかの望む「世界」にはお師さんが必要不可欠なので、自分の命なんてどうでもいいんです。お師さんの作る「世界」があれば。それを猪野くんのセリフで見せつけられました。直前まで下手にはけたなずなに手を振ってにこにこなんです。だけど宗のその言葉に真顔で、目線も合わせず冷たく温度の言葉で「離れない」って言うんです。ぞっとしました。
みかってオッドアイなので目を見られるの好きじゃないはずなんですけど、お師さんと話す時ってわりとちゃんとお師さんに向き合うんですよ。だからこそこのセリフを背中で宗にぶつけるのがすごいなと思いました。

もう一点、みかって舞台では時カットされていましたが原作のイベストで桃李に「気持ち悪い」、弓弦に「それだけの実力があるならちゃんと訓練を受けるべき」って言われるキャラなんですよ。
その不気味なまでに命をかけてお師さんに寄り添う姿に桃李は倒れてしまうんですけど、自分の実力とかよりも未来よりもお師さんを選ぶ盲目さが、みかの人が変わるポイントで随所に現れてて、猪野くんのポテンシャルの高さにも圧倒しされました。特に動きがすごかったんですよ。

Valkyrieの振り付けってモチーフが人形なのでマリオネット的な動きが多いんです。
観ていて思ったのは球体関節人形みたいだなって思いました。肩、肘、手首の関節の動きにすごく特徴がある振り付けが多いんです。宗はお師さんなので、時折操る側の振り付けが入るし滑らかなんです。なずなこと大崎くんはおそらく振り付けにすごく忠実だったと思います。
みかこと猪野くんも忠実には忠実なんですが、観ていて気持ち悪いって感じるんですよ。決められた動きをしているのに、不気味に感じてしまう。「不気味の谷現象」を起こした人形みたいで、人の動きだけど人じゃないみたいな気持ちになるんです。みか補正がかかっているのもあるんでしょうけど、目の前にこんなパフォーマンスを突きつけられて呆然としました。
本当にすごかったです。

本当にValkyrieの2人のクオリティがすごく高くて圧倒的でした。自分がヴァルPだったらこんなに嬉しいことはないってくらい。

山崎くんの宗くんの作り込みが凄まじかったです。本当に宗くんだ!!ってなるくらい。
自分の世界観がブレないところも、大真面目なボケをかますのも、なにより本質はとても孤独で思慮深い優しい人ということも大切に表現してくれたなっと思います。ブラウスを妖精さんのように縫ってくれるしね。
あと、山崎くんすごく器用だなと思います。マドモアゼルとの切り替えも上手でしたね。
原作ではいつのまにか腹話術になってたんですけど、実装した当初は思いっきり口が動いてマド姉のセリフをいうキャラだったんですよ。なので舞台でそれがみれてちょっと嬉しかったです。
ピンクの短髪が似合うってすごい。つり目が似合う…!

宗の言動ってゲームでも感じましたが大真面目なボケなんだなって思います。3Aツッコミ不在過ぎじゃない?泉頑張ってってなるくらい大真面目な面白い人です。
糸電話面白いですね。あれ絶対、零に届いてないでしょ笑
舞台装置が面白かったのもあるんですけど、どんどん伸びる糸電話、吸い込まれて消えた糸電話…。めちゃくちゃおもしろかったです。わちゃわちゃ旧ヴァルも可愛かったです。
宗実装当時、レオの後「奇人」として発表されて、レオのあの変人っぷりを超えられるのかって心配されてたんですが、杞憂だったなっていうのを思い出しました。

最後のシンギンシャインは100点中120点満点でしたね!!!
「まったく、期待してるんだろう。しょうがないね。この物語を彩ったもの達と共に贈ろう」的なセリフからの「君達も振り付けを間違えたら許さないよ」お師さんでした。間違えてごめんね。
宗のみ客降りがないのも、ファンに媚びへつらわない孤高の帝王感溢れててよかったです。それでもサビは全力でやってくれるお師さん好きだよ。
シンシャの1番AメロValkyrie専用振り付けになっててすごい良かったです。細かいところまでしっかり自分たちの世界を構築するValkyrie流石でした。

みかちゃんこと猪野広樹くん。
髪型とメイクで印象がガラリと変わるので面白い人です。中身も陽気なお兄ちゃんで面白い人だなって思っているんですけど、彼の強みはキャラクターを自分に引き寄せる力の強さだなって改めて感じました。そんなに彼の出演作を見ているわけではないんですけどね、いろんな作品に出ているなか一定以上のクオリティをだしてくる人だなって印象があるんです。
だから、原作のみかとは厳密にいえば違うかもしれません。けれど、あの山崎くんの演じる宗の隣に立つみかとしてはこれ以上ない最適解だったと思いました。
猪野くんのライブパフォーマンスみれて本当に良かった。

他の子もですが、みかの日替わりでスタステネタにしてて、さすがだなっと思いました。

客席からでてきて「ナルちゃんに言われたから来たけど、ナルちゃんおらんやん〜。俺のこと置いて武道館におるってなんやねん」
ほんとだよね。

あと個人的に宗へアフタヌーンティー持ってくところで
「紅茶が、、、凍っちゃいました〜」で耐えきれなかったです。ずるいよ。あれはずるい笑

新fine
英智と渉以外出番が多くなかったので、これからが楽しみだなって思いました。
4人ともちょっと声が硬いのと高めの子が多いので、fine曲歌いにくそうだなって思います。わりと艶やかに歌い上げる感じだよねfine。新しい4人で、4人なりのfineができるのが楽しみです。
七夕祭の衣装好きなので可愛かったです。ぺらぺらしてたけど…可愛かったよ!!!

初めましての笹森くん。デビューしてあんステが2作目らしいですね。
ラスボスって感じではないんですけど、病弱で死にそうだなってすごい思いました。なので、渉との屋上のシーンがなかなかに切ないし、「君はいいね。明日が来ることを疑いもしない」にドキッとしました。
どんな英智になっていくのか楽しみだなって思います。

渉こと圭志くん。ガタイがいいなってパッと思っちゃいました。あんステわりとスラっとした子が多いので、なかなか新鮮ですね。気球のシーンとか友也くんを追いかけるシーンとかすごく楽しそう。
歌声が思ったより高いのでびっくりしました。

桃李こと副島くん。観劇日が桃李の誕生日なので「おめでとーり」という新しい造語を作ってくれました。
若干声に無理してるかな?って思ったんですけど、桃李も創も中の人が規格外なのでそんなに頑張んなくていいかなっていもいました。

弓弦ことたかきくん。緊張がほぐれたかな?フェスで見た時すごく緊張してるなって思っていたので、セリフにその硬さが出てしまっていたのが、少し薄れててよかったなって思います。弓弦も面白いキャラだと思うので、どう変化していくのか楽しみですね。

新紅月
太鼓!!!まさかの!!!って感じだったんですがうまいこと考えましたね。
前任が芸達者集団みたいな人たちなので見せ方の方向性を大きく変えてきたなって思います。
七夕衣装見れてよかったです。紅月の衣装はひらひらしてることが多くて好きです。

蓮巳。蓮巳を演じる子はスタイル選抜が激しそうですね。地味にユニット衣装のブーツがヒールじゃなくなってました。でもスタイルがいい。すごい。
なんとなくですがすごく嫌そうな顔が似合うタイプだなって思いました。英智にたくさんふりまわされてね。

大将。スラっとしたお兄さんなりました。
声が低くなったね。というか彼の声すごくまっすぐ飛んで来るので気持ちがいいです。
光の肩車軽々とこなしてて、そういうとこ!!そういうとこ大事!!ってなりました。ラビッツが近くにいるとバランスいいなって思いました。鉄虎と並んだ時が楽しみです。

颯馬。フォーメーションが颯馬を中心にしていた旧紅月から、3年生の存在が強くなった新紅月なので彼も結構印象が変わりました。なんか歌舞伎ぽいというか見栄を張ってる感じ?
若干3年生に対して浮く感じがあるので、馴染んだら新紅月のバランスがもっと良くなるかなって思いました。

Ra*bits
なずなこと大崎くん.
ちょっと失礼な言い方なんだけど、今まで観てた大崎くんと全然違くてびっくりしました。たくさん数をこなしてきたんだなって思いました。なので今回あの凄まじい2人なかで埋もれることもなく、しっかりとストーリーを見せる役割を担ってくれていたんだなって思いました。

友也ことなのっくす。くん。大崎くん同様びっくりするくらいいい意味で変化があった気がしました。見せ方を掴むのが上手な印象があるんですけど、今回はそれをしっかりと落とし込んで来た感じを受けました。新キャストが2人、大崎くんがヴァルとの絡みが多い中、しっかりとラビッツの中心にいてくれたなと思いました。

創こと熊谷くん。
初めましてかな?声が綺麗ですね。でも地声全然違ってびっくりしました。無理はなさらず。前任の櫻井くんが引っ張ってきたラビッツだったので前作まではしののんがリーダーのように見えていたんですが、今回は年相応のまっすぐでかわいいしののんでした。あの髪型が似合う子ってなかなかいないって思っているので、彼もまたすごい人ですね。

光こと奥井くん。
ステフェスの時の馴染みっぷりにびっくりしてたんですが、本当安心して見られますね、彼。
立ち振る舞いがしっかりしてるので、暴走気味なキャラの光に緩急がうまいなって思いました。早く陸上部での会話が見てみたいです。

という感じです。
今回衣装もたくさんあって、びっくりしました。まさか七夕練習着までだしてくるとは…!
やっぱサテン地なのでfineがどうしてもぺらぺらしてしまうんですけど、みんなの七夕衣装ちゃんとしっかり作ってあってよかったなと思います。ヴァルの作り込みよかったですね。
そして舞台装置も面白かったですね。後ろの丸い輪っかに宗や英智がいるのよかったです。
あと回る歯車!!Valkyrieのライブで宗が突起みたいなところにしゃがんで、みかは反対側の歯車に立って乗るんですけどその対比も含めてすごいよかったです。
小道具としては相変わらず紅月に小道具が多いんですけど、最後のvalkyrieに旗を振らせてくれてありがとうって感じです。世界に引き込まれました。

すごく引き込まれたMoMでした!
きっとこれからもあると信じているエクストラステージ楽しみです。