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コンテンツ内製化 駆け込み寺(2)文章スタイル:“地の文”編

コンテンツマーケティング全盛の今、多くの企業ではコンテンツを内製化する動きが高まっています。

このnoteでは、コンテンツ制作のキホンをご紹介していきます。参考になれば幸いです。

今回のテーマは「文章スタイル:“地の文”編」です。文章をまとめるにはいくつかのスタイルがあります。それぞれメリデメがあり、伝えたい内容にマッチしたスタイルを選べば、より効果的な情報発信を行うことができます。主なスタイルは下記のとおりです。

①地の文
②一人称
③一問一答
④対談形式

そのうち今回は“地の文”を取り上げます。メディアでの記事制作の仕事はフルオーダーで、案件ごとに文章スタイルも異なります。ただ、企業の情報発信・コンテンツマーケティングでは、この“地の文”か②の“一人称”で対応できます。

“地の文”の特徴は第3者目線でフラット。でも他人行儀?

さて今回は“地の文”です。これはズバリ、報道のスタイルです。例えばこんな感じです。

今日午後、東京・新宿の繁華街で火災が発生し、現場の雑居ビル1階で飲食店を営む男性は「突然ボーンという大きな音がしたので通りに出てみると、ビルの5階の窓から黒い煙が出ていました。急いでお客さんと従業員にお店から出るよう伝え、119番通報しました」と答え、動揺を隠せない様子でした。現場に駆け付けた消防によると、この事件によるけが人はいないということです。

*スタイルを説明するためのサンプルです

この文章で、「 」の部分以外のところを地の文と言うことから、こうした報道風のスタイル自身を“地の文”と呼びます。このスタイルでは、記者(執筆者)が、現場や聞き取りで得た情報や解釈を地の文でつづっており、キーとなる生のコメントは、地の文と区別するために「 」に入れます。

この文章のスタイルの利点は、その場の様子や事実を抜き取って簡潔に伝えながら、執筆者の解釈や考え方を自然に伝えることができることです。場面設定や背景などを地の文で効率よく説明できる点も都合がよいでしょう。

こうした特徴から、自社で開催したイベントなどをオウンドメディアやリリースで発信するときに使いやすいスタイルです。例えばこんな感じです。

202X年8月X日、プリンセスホテル(東京都港区)にて、株式会社XXXの新製品発表記者会見が行われました。会場には100を超えるメディアが集まり、関心の高さをうかがわせました。冒頭登壇した代表取締役鈴木太郎は、今後のもくろみを次のように発表しました。

「当社が本日発表しますのは、従来の常識を覆すまったく新しい製品です。われわれはこの戦略的製品によって、5年後にシェアを、現状の30%から60%まで引き上げるもくろみです」

会見の後半では、記者からの質問に事業本部長の加藤次郎が答え、9月初旬から順次出荷予定であること、カラーバリエーションは当初5色で、価格帯は5万円から7万円(税別)であることなどを発表しました。

*スタイルを説明するためのサンプルです

読んで分かるように、まるでメディアの記事のようにフラットなレポートなので、読む方にもすんなり情報が入ってきますし、宣伝臭くならないメリットがあります。ただ、反対にそれゆえのデメリットもあります。

自社のことなのに少々「他人事」で、熱量や意志を感じられない点です。そんなときは例で太字にしている「  」内の発言内容をうまく活用して補うのがよいでしょう。

次回はある意味“地の文”と対照的な“一人称”について触れたいと思います。

オンラインセミナー動画からテキストコンテンツを作成する「ContentsGeneration」をはじめ伴走型内製化支援まで。私たち株式会社MGTは、大手メディアでの制作実績を生かして事業会社のコンテンツマーケティング高度化のお手伝いをしています。

株式会社MGT


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