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誰かが仕事のミスをした時、あなたならどうする?

以前、ヘルパーさんが、誤薬(誤った方法・種類・量・時間で服用・与薬すること)してしまったケースがあった。
それに対してある看護師は、なんで誤薬したのかを責め立てていた。
ずっと「なんで?」「なんで?」と電話先で怪訝な顔をして言っていた。
その電話をハラハラしながら聞いていた。
逆にずっと責め続けて、相手からどんな言葉があればそれは終わるのだろう?と思った。
私は、こういう事に遭遇した時にはできる限り同調しないようにしている。
電話の直後に「まずは、ちゃんと報告してくれたことは、よかったね」と言った。誰かが同調する前に意識的に一回、ここで職場全体の空気を変えたかった。
もちろん、誤薬はあってはならないことだと思う。
幸い、他の人のお薬と間違えたわけではなく、そのかたがいつも飲んでいる朝と昼のお薬を間違えたに留まった。体調を大きく作用するような影響もないお薬だった。

責め立てることで何かいいことが生まれるなら大賛成だ。どんどん責めまくろーぜ!となる。
でもきっと何も生まれない。
ここで質問力が問われると思う。
なんという声掛けがよかっただろうか?

「今度から薬を間違えずに飲んでもらうにはどうしたらいいでしょうかね」という問いかけにしたらどうだろう?

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人間だから間違いはある。私なんて間違いだらけの人生。
誰かがミスをしたときには、明日は我が身だと思い、気を引き締めている。それくらいの緊張感の中での仕事をしている。私の代わりにその役を演じてくれて教えてもらっているとも思う。
それならみんなで次はミスがないようにチーム全体で向上したほうが絶対にお得だと思う。
次のケースにも活かせるし。

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そもそも私は、人のことをあれこれ言えるほど自分に自信がない。
しかも、その人の背景も気持ちや事情も何も知らないのに責め立てるなんてとてもできない。
私は、何十年もこの仕事をしていて、どの職場の中でも誰かに怒ったりすることはなかった。
このために穏やかで優しい人だと思い切り勘違いされている。
でも、そんなんじゃない。
その人の情報が少ない中でいきなり怒ったり、ミスを指摘するというのはできないだけ。
その人の気持ちや事情を知らずにストレートに正当なことを言ってしまう人のことを責めるつもりもない。直感力に優れているのかもしれないし。

でも、さっきも書いたように明日は我が身なのにとても人のことを責めることは、私はできない。
だって、散々、責めといて自分も同じようなミスをした時には、どんな顔すればいいのかわからない。
彼らにはその恥ずかしさに直面しても大丈夫な勇気があるのだと思う。
或いは、絶対自分は、一生、ミスをしない!という絶対的な自信があるかのどちらかだと思う。

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そして、ミスがあった時にミスがあったことを伝えて相談できる環境があることが何よりも大切だと思う。
ミスがあったのに隠してしまうことのほうがずっと怖い。

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そのヘルパーさんは、上司からも色々と指導が入ったと思う。
でもここで私たちがどんな言葉をかけるかでこの先は変わると思う。
結果、私たちは、「今後も何かあれば今回のように報告してほしいし、何かあれば、一緒に考えて行きたい」と伝えた。

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他の事業所の人のミスがあった時にも私たちはそれをどんな形で伝えたらいいのかを電話を掛ける前にその場にいたメンバーで考えた。
責めているという印象をもたれないこと、上から目線にならないこと、みんながこれから注意していかなければならなかった事例であったこと、今後もいい関係性を保ててお互いに向上できることなどを考えながら適切な言葉をみんなで探した。

私たちが発する言葉は、簡単に誰かをダメにすることも、誰かをいい気持にさせることもできる。
自分が発した言葉は、必ず自分にかえってくるのだから、損得勘定で考えて(笑)、私は、できるだけ気持ちのいい言葉を発することが出来たらと思っている。





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