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『はじめるデザイン』のはじまりかた

はじめに

こんにちは、人妻女子大生社長です。最近大学の課題の進捗が芳しくありません。それはそうと、6年間という超長きに渡って温め続けてしまった『はじめるデザイン』という初の単著が発売になります。ここではいろいろな裏話を書いていこうと思います。

「どうやって本を出したの?」

たまに聞かれる質問です。有名デザイナーでもないのにどうして?という感じです、わかりますわかります。書籍に限らず仕事全般に言えることだと思うのですが、最初の"火種"として「手を挙げる」「代役でしっかり成果を出す」この2つが重要だと感じています。今回はこの2つと、その結果何が起きたかを書いてみたいと思います。

手を挙げる

ある日突然「ぜひ本を書いてくださいおねがいします!」みたいな展開になったりはしません。なったらいいよね。私の場合、デザイナーのイジシマミキさんがtwitterで「一緒に本を書いてくれる人を探してまーす」というコメントをしていたので、はいはいーやりたいです!と手を挙げたのがきっかけです。2012年のことです。そうこうして5人で書いたのが『神速Photoshop』でした(※リンク先はその当時の2013年版です。この書籍はおかげさまで好評を博し、2016年に新版が出ました)。イシジマさんには圧倒的感謝! 私なんかにつとまるかなということは執筆中100回以上考えましたが、考えてもしょうがないのでとにかく書きました。

当時は20代の会社員でした。会社から帰ってきて夫にご飯を作り、夫が寝ている横でPCの光で原稿を書きました。蛍の光窓の雪。その結果たくさんの方に手にとっていただけて、本当に嬉しかったです。

代役でしっかり成果を出す

実はこの件、当時は別の方にオファーしたそうです。その方がお断りされたということで「誰かいい人いない?」という話になったんだと後から聞きました。いきなり指名で「貴女じゃなきゃだめなんです!」という展開になったりしません。このとき、代役で真摯に成果を出していくことが自分の生存戦略として有効なのだと気が付きました。受託制作(依頼を受けてデザインを作る仕事)では特にこれが顕著だと思っています。

背伸びして手を挙げると目線があがる

単著でなくても「書籍を出した」というのはなかなかインパクトがあるようで、両親や母校のみなさんも喜んでくれましたし、特に偉い人から「対等に見てもらえる」という実感がありました。

偉ぶりたいというわけではないのですが、たとえばお客様がどなたかへ私を紹介するときに「本を出していてね」という言葉が出ると、お客様も相手も安心材料になるようです。これは会社を興した理由とも共通します。

ただし、こういったわかりやすい印籠が良いかは人それぞれで、たとえば制作の仕事にこれを持ち込むと実力に対して期待値が過大になってしまうという諸刃の剣なので、印籠は取扱いに注意が必要です。

目線があがると誰かが見つけてくれる

書籍が出てすぐに2つのお誘いをいただきました。Adobe ADC OnAir(※2013年当時アドビさんがやっていたAdobe公式のUSTREAM番組。現在はCC道場が放送中)で書籍のPRをしませんか?というお誘いと、「DTPの勉強会」に登壇しませんか?というお声がけをいただいたのです。

まずアドビの放送をきっかけにいろいろなつながりができ、こういった記事を書きました。ネットで記事を書くと、授業やセミナーで「"Photoshop, ウェブデザイン"で検索すると記事が出てくるので詳しくはそちらを見てください」という技が使えて便利なのですが、わからないことがあって検索しているのに自分の記事が出てくることがよくあり、「違う、そうじゃない」感がすごいです。話が横道にそれましたが、こういった活動を経て現在はAdobe Community Evangelistを拝命しています。

「DTPの勉強会」では 『はじめるデザイン』の版元である技術評論社の編集さんとお会いしました。そこで早々に「単著を書きませんか?」とお声がけいただいたのでした。これが本書が誕生した直接のきっかけになるのですが、当初書きたいと思っていたのは実はまったく別の本でした。

アドビの担当さんにも、技術評論社の担当さんにも言われたことがあります。「最初に会ったとき、この人は興味深い(interesting )と思った」。どこがそう思われたのか不思議に思う部分もありますが、一生懸命手を挙げると、誰かが見つけてくれるんだなと思った瞬間でした。

と、喜んだのもつかの間、そこから先が本当に長かったのですが。

お読みいただきありがとうございました。次回は、『別の本』の話と、6年もの間私は何をしていたのかについて書いてみたいと思います。『はじめるデザイン』は2019年の4月11日発売となります、どうぞよろしくおねがいします。





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