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間借りクレープ屋さんをやってみた経験と学びまとめ

こんにちは!渚です。NagiCrepeというクレープ屋さんを経営しています。

今まで”クレープ”という商材で「キッチンカー」「固定店舗(2か所)」「ケータリング」「レクチャー」などをやってきました。
※現在、戸越銀座で次の店舗をつくってます!ぜひ来てね!

このNoteでは、五反田でカラオケバーの間借りクレープ屋さんを約3か月やってみて色んなことを経験した私が、その経験から学んだことを残しておこうと思い書いています。

これから間借りで飲食店をやってみたいと思っている人の参考だったり、「間借りってこういう実態なんだ〜」と、楽しく読んでもらえるものになったりしたらいいなと思います。


間借りクレープ屋さんに挑戦した理由

まず、間借りをやろうと思ったのは去年末あたりなのですが、当時「間借りのクレープ屋さんをやってみよう」と思った理由は2つありました。

● 人のもとで働く、を抜け出す場所が欲しかった

理由のひとつは、「人のもとで働く」ではない状況を少しでも作っておきたいと思ったからです。

間借りを始める少し前は、桜上水のクレープ屋さん(固定店舗の2店目)を閉店した後で、いくつかの会社で業務委託のお仕事をさせていただいてました。

当たり前ですがそれらは自分の事業ではないので、常に誰かの下で働いている状況でした。

前提として、その会社が嫌とか上司が嫌とか、そんなことは思ったことはありません。(むしろ当時店舗を閉店した私を拾っていただいて、とても感謝してます…)

ただ、「誰の下でもない」状況でできる仕事や事業がゼロという状況が、何か窮屈でしんどくなってしまっていた自分がいました。

これはほぼ確実に自分のわがままとか甘えとかの領域なのですが、やはり自分が自分を思い切り表現できる場所は作っておいてあげたなと。

そんな自分のわがままを叶えようという中で、当時の仕事をやりながらでもすぐに始められそうだった手段のひとつが、間借りだったのです。

● 実現したい事とかけられるコストの折り合いがついた

上記の状態を叶える方法をいくつか考えたときに、一番コストが少なく最低限やりたことが実現できると感じたのが、間借りという形でした。

つまり、「自分が自分を思い切り表現できる場所を作りたい」という想いと、当時自由に使える時間やリスクを考えた結果、期間限定や週2~3日でできる間借りが最適かなと思ったということです。

そんな中、間借りのマッチングサイト(※)をそれとなく見ているときに、まぁまぁ理想的な立地にあるカラオケバーの間借り募集を見つけました。
※間借りのマッチングサイト…「間借りをしたい料理人」と「間借りしてほしい飲食店」をマッチングするプラットフォーム的なサイト

そしてカラオケバーの店主さんとお話をして利用料の折り合いがつき、荷物の残置など条件面も合致したことで、そのお話の2週間後から間借りを開始するということになりました。

上記の2つの理由からわかるように、間借りを始めたのは割と軽い気持ちからでした。
桜上水を閉店したときに書いたnoteにもあるように、自分は「世界をこう変えたい!」という熱い思いがあるわけではないので、そのときの自分にできることを目いっぱいやろう!という想いで始めたのを覚えています。

間借りの準備について

次は、間借りで飲食店をやる人って何を準備しているの?的なところを少し書いておきます。
間借りで今後飲食店をやったりする人にとって少しでも参考になればと思いますので、興味のない人はここは飛ばしてくれればと…

準備① 機材や器具、看板等の用意

まずは単純に、物の用意です。
メインになるクレープ焼き機はもちろんですが、生地を混ぜる道具やトッピングする際のお皿的なもの、調理器具諸々などを用意します。調理やラッピングに必要な消耗品なども揃えます。

特に、もともとのお店の「カラオケバー」という業態と、間借りでやる「クレープ店」という業態は全く異なるため、店舗の器具を使わせてもらうということはほとんどなく、多くの器具をこちらから持っていく必要がありました。

用意したものの量で言うと、全部でスーツケース1個+大き目の袋2個+看板(+材料は都度運ぶ)、くらいでした。

準備② メニューの考案とメニュー表の準備

メニューも、以前店舗でやっていた時と全く同じとはいきません。
NagiCrepeの特徴/こだわりは保ちつつ、「間借りでも、ちゃんと美味しく提供できる」範囲でメニューを絞りました。

結果、店舗では50種類くらい用意していたメニューを、間借りでは10種類ちょっとに絞りました
そしてメニュー表も間借り用に新しく用意しました。

準備③ SNSなどでの告知

間借りのオープンが決まって2週間後から営業になったので、SNSでの告知もできるだけ早く行いました。

特に今回のサブ目的として「今まで応援してくれていた、この地域のお客様にクレープをもう一度届けたい」というのがあったため、SNSでの告知は欠かせません。

準備④ 店舗オペレーションの再考

今回はカラオケバーの昼の時間を使わせてもらったので、ざっくりと「カラオケバーのレイアウトでどうやってクレープ店を回そうか」という部分を考えました。

イートインは対応するのか、注文と会計はどこで受けるのか、製造中はどこで待ってもらうか、等々…。

店舗の業態が違うので完璧なオペレーションは難しいのですが、スタート後のやりながら改善も含めて、色々工夫はできていたんじゃないかな?と思います。

準備⑤ 荷物運びと当日準備

最後は、間借りするカラオケバーへの荷物運びです。
これがとっても大変でした…

友達に手伝ってもらい、カラオケバーと自宅を2往復くらいしました。
上で挙げたように看板なども含めるとかなりの量になっていたので、2人がかりでも1往復では足りず。

前日に搬入していいよと店主さんが言ってくれたので、時間を気にせずゆっくり運べたのはせめてもの救いでした…。

そして荷物も運び終わったら間借りの準備は完了。次の日から間借り営業をスタートしました。

間借りをやってみてよかったこと

ここからは、今回3か月ほど間借りをやってみて、「間借りでよかったと思ったこと」と、「ここは間借りで厳しい部分だなぁと思ったこと」を書きます。

まずは、よかったと思ったことを大きく3つ。

● 挑戦したかったことが小規模で挑戦できた!

一番大きかったメリットは、リスクを最小限に抑えながら、新しい挑戦ができたことです。
具体的に今回の例を挙げると、「人と一緒にお店に立ってお客様を相手する」ということが、自分の中で大きな挑戦でした。
(以前の店舗で、卸の製造だけお手伝いしてもらっていた方はいましたが、接客を誰かと共にするのは違うハードルがありました)

期間限定の間借りだったことで、「売上が人件費でマイナスになる」という資金的なリスクを最小限に抑えられたのはもちろん、

  • 自分自身が人と一緒に長時間お店にいることができるのか

  • 誰かにクレープ作りを任せることができそうか(任せてまで自分が現場を離れたいと思うのか)

などのシミュレーションを、厳しかったときのリスクを最小限に抑えて試すことができたのは、本当によかったなと思います。

● 自分を思い切り表現できる場ができた

目的のひとつで掲げていましたが、ある程度実現できたと思います。

というのも、当時の間借り期間中も業務委託の仕事を続けており、その中で間借り営業も始めたため忙しくはあったのですが、
その一方で、間借りクレープ店という、自分をのびのび表現できる場があることが、心の支えになっていました。

忙しい中買い出しに行くことも体力的には大変でしたが、自分が自由に活動することで気力的には回復していたのかなと思います。

私自身の性格上、体力的な辛さよりも気分的な窮屈さとかもどかしさのほうに弱いので、精神的に自分を元気に保つという観点では、間借りをやって良かったのかなと思います。

間借りで厳しいと思ったこと

下記では、間借りをしていて「これは結構間借りならではのしんどさがあったな〜」というところです。

● 荷物運びがつらすぎる

準備編でも書きましたが、荷物運びというのが1番体力的には大変でした。

初日と最終日の運搬も大変ですが、毎週持ち運ぶ荷物も相当な量で…
毎回リュックいっぱいと大きな袋を2つ(クレープ材料や器具等)両脇に抱えて徒歩で通っていたので、実は営業前の時点でめっちゃ疲れていました。笑

まぁキッチンカーの荷物運びと同じくらいだったので慣れてはいましたが、当時よりは歳を取っている(キッチンカーは19歳でやっていた)のでちょっと体力的にはしんどかったなぁという印象ですね…

● 業態や商品に合ったオペレーションが実現できない

これも想定通りでしたが、「カラオケバー」という場所を借りている以上、クレープ店のオペレーションや理想に近い雰囲気を作り出すのは難しかったです。

今回のカラオケバーはカウンターがあったので、それを活用してクレープのイートインも可能にしたのですが、
イートイン形態用のメニューではなかったりと適応できない部分が多く、お客さんにも当店にとっても、少し窮屈な部分があったかな?と申し訳なく思っていました。

● コンセプトの表現に限界がある

上記で書いたところと若干かぶっているのですが、内装や外観等がどうしてもお借りする飲食店をベースにしないといけないので、
「間借りする側のコンセプト」を表現するのは難しいなと思いました。

ただ、長期で借りるという場合はもっと工夫できるのではないかと思います。

内装や外観なども間借りする店舗に合わせて工夫すれば、借りる曜日だけ、ある程度お店のコンセプトに近づけることはできるはずです。
例:電球の色や大きいタペストリーまで揃えるなど。

短期で借りる場合は回収期間が短く費用対効果が無さすぎてしまいますが、長期であればちゃんと作りこむのもありだなと思いました!

● 衛生面等の懸念

衛生面は、間借りする側にも間貸しする側にも常について回る問題かと思います。

使う材料も調理工程も違う2事業者が、同じキッチンを使っている状況になるので、材料の混合や清掃度合いの差異などの心配がついて回ります。

私の場合は、当店のクレープでのみ使うための器具をもっていくことで、材料の混合をできる限り無いようにしました。

また清掃については時間帯が全く異なっていたので、毎回ある程度お互いが掃除をして営業を始めることで特に問題は起きずに運営できたかなと思います。


まとめ

ということで間借りを経験したまとめとしては、
色々な問題は付いてきますが、ひとつひとつ丁寧に向き合えば「リスクを抑えて自分を表現できる」とてもいい手段だと思いました!

ただ、やっぱり体力はかなり必要かな~と思うので、間借りを検討する際は、ある程度体力がある状態か、体力のある仲間がいる状態でやることをお勧めします!!笑

この記事のおかげで誰かの間借りへの理解が深まって、さらには誰かが一歩踏み出せるきっかけになったら嬉しいです。

お店の告知

ということで!
2024年5月末ごろから、品川区にある戸越銀座商店街で新しいクレープ屋さんをオープンします!!
間借りではなくて固定店舗です!!!

「クレープを、美味しくヘルシーに」というコンセプトで、”卵・小麦・乳不使用”のクレープをお届けします。

NagiCrepeのインスタから最新情報発信中↓
https://www.instagram.com/nagicrepe/

まだ店舗も工事真っただ中でやっと間仕切りができそう、、、というくらいですが、

現在の店舗!

これからも色んな挑戦していきながら、NagiCrepeのお客さんにたくさん喜んでもらえるようなお店を作っていきます♪

暖かく見守っていただけると嬉しいです~~~🌸

ではでは!暑くなってきたので寒暖差にはお気をつけてお過ごしください✨


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