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「本一冊書くのに必要な情報量」

本を一冊書くのには、当然のことながら「絶対にこれだけは必要!」という情報量があります。

いつごろから、その必要量がわかるようになったんだったかなあ、と先ほど、考えていました。

私が最初に書籍を書いたのは、たぶん1996年ごろだと思います。今から21年前ですね。

まだワープロを使っていたはずです。印字してファクスで送っていた・・・のかな??

今になってみると、書籍初心者には非常にありがたいシステムなのですが、ベテランさんと組んで2人で1冊を分け合って執筆しました。

編集プロダクションからの仕事だったので、よくありがちな「取材なし」というタイプのものです。

編集さんが作った台割に合わせ、資料から原稿を起こすという。

別に不満も何も感じませんでした。

かといって、「本を書く」ということについての感慨もなかったです。

雑誌が好きでライターになった私にとって、「へえ、ライターが本を書くこともあるんですね」という感じでしたよ。

雑誌の仕事の合間に、少しずつ書いて、気がついたら書籍の半分(つまり自分の担当分)を書き終えていました。

ギャラは20万円。安いのか高いのかよくわかりませんでした。紹介してくれた人は「安くてごめんね」と言っていましたが。

・・・そんな仕事が何冊か続き、そのうち、FPと社会保険労務士と年金コンサルタントの資格を取って、自著(共著ですけど)を2冊書き、初めてインタビューをして丸ごと1冊書いたのが2004年だったかな?

医師の本でした。

たぶん、そのとき初めて、「本を一冊書くのにはそれ相応な情報量が必要」ということを実感したんですよね。

それまでは資料や自分の知識で書いたりすればよかったので、情報収集に必死にならずにすんでいたのです。

時代がぐっとくだって2013年。この年、がっつりビジネス書を2冊やりました。

1冊目は著者さんの書きたいものがはっきりしていて、なおかつ充分にお話ししていただけたので、何の苦労もありませんでした。

が、もう1冊では苦戦につぐ苦戦。インタビューが甘いと、自分が苦しむということを思い知らされた仕事です。

不動産相続の本ですが、これが今読むと、すごくわかりやすく書けてるんですよっ! 

いろんな意味でエポックメイキングな仕事でした。

そう。たぶん、私はあのときにわかったんです。

「本一冊書くのに必要な情報量」というものが。

以後、取材を始めて早い段階で「足りないかも!!」と感じると、次回以降、あそこをふくらませられるようもっと詳しく聞いて、ここを突っ込んで、章立てをこう変更して、そうすれば足りる!という対策を立てられるようになりました。

・・・なんでこんなことを書いているかというと、今日、まさに「足りないかも!」センサーが作動して、対策をあれこれ講じたところだから。

編集者さんに相談したところ、同じ危惧を抱いていたことがわかり、お互いに「ああ、よかった。同じように感じていてくださって」と言い合い、今後の方針が決まりました。

うれしかった! 私はやはり編集者さんと二人三脚が好きです。

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