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「腎臓をもむ健康法」

私が人生で最初に覚えた臓器の名前は「腎臓」です。まだ釧路にいたころですから、5歳より前のことでしょう。その名は、祖母から教わりました。

彼女は大正時代に腎臓結核の手術を受けた人で、左右どちらかの背中から脇腹にかけて、大きな傷がありました。お風呂に一緒に入ったときに「どうしたの?」と尋ねたら、「腎臓の手術をしたときについた傷」と教えてくれたのです。

大正時代の腎臓摘出手術です。今では想像もできないほどの大手術だったことでしょう。死にかけた彼女が、祖父の夢枕に立って、「おとうさん、私はもうだめだよ」と蓮華畑の方向に行こうとしたのを、祖父が「まだ行くんじゃない!」と引き留めたと聞きました。

でもこの話、祖父か父が「盛ってる」かもしれません。二人とも話を面白くするのが大好きだったので。

生命力が強かったのでしょうか、なんと彼女は腎臓を一個取ったあと、上にいた3人の子供のほかに、3人の子供を産みました。

摘出後、最初の子はやはり体が弱かったのでしょうか、生後すぐになくなりましたが、2番目に生んだ子供は弱いながらも無事に育ち、私の父となりました。

祖母は腎臓に対して非常に敏感で、お醤油をなめたりすると、「やめなさい! 腎臓を悪くする!」と血相を変えて取り上げられました。

その権幕に、まだ幼かった私も、「腎臓ってすごくだいじなんだ」と思い知らされたものです。

・・・ところがですね、皮肉というかなんというか、父は腎細胞がんで、母は糖尿病から慢性腎不全になり、人工透析になって亡くなりました。

腎臓がどこまでもついて回る一家なのかもしれません。

今のところ私の腎機能は基準値の範囲内ですが、疲れると左右の背中に鈍い痛みを感じます。

ちょうど腎臓のあるあたりのような気がします。

なので、今日の新聞でこの本の広告を見たとき、「読んでみたい!!」と強く思いました。

買っちゃおうかな。

買っちゃうだろうな♪

「腎臓をもむ」というのが目新しくていいですね。

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