淡々と。

先月末に切除した卵巣の病理検査結果を聞きに行った。元々今日は婦人科の予約だけ入っていたのだけど、診察券を入口にある受付の機械に入れたら、婦人科の診察の予約の後に、外科の主治医の診察の予約が勝手に入れられてて、あ、これは多分転移だね、と夫に告げる。

結果はやはり転移であった。婦人科のドクターから病理検査結果の説明、大腸癌ステージ3bからの転移なのでステージ4ということになるらしい。
説明を聞き終わってから今度は外科の主治医のところで、今後の治療について相談。目に見える癌は全部取った状態なんだけど、細胞レベルの目に見えない癌は散らばってる可能性があるので、ガイドラインによれば抗がん剤推奨、8クールの半年間、ということらしい。

すぐに決められないので、1週間後に再度予約を入れて病院を後にする。やっても再発するかもしれないし、やらなくても再発するかもしれない。やらなくて後悔するかもしれないし、やって後悔するかもしれない。本当に決めるのは難しいな。

夫はみるからに落ち込んでいるが、私なんかは落ち込んでもいいことはないので、やはり淡々と過ごすことにする。とりあえず、入院で延ばし延ばしになってた怪医学の先生の診察の予約を早速入れる。先生の意見もきいたり、できることを相談してこようと思う。

夜は帰って父も母も一緒に庭で七輪でいろいろを焼いていただいた。息子は知らせをきいた最初こそ機嫌悪そうにしていたが、だんだん持ち直してきた。さすが私の息子。そうなんです、クヨクヨしててもなんもいいことないので。夫は予想通りかなりまいっている。心ここにあらず、といった表情。

アスパラ、トマト、塩引鮭。中山商店のキムチと豚肉、それから〆に冷麺。

食べ終わってから夫と息子とちょっとだけ散歩して、風呂に入ってから母も誘って人生ゲーム。私が勝った。

息子が寝てから隣の部屋で夫と話し込む。あのさ、どこか今までずっと行きたかったけど行けてないとことか、ある?などと私にきくので、今みだそんな段階じゃないし、やめてよー!と笑い飛ばしてやった。あと、一人で乗るんなら、あんないい車乗りたくないな、とも言ってた。ナイーブやなぁ…。

しばらくいろいろと話したりして、夫も少しだけ落ち着いたところで、そろそろ寝ようと寝ている息子を見に行くと、息子がなぜか寝ながら小刻みに拍手したので私は大笑いした。夫は笑えなかったようで、少し申し訳ないような気持ちになったが、そんなしててもやはりいいことはないので、淡々と過ごすしかない。それにしても息子は何の夢をみていたのか……拍手。

さてまた前を向いて歩くのだ。とりあえず、寝よう。