街を歩く

うちから歩いて10分ちょっとのところの細い通りに、かなり昔からやってるであろうほったて小屋みたいな油條のお店がある。おばちゃんたちが小屋のなかで数人忙しそうに揚げていて、できたてがガサっと立ててあり、一本から買えるお店。
最近ここのりっぱな油條を買って鹹豆漿を作るのにハマってて、ときどき歩いて買いにいく。
そこからさらに20歩くらいあるいて、角を曲がってもっと細い通りに入っていくと、若い人がやってるおもしろいカフェがあって、コーヒーはベストではないしカップも重くて、私的にはまあまあなんだけど、雰囲気が好きでたまにいく。ここんちのカフェはこの古い通りに愛があるんだな。それがちゃんと伝わってくるいいお店。
桃園に住んで来年で15年になるんだけど、今までずっとそんなに好きじゃなかった。ごちゃごちゃしてるし、美食砂漠といわれるくらいにあんまりおいしいお店もなかったりで。でもあちこち歩き始めて、だんだん好きになってきた。桃園の旧市街のそばに我が家は位置していて、昔はこの辺を北門と言ったらしい。お城の北門のあたりだったようで、亡くなった夫の祖母はボケて迷子になったときも、北門に住んでると言って親切な通りがかりの人に連れて帰ってもらったりしていた。そんなところなので古い昔からのお店もちょこちょこ残ってて、そんなお店の様子を眺めつつ散歩するのは楽しい。街の味わいってものは車だとなかなか感じられないものだ。