レプリカズ:倫理観が壊れた電気羊達の夢

キアヌ+サイバーパンク=神

という法則はJMから始まり、マトリックスで最高峰の高みにまで昇り、サイバーパンク2077で良くも悪くもボルテージは新たな頂を築いた。

そんな中、キアヌ主演なのにヒッソリと公開されてあまり話題にならなかった問題作「レプリカズ」。

何が問題かって言うとキアヌ演じる主人公ウィリアムの倫理観が破綻し過ぎて怖かった。

ウィリアム「今日は街に待っていた釣りの日だから、家族で出掛けに行こう!」分かる。

ウィリアム「釣りに出かけたけど大雨が降って来た...まぁでも一応行ってみるか」まだまぁ分かる

ウィリアム「家族を事故で死なせてしまった...仕事の研究も佳境なのに...そうだ会社の設備でクローンを作ろう」え?

ウィリアム「同僚も都合良く使おう。と言うか設備足りなくて家族全員復活できねぇわ。違和感無いようにクローン体復活出来なかった子の記憶を消しとこう」全然分からん。

ウィリアム「上司に家族を奪われそうになった!俺のコピーアンドロイドで上司をぶっ殺してやる!ついでにそいつに俺の後釜になって貰って、会社の地位も仕事も全部そいつに押し付ける!上司は死んだけどクローンで蘇らせる大丈夫だ!」さっぱり分からん。

「俺は結局蘇らせた最後の子を含めて、家族全員でバカンスを楽しむ!ハッピーエンドだ!」

大体こんな感じのストーリー。いやもう何と言うか、こう。キアヌ落ち着いてくれって見てて思った。やることなす事を始める動機が軽過ぎて、涙を流すシーンも「その前にもうちょっとやる事あっただろ」としか思えない。お前は涙を流す前に、20数人にも及ぶバッテリーを奪われた車の持ち主達に謝った方が良い。

舞台と言うか物語も全部ウィリアムの都合が良い様に動くのも何だかなぁと思ってしまう。一応その辺の説明は入っているが、散々予測出来るオチだったので意外性も無かった。

キアヌの演技も今回はさしてアクションも無いし、最近トレードマークと化しているヒゲもバッサリ剃っているしで存在感が無く、何だかなーと思ってしまう。若い頃のキアヌは本当に美しい人形の様な顔立ちと儚い雰囲気が好きであり、老齢を重ねた今は野性味溢れるハードボイルド且つ歴戦の勇姿を思わせるヒゲキアヌが好きな自分としては、今回のヒゲ無しキアヌは特徴が無くてつまらなかった。

サイバーパンクと言うかSF要素も何処と無く現実離れして地に足がついていなかったのも、この映画が軽いと思ってしまった理由何だろう。もういい加減3Dホログラムに手をワチャワチャして操作するのはやめた方が良い。ただ適当に映像を流しているだけなんだなとしか思えない。

総評としては、金をかけたB級映画。ストーリーの中身が無く、ビジュアル的な特徴も無く、見所がない。

キアヌ主演じゃなければ私も見なかった。













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